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テクニック

2019年5月21日

ポジションごとに技術は変わる? きちんと「止める」だけではダメ? U-12日本一の監督に聞く試合で使える「止める」技術習得のコツ

キーワード:インサイドプレッシャーボールコントロール全小大島僚太家長昭博川崎フロンターレ止める・蹴る

2018年度の全日本U-12サッカー選手権大会で優勝し、日本一に輝いた、川崎フロンターレU-12。トップチームはJリーグで連覇を達成するなど、高い技術をベースとした攻撃的なサッカーで注目を集めています。

川崎フロンターレのU-12では、「ボールを止めること」について、どのような考えのもとに指導をしているのでしょうか? 高田栄二監督のインタビュー後編をお届けします。記事の最後では実際に行っている練習の一部を動画でご紹介しますのでぜひご覧ください。

(取材・文:鈴木智之)

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次のプレーにつなげるところに止めて、蹴ることが大事

<<前編:小学生年代日本一の川崎フロンターレU-12が実践する「止める」技術

■ポジションごとに「止める」技術は変わるのか?

――インタビュー前編では、家長昭博選手の「ボールを止めて・蹴る」動きがスムーズだと仰っていましたが、トップレベルの選手を見ていると、プレッシャーを受けていてもそれを感じているように見えない、動きのスムーズさがあります。そこに到達するためには、どうすればいいと思いますか?

やはり、トレーニングの中で伸ばしていくしかないと思います。意識しながら、反復練習をすること。試合の中でも、常に良いボールが来て、良い状態でパスを受けられることはありません。ボールが少しずれたとしても「足を運んでパスミスだと見せないようにしよう」と、選手に言います。ボールがずれたけど、スッと足を運んでボールを止めて、何事もなかったように、次のプレーに移ることができるのが理想です。

――センターバックやサイドバック、ボランチ、フォワード、ウイングなど、ポジションによって、「ボールを止める」プレーは違いますか? 

ピッチの場所やポジションによって、こういうコントロールがよく出るという場面はありますが、「イメージしたところにボールを止める」という基本は変わらないと思います。ただ、センターバックで相手を背負った状態でのコントロールはそれほどありませんが、ボランチだと半身で受けるコントロールがたくさん出るといった違いはあります。ジュニア年代に関していうと、川崎フロンターレではいろいろなポジションをやらせるようにしているので、この選手はこのポジションだから、この技術だけというようにはならないようにしています。ただし、プレーのシチュエーションやピッチ内の状況に応じたトレーニングの場合、ゴール前ではこういうコントロールをしてシュートまで持っていこう。サイドではボールを前に持ち出すようなコントロールをして、ラン・ウィズ・ザ・ボールで持ち出そうといった練習はします。

――高田監督が一般的な少年団のコーチをしていたとして、ボールを止めるのがあまり上手ではない子がいたとしたら、どういうアプローチをしますか?

ボールを止める・蹴るの練習メニューは、川崎フロンターレであっても少年団であっても、変えないと思います。もちろん、複雑なものもあれば簡単なものもあるので、アプローチの仕方や細かい設定は、自分が受け持つ選手によって変えると思います。「ボールを止める」というプレーに関していうと、反復練習をしないとできるようにはなりません。もちろん、最初からある程度上手にできる子はいますが、じゃあプレッシャーがある状態ではどうだろうと見ながら、繰り返しチャレンジさせていきます。

■プレー中ボールをよく触る箇所は足のどの部分か

――ボールを止めるコツはありますか?

サッカーのプレーの7、8割はインサイドでボールに触っているそうです。そうなると、そこに時間を割かないわけにはいかないので、インサイドでコントロールをして、インサイドでパスを出すことが基本になります。まずはインサイドのどの面で、ボールのどこを捉えるとピタッと止まるかを、見つけることが大切です。土踏まずの上あたりでボールの中心を捉えて、最終的には、足のどこにボールを当てるとイメージ通り止まるかを、自分で見つけていくのだと思います。

――ボールを止めることから始めて、次に蹴りやすいところに置くというイメージですか?

