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バルセロナ発!賢い選手を育てる指導法

「パス」を向上させるトレーニング 【グローバル・メソッドの指導実践①】

2012年8月14日

キーワード:サポートスペイントレーニングバルセロナパス判断力知のサッカー練習育成

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計11回に渡り、サッカーサービスのサッカーに対する考え方、指導メソッドについて連載してきました。ここからは、彼らが実践する「グローバル・メソッド」のトレーニングメニューを4つのテーマに沿って紹介します。
 
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●テーマ1 『パスのレベルアップ』(本稿)
●テーマ2 『スペースの認知』(公開中)
●テーマ3 『サポートの意識を高める』(公開中)
●テーマ4 『コントロール・オリエンタード』(公開中)
 
グローバル・メソッドは、試合とほぼ同じ状況を再現することによって、サッカーで大切な『状況把握』『判断』『実行』の3つをバランスよくトレーニングすることができる方法です。グローバル・メソッドで行われるトレーニングには、すべて自分・相手・味方・スペースという概念があります。そして、いつ・どのタイミングで・何を観て・どこへ動き・どんなプレーをするかという、『状況把握』『判断』『実行』の3つが含まれています。すべてがサッカーの状況に落とし込まれた練習メニューなので、実際の試合で起きる現象が次々に出てきます。実戦に近いため、気を抜くことなく、集中した状態で強度の高いトレーニングが繰り広げられるのです。ここで紹介するメニューは、サッカーサービスが日本で開催した指導者講習会で実践されたメニューです。
 
ジョアン・ビラ:「みなさん、こんにちは。たくさんの方にお集まりいただき、大変うれしく思っています。早速、指導者講習会を始めましょう。今回はテーマを4つに分けました。ここで紹介するのは、我々が大切だと考えているサッカーのコンセプトです。ただし、これが唯一無二の正解というわけではありません。あくまでも、我々が信じているコンセプトです。まずはそれを頭に入れてもらい、話を始めたいと思います」
 

■テーマ1 『パスのレベルアップ』

練習メニュー:(3+3+1フリーマン)vs3
 
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【進め方】
長方形のグリッドの中に攻撃側のフリーマン1人と守備側3人が入り、ライン際の長い辺に2人、短い辺に1人を配置。7対3でポゼッションゲームを行います。ボールを奪われた選手のチームが守備側になるか、時間で攻撃側と守備側を分け、コーチの合図で攻守が交替します。ライン際の選手(△と●)は、ラインと並行にしか動くことができません。
 
 
【トレーニングのポイント】
<1.パスの出し手>
●強くパスを出す
パスが弱いと、相手選手に寄せる時間を与えてしまいます。
 
●足元にパスを出すのか、スペースに出すのかを考える
相手選手が近くにいる場合は足元へ。相手選手が近くにいない場合はスペースへ出して、味方選手のスピードを落とさないようにします。
 
<2.パスの受け手>
●ボールを受ける前に、スペースや相手、味方の位置を見る
ボールが動いている間に、周りを見るのは難しい。ボールが来る前は時間に余裕があるので、周囲の状況を把握しやすくなります。
 
●味方がボールを持ったら、パスコースを作る
相手選手の後ろに隠れてしまうと、パスを受けることができません。相手の前か2人の相手の間に入り、パスコースを作ります。
 
●次のプレーに移りやすい身体の向きを作る
ピッチの広い範囲を見て、よりよいパスコースを探すためにも、身体の向きを作ることは大切です。また、ボールが来た方とは遠い足でコントロールすることにより、スムーズにプレーすることができます。
 
 
【解説】
この練習のテーマは「周囲の状況をしっかりと見て、適切な判断をし、ボールを失わないようにパスをつなぐこと」です。これはバルサでもよく実施される典型的なメニューのひとつです。
 
トレーニングはフリータッチでおこないます。フリーマンはグリッドの中央からあまり動かず、周りがサポートに入り、短いパスを連続してつなぐことを意識します。7対3と攻撃側が数的優位なので、パスコースは3つ以上作るように動くことが望ましいです。攻撃側の選手は常にステップを踏み、足を地面にべたりとつけることのないように。ボールを受ける動きを絶えず行い、パスを受ける準備をし続けます。
 
今回は指導者講習会なので複数のポイントを設定しましたが、通常のトレーニングにおいて、指導ポイントは1つ程度にします。なぜなら、選手に多くを要求すると、プレーする上で意識すべき点があいまいになってしまうからです。通常はトレーニングのテーマとして設けた点のみに対してコーチングを行い、選手の意識がその日の課題へ向くようにします。
 
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取材・文/鈴木智之 写真/小川博久 取材協力/株式会社Amazing Sports Lab Japan

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