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テクニック

地味だけど超重要!有利な試合運びに欠かせない「スローイン」の役割と基礎知識を習得

2012年4月 9日

キーワード:スローイントレーニングポゼッション練習

DSC08807.JPG
 
フリーキック、コーナーキック、スローイン、ゴールキック……。サッカーにはボールを止めた状態からプレーをリスタートする『セットプレー』がいくつか存在します。その中でも、みなさんが特に興味を引かれるのは、やはり得点につながりやすいフリーキックやコーナーキックではないかと思います。それらに比べると、スローインは地味なプレーなので、あまり積極的に練習しようという人は少ないかもしれません。しかし、そんな地味なスローインはFCバルセロナで重視されているプレーです。なぜなら得点につながるからです。錬習せずにファールスロー連発は避けたいものです。
 

■スローインはバルサの攻撃にも重要な役割を果たしている

バルセロナといえばメッシ、シャビ、イニエスタを中心とする美しいポゼッションサッカーが有名ですが、実は、上で挙げた4つのセットプレーの中で、最も“バルサらしさ”が現れているのはスローインとゴールキックと言っても過言ではありません。
 
バルセロナがリズム良くパスをつないで攻撃サッカーを実践するうえで、スローインは重要なキーポイント。それを理解するためには、スローインのメカニズムを知る必要があります。難しいことではないので、スローインの投げ方などの基礎を含めて、この機会に学んでおきましょう。
 
 

■基本中の基本、ファウルスローに注意しよう

みなさんは、どういう投げ方がファウルスローになるのか、きちんと理解していますか? 「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、意外と小学生などの育成年代ではファウルスローが多く見られます。まずはスローインの基本中の基本、ボールの投げ方をしっかり覚えましょう。せっかく獲得したボールを、ファウルスローで失っては意味がありません。チームの雰囲気がダレる原因にもなってしまいます。
 
もしも理解があいまいな場合は、しっかりと学んでおく必要があります。
 
≪良いスローイン≫
 
throw1.JPG
 
throw2.JPG
 
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※モデル:福永泰 出典:『攻守のセオリーを理解する サッカーセットプレー戦術120』
 
スローインの投げ方には、いくつかのルールがあります。
●ボールがピッチの外へ出た地点から投げる
●両手で投げる
●頭の後方から頭上を通してボールを投げる
●両足ともその一部をタッチライン上、またはタッチラインの外側に着ける
 
これらに違反したとき、ファウルスローとなり、ボールが相手側に渡ってしまいます。特にありがちなファウルスローとしては、次の2つが挙げられます。
 
≪悪いスローイン≫
 
throw4.JPG
 
片足がラインを越えているので、ファウルスローとなります。ラインを踏んで投げるのはOKですが、完全にラインを越えるとファウルスローになります。
 
①ラインを超えているケース
 
throw5.JPG
 
 
②ボールが頭上を通過していないケース
throw6.JPG
 
ボールが頭上を通過せずに投げているので、これもファウルスローです。近い距離にいる味方へ投げるときに起こりやすいファウルスローなので、注意しましょう。この
 
③片足、あるいは両足が地面から離れている
④片手でボールを投げる
 
これらもファウルスローとなります。
 
また、スローインには投げ方のほかに、以下のようなルールもあります。
 
≪他の重要ルール≫
●スロワーは他の選手がボールに触るまで、再びボールに触れることはできない(つまり直接ドリブルするのはダメ)
●スロワー以外の選手は、スローインが行われる地点から2メートル以上離れなければならない
●オフサイドがない
 
もし、このようなルールを知らなければ、スローインにはオフサイドがないのに、オフサイドを取ろうとしてラインを上げて裏を突かれるなど、重大なミスにもつながってしまうかもしれません。ルールに振り回されず、うまくルールを活用することが大切です。
 
 

■クイックスローの重要性を理解しよう

次は、スローインの戦術的な原則について学びましょう。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏は、スローインについて次にように語っています。
 
スローインが自分たちに有利だと考えているのなら間違いだ。なぜならピッチの中には味方が10人しかいない。数的不利の状況なのだ」
 
スローインはボールを投げる選手がタッチラインの外に出るため、ピッチ内には味方が10人。それに対して相手チームは11人いるので、ぴったりとマークに付かれたら、投げるときにフリーな味方が1人も存在しないことになります。そうなると、とりあえずリスクを避けながら前方の密集地帯へポーンと投げ入れることが多くなるでしょう。そして素早く寄せられ、相手にボールを奪われてしまう。せっかく獲得したスローインなのに、これではもったいない。そうならないためには、どうすればいいのでしょうか?
 
要は、相手のマークが付く前にサッと投げる、つまり『クイックスロー』を行えば良いのです。
 
ボールが外に出たら、素早く拾って、素早く投げる『クイックスロー』が重要です。
ピッチ内の味方も素早く動いてフリーになっておく。そうすれば、むざむざ相手にボールを渡さなくても済みます。スローインから再びパス回しを始めるか、あるいは相手陣内に空いたスペースに素早くボールを投げて突破することも可能になるでしょう。
 
 

■クイックスローは、まさに現代サッカーの必須戦術

ルセロナの試合をよく見ていると、彼らはラインの外に出たボールを素早く拾い、クイックスローを行う意識が徹底されていることがわかります。これはゴールキックも同様。相手に強くプレスをかけられている場合は別ですが、できるだけ素早くリスタートし、フリーな味方にボールを渡してパス回しを行っています。
 
また、スローインを行うスロワーは、陣形のバランスが崩れないようにサイドバックの選手が務めるのが基本ですが、必ずしもそれにこだわる必要はありません。FWでもボランチでも、近くにいる選手がサッとボールを拾い、フリーな味方にサッと投げればOKです。もしもそれが間に合わず、相手のマークに付かれてフリーな味方が見つからない場合には、サイドバックの選手を呼び寄せてボールを渡し、自分のポジションに戻ると良いでしょう。バルセロナがボールを安定的にキープできるのは、このような些細なポイントにもきちんとこだわっているからなのです。
 
一方、守備的なチームの場合は、わざとゆっくりとスローインを行って体力を回復したり、ポジションを修正するための時間をかせぐこともありますが、少なくともボールを回しながら試合の主導権を握って戦うチームには、クイックスローが必須となります。
 
スローインを投げる機会は、1試合に何十回もあります。試合を有利に運ぶためには、こうした地味なポイントの積み重ねが必要です。強いチームほど、こうした小さな努力を大切にします。もしも、今までにこのような意識が欠けていたのなら、ぜひチャレンジしてみてください。確実にボールポゼッション率が上がります。
 
スローインの応用編を読む>>
 
清水英斗(しみず・ひでと)//
フリーのサッカークリエイター。ドイツやオランダ、スペインなどでの取材活動豊富でライターのほか、ラジオパーソナリティー、サッカー指導、イベントプロデュース・運営も手がける。プレーヤー目線で試合を切り取ることを得意とし、著書は、『サッカー観戦力が高まる~試合が100倍面白くなる100の視点』『サッカー守備DF&GK練習メニュー100』『サイドアタッカー』 『セットプレー戦術120』など多数。
●twitterID:@kaizokuhide
 
 

 

 

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文/清水英斗、写真/サカイク編集部(ダノンネーションズカップ2012)

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