まずはしっかりボールを止めること。その次に、ボールが止まった場所は、自分がボールを蹴りやすい場所なのかを考えることが大切だと思います。海外の相手と試合をすると、ボールを止めた瞬間にすごい勢いでタックルに来ます。じゃあ、足元にボールを止めることが良いのか。ファーストコントロールでボールを動かして、プレッシャーを回避した方がいいんじゃないのかとなるわけです。ボールはきちっと止まっているんだけど、止めることが目的ではないので、止めた結果、奪われるのであれば良くないですよね。相手のプレッシャーがあるのであれば、足元にボールを止めてからプレーしようとすると潰されてしまいます。そこに判断が必要で、ワンタッチで返すことも必要ですし、来たボールに対して持ち出して、プレッシャーを回避することもできないといけません。

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川崎フロンターレU-12の選手に、当てるポイントを教えてもらいました。
個人差があるので、練習の中で自分のポイントを探しましょう。

■日本と海外では守備の強度が違う

――FCバルセロナのジュニアの選手を見ると、プレッシャーがある中で、ワンタッチで足元にボールを止めず、ファーストコントロールで行きたい方向にボールを動かしていました。これはチームとして、意識付けしていることなんだろうなと思いました。

ボールを足元に止めることが全て正解ではなくて、実戦の中では、止めることよりも、ボールを運ぶとか、次のプレーに繋がる場所に置くことのほうが多いですよね。あとは、守備の強度の差もあると思います。足元に止めると、ガッツリ来られて削られてしまいます。そこは日本とスペインなど、ヨーロッパのトップレベルの差ですよね。海外遠征に行くと、ガッツリと来るので逆を取りやすいこともあります。最初はプレッシャーの速さに面食らうのですが、慣れてくると相手の逆をとりやすくなったり、ワンタッチでボールをはたけば潰されないといったことに気が付き始めます。普段から、そういったプレッシャーが日常になっていれば、プレーの選択肢や判断も変わってくると思います。

――日本の場合、守備で激しく行くとファウルになったり、相手チームに嫌がられたりすることはありませんか?

少しぐらい激しくても、いいんじゃないかと思いますけどね。日本だと球際に激しく行ける子は、それだけ特徴になりますが、海外に行けば普通だったりします。日本の現状を見ると、海外に比べて球際や守備の強度が低いので、そこは日常から変えていかなければいけないと思います。

――今まで指導してきた中で、上のカテゴリーに進んでいく選手達は「ボールを止める」という技術面ではいかがでしたか?

技術面が高い選手の方が生き残っていく傾向はありますが、それだけではないという感想を持っています。スピードがある、体のサイズがあるといった、技術以外の特徴も大事ですし、技術が特徴の選手ならば、飛び抜けている必要があります。最近の子はおとなしいので、仲間に対して指示を出せる子は、それだけで「あの選手は喋れるね」という評価になります。考えてプレーしている選手は、自分の意見があるので、「こういしたい」という意思を味方に伝えることができますよね。やはり最終的には、子どもたちが自立しているか、自分で考えてやれているかということにつながると思います。

【動画】川崎フロンターレU-12が行っている「止める」練習の一部をご紹介します。みなさんも参考にしてみてください。


グラウンドにひいてある5ヤード間隔のライン上で行っています。ボールをしっかり「止める」というのは、レベルが上がっていくほど必要な技術。足元に入りすぎないところに止めないと、次のキックが蹴れません。

 

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高田栄二(たかだ・えいじ)
川崎フロンターレ育成部アカデミーU-12コーチ
早稲田大学卒業後1997年に川崎フロンターレに入団。プロ契約せず富士通の社員選手としてプレー、99年には川崎フロンターレのJ1昇格に貢献。2001年現役を引退後は指導者の道へ。早稲田大学ア式蹴球部女子部コーチ、JAPANサッカーカレッジ高等部コーチ、グランセナ新潟FC監督などを歴任し、2014年より川崎フロンターレU-15、U-13のコーチに就任。日本サッカー協会公認A級ライセンス保持。

トップチームの試合結果からアカデミーの紹介まで
川崎フロンターレの最新情報はこちら>>

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取材・文:鈴木智之

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