運動能力
速く走るための方法とは? すぐにできる3つの練習法を陸上メダリスト為末大選手が伝授!
公開:2013年6月13日 更新:2020年3月24日
■速く走る秘訣は前に体重をかけて加速すること
次に重要なのは前に体重をかけること。
「短距離走では、スタートダッシュも大きな武器です。転ぶ寸前まで前のめりになって勢いよくスタートします」
走っている最中も前のめりの前傾姿勢で前に体重をかけるのが基本です。前傾姿勢を保つには着地する足に気をつけるといいようです。
「速く走るということは「速く身体を前に移動させる」ことなので、前に加速をしていくために少し前のめりに体重をかけます。足をベタッと着くのではなくて、少し前目に体重をかける。"母指球"というのですが足の親指の付け根に体重を乗せて走る。母指球を意識することが大切です」
身体の使い方でよく出てくる"母指球"という場所。足の親指の付け根の少し膨らんでいるあたりを指します。
■為末さんからのアドバイス「母指球と第二指に体重を」
「厳密に言えば母指球と第二指(足の人差し指)の間くらいに体重を乗せる感覚で」
人間の身体は、一点で支えるよりも、二点の間で支えた方が力が出ます。砲丸投げや野球のボールを投げるときも指の股、一点ではなく二点の間に力を入れるとより強い力を生み出すことができます。走るときも母指球と第二指の二点で支えるのが早く走ることにつながるわけです。母指球の感覚を覚えるために、親御さんが手でその場所を押してあげて場所を確認したり、縄跳びを飛んでみるのもいいですね。
これで速く走り出すための土台作りはOKです。次回は足の運び、上半身について、さらに、為末さんに教わったことを子どもたちにどうやって伝えたらいいか? についても聞いています。大切なのは「体験すること」。詳しく知りたい方はぜひ次回をお楽しみに。
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為末大
ためすえ・だい
男子400mハードル日本記録保持者。シドニー、アテネ、北京と3大会連続で五輪に出場。世界選手権では2001年のエドモントン大会、2005年のヘルシンキ大会で銅メダルに輝く。2012年に現役を引退した後は、アスリートのセカンドキャリア支援、講演、執筆など、幅広い分野で活躍している。
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取材・文/大塚一樹 写真/サカイク編集部・田川秀之(JA杯全農チビリンピック2013全国決勝大会より)