秋も深まり、一連のサッカー大会も一段落。今は正月に行われる「バーモントカップ・第21回全日本少年フットサル大会」などを目指してフットサルのトレーニングに励んでいる皆さんも多いのではないでしょうか。でも皆さん、ここで素朴な疑問が出てきませんか?「サッカーとフットサルってどこが違うんだろう??」ってこと。
もちろんサッカーは11人(少年は8人)ですが、フットサルは5人、サッカーはスローインをするところ、フットサルはキックイン。他にもコートの大きさなど色々違うところはあります。
ところが中でも「フットサルとサッカーのプレースタイルはどう違うのか?」といった技術的な部分。すなわち、私たちがフットサルをプレーし、さらにサッカーに生かす方法については、お父さん、お母さんのみならず指導者の皆さんも、なかなか明快に答えることは難しい質問ではないでしょうか。
そこで「サカイク」ではその疑問に答えるべく、「大西貴の親子でサッカーを楽しもう!」でもおなじみのサッカー解説者・大西貴さんに実際にプレーしてもらいながらサッカーとフットサルの「違い」をご紹介。さらに大西さん秘伝の仲間に差をつけるテクニックも伝授しちゃいます!
■フットサルは「より体に近い位置」でボールを扱う。ボールキープにいい方法とは?
――サッカーとフットサル。技術的な違いは、どんなところにあるのでしょうか?
大西「まずボールに対する立ち位置と、軸足の位置が違ってきます。サッカーはピッチも広いですし、シュートをする際にパワーが必要ですから、体からやや離れた前の位置にボールを置きます。
ただ、フットサルはコートも狭いですし、サッカーほどパワーを必要としません。そして相手DFはサッカー以上に時間を与えてくれません。ですから、ボールを置く位置、軸足の位置はより体に近い位置になってきます」

↑サッカーとフットサルのボールを扱う位置の違い

↑サッカーにおけるボールを扱う位置

↑フットサルにおけるボールを扱う位置
――となると、ボールを持ったときの考え方も変えないといけないですね?
大西「サッカーではスペースを使って緩急を使う場面もありますが、フットサルではスペースもほとんどないので、より『駆け引き』の要素が増えてきます。だからこそ、ボールをより自分がコントロールできる位置、つまりさっき言ったように『より体に近い位置でボールを扱うこと』が重要になってきます。
『距離感をつかんで、プレーを選択する』という考え方はサッカーもフットサルも同じですが、スペースや時間がない分、フットサルの方がより1対1の要素が増えてくる感じですね」

取材・写真・文/寺下 友徳