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ACミランから学ぶ「個」の育て方

公開:2014年6月19日

キーワード:ACミランキャンプ

いま子どもたちのサッカーを巡る環境に新たな波が押し寄せています。日本にいながらにして世界のビッククラブのエッセンスを吸収し、学ぶことができる。少し前までは考えられない状況が起きているのです。
 
FCバルセロナ、レアル・マドリード、ACミランといった欧州のトップクラブが、今夏も日本各地でサッカーキャンプを開きます。クラブによって、フィロソフィーやトレーニング法に特徴がありますが、「個の力」に特化したプログラムで好評を得ているのが、ACミランサッカーキャンプです。
 
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写真提供:ACミランサッカースクール佐倉校
 
 

■ミランキャンプでも常に意識される3つのポイント

ACミランに移籍してから苦労している本田圭祐は、今年5月に行われたインタビューでこのように語っています。
 
「苦労しているところだらけ。セリエAらしいなというのはわかっていたけれど、改めて来て、そう思っていて。具体的に言えば、よく言えばやはり戦術的。すごいディフェンスもタフだし、簡単にはやらせないという守備組織がどこのチームにも若干あるのかな、と。悪く言うべきかどうかわからないが、セリエAの特徴としては“出したら動かない”。典型的ですね。『俺は守備するから、出したらお前が行け』みたいな…。そのサッカーに慣れていないがゆえに、僕がそこで何かを起こすことができなくてつぶされた4カ月半だった。『お前、止まるのか? 』だらけでしたね、毎日。でもそこで何かをしないと僕が責められるので。当然、僕の“個”の問題なので」
Soccer Kingより一部引用
 
日本代表のエースでさえ、この通りイタリアで求められる「個」の力に対応しきれずに苦労しています。しかし、イタリアの選手はジュニア年代から「個」の力を求められて育ちます。だからこそ、バロテッリやトッティなど強烈な個性を放つ選手を排出することができるのです。幼いころから、仲間との連携で崩すパスサッカーを指向するFCバルセロナの考え方とは、対照的と言えるかもしれません。
 
今回は、6月に千葉県佐倉市に誕生したばかりのACミランサッカースクール千葉・佐倉校にお邪魔してスクールのテクニカル・ディレクターを務めるルカ・モネーゼさんにミランのトレーニングについて詳しくお話を聞いてきました。
 
「ACミランでは特別なトレーニングやドリルがあるわけではありません」
 
モネーゼさんに、子どもたちにどんなトレーニングを行っているのかと聞くと、こんな答えが返ってきました。
 
「ACミランのトレーニングは、カテゴリにかかわらず5つの練習要素と3つの重視しなければいけないポイントがあります。すべてがこのコンセプトに基づいて構成されています」
 
ミランが重視しているのは、チームの中で個人の力を発揮するための方法。常に心がけているというポイントは
 
・テクニックと戦術
・身体の動き
・チームとの関係性
 
の3つで、これはどんなとレーニングにも必ず意識していることです。メニューは選手の様子や天候、段階によって毎日変わりますが、
 
  1. 無駄な待ち時間を作らない集団でのトレーニング
  2. サッカーの試合中に起きる状況を取り出すトレーニング
  3. 同じ方法、または違う方法で繰り返す反復トレーニング
  4. テーマを設けたゲーム形式のトレーニング、限定ルール
  5. フリーゲーム(これまでの練習を踏まえたゲーム)
 
以上の5つの要素は必ず含めます。これはキャンプでも同様です。
 
こうしたトレーニングメソッドを実行することで、子どもたちはサッカーの技術だけでなく、練習中にフォーカスすべき点を自分で考えて取り組むようになると言います。
 
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■マンツーマンのトレーニングが「個」を磨く

「個で勝負しなければ」
 
現在ワールドカップを戦うミランの10番、本田圭佑選手は繰り返し「個の力の重要性」を強調していますが、ミランのフィロソフィーでも「個」は重要視されています。なぜ「個」を伸ばすことが大切なのでしょうか?
 
モネーゼさんにトレーニングを紹介してもらっているときに、12歳以下のメニューにマンツーマンを意識したトレー二ングがあることに気づきました。ミニゲームでビブスの番号が同じ相手をマークする練習なのですが、同じ番号の相手にしかマークに付けないというものです。
 
「マークすべき相手をしっかりと見る。向かっていくべき相手をしっかりと捉える」ことを意識した練習です。
 
ディフェンスもオフェンスも、マンツーマンの意識、モネーゼさん曰く「向かっていく意識」を高める個の強さが試される練習に見えました。
 
「チーム戦術やチームのやり方というのはたとえばチームを移ったとき、他のコンセプトのチームに接したときに戸惑うこともあるかもしれません。しかし、個の力はどのチームでも発揮できるものです。個の力をつけるためには、もちろん人間的な成長も不可欠です。ミランスクールではサッカーを通じた人間教育にも力を入れています」
 
厳しく激しい“ディフェンスの国”イタリアでは個人の力がベースにあるという考え方が一般的です。子どもたちが、1対1の局面で向かっていくメンタリティーと技術、発想を持てるようになることはミランスクールの他とは違う大きな特徴のひとつでしょう。
 
 

■この夏はACミランサッカーキャンプで、イタリアで求められる「個の力」を磨こう!

今年は、静岡、横浜、鹿児島、福山、千葉の5会場で開催されます。MVPはイタリアで行われる国際大会に招待されます。
 
開催要項はこちら
 
 
協力 :ACミランサッカースクール佐倉校 
    
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