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テクニック

ボールを曲げる原理を応用すれば、ボールを高く上げることもできる!

2011年11月10日

キーワード:サッカー教室シュートパスベガルタ仙台

10月22日、サッカーの様々なプレーを科学の力で解明しようという「親子で学ぶサイエンスサッカースクール仙台」が行われました。バナナシュートは「マグヌス力(りょく)」という力により左右に曲がることが分かったところで、次は上方向の「マグヌス力」を体感できる実験を行いました。高いボールを蹴りたい時、バックスピンをかけることでボールを高く上げることができます。その原理を「たこあげ」で実験しました。
 
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■バックスピンの疑問を「マグヌスカイト」で解決!

 バナナシュートは左右方向の「マグヌス力」により曲がることが分かったところで、ふと周りを見渡すと、城彰二さんと名良橋晃さんがいません。どこへ行ったのかな?と周りを見渡すと、フットサルコートの隅に、大きな「たこ」を持った城さんと名良橋さんが登場!そして両脇にサッカーボールの絵が描かれた大きな「たこ」をあげ始めました。
 
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今度は上方向のマグヌス力が働きボールが上に上がる仕組みを実験で解き明かします。
 
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「マグヌスカイト」をあげることに挑戦した城彰二さん
 
 講師のNPO法人ガリレオ工房稲田大祐さんがこの「たこ」は「マグヌスカイト」だと説明しました。この「マグヌスカイト」はバックスピンの謎を解き明かすものなのです。
 
 皆さんはバックスピンをかけたパスなどを見たことはありますか?DFラインの裏に味方を走り込ませたい時などに高い軌道のフワッとしたパスを出したりしますが、このバックスピンでボールを上方向に上げるのも「マグヌス力」が上方向に働いているからなのです。この「マグヌス力」を視覚的・体感的に理解できるようにしたものが「マグヌスカイト」です。「マグヌスカイト」の両脇のサッカーボールの絵の部分には軸があり、後ろ方向へバックスピンのように回転させることが出来ます。後ろ方向に回転させた状態で「マグヌスカイト」を引っ張って走ると、「マグヌスカイト」を上に高くあげることができるのです。
 
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「マグヌスカイト」は軸を進行方向と逆に回した状態で引っ張って走り出すと、「たこあげ」の容量で上に高く上がります。
 
 ということでまずは参加した子ども達が全員小さい「マグヌスカイト」をあげる実験を行いました。うまくあがらない子もいましたが、何度も挑戦できるようにして、ほとんどの子が「マグヌスカイト」をうまくあげることができました。
 
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子ども達は小型の「マグヌスカイト」をあげる実験に挑戦。多くの子どもが高く上げることに成功していました
 
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大きな「マグヌスカイト」をあげる実験にスカート姿のお母さんが挑戦!お母さんの頑張りに会場は大いに盛り上がりました
 

■親子で体を使って学ぶ楽しいサッカースクールに

 科学実験プログラムの後は、ベガルタ仙台ジュニアサッカースクールのコーチ陣指導の下、サッカー教室を行いました。親子一緒に楽しむことを主眼に置いたサッカー教室ということで、ミニゲームでは子どもと親が手を繋ぎながらサッカーを行ったり、子どもチーム対親チームで対戦したりといった形で、子どもも親も一緒に楽しめる、にぎやかなサッカー教室になりました。ゲストの城彰二さん、名良橋さん、ベガルタ仙台アンバサダー平瀬智行さんも参加者の方々と一緒に汗を流していました。中でも科学実験プログラムの時から小道具で笑いを誘っていた名良橋さんは、プロレスのマスク姿でミニゲームに参加。お笑い芸人顔負けのエンターテイナーぶりを見せて、さらにサッカー教室を盛り上げていました。
 
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サッカー教室では親子で手を繋いでサッカーを行うなど、親子一緒に楽しめる内容でした
 
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謎のマスクマンは名良橋晃さん。この日数々の小道具で笑いを取っていました。
 
 最後にマグヌス力を復習できる「マグヌスホース(曲がったホースの中にボールが入っていて口で吹くとボールが動く仕組みのおもちゃ)」など記念品が参加者の皆さんにプレゼントされ、サイエンスサッカースクールは閉会となりました。その後参加者の皆さんはユアテックスタジアム仙台に移動し、J1リーグ第30節ベガルタ仙台-川崎フロンターレの一戦を楽しまれました。
 
 平瀬さんの助言を受けながらバナナシュートに挑戦した子は「平瀬選手に教えてもらってシュートが決まった時は嬉しかったです」、スカート姿で「マグヌスカイト」に挑戦したお母さんは「ボールをどう蹴るとどう飛ぶのかなんて考えたこともなかったのですが、また違ったサッカーの見方ができると思いました。子ども達の楽しんでいる所も見られたし、私が楽しんでいる所も見せられたので楽しかったです」と参加者の皆さんは今回のイベントをとても楽しんでいました。
 

■普段のプレーの中にも、実は科学の原理が働いている

 ゲストの3名は揃って「僕たちが現役の頃はこういうことは全く知らずにプレーしていました」と科学実験の内容に驚いていました。城さんは「大変タメになりました。子ども達には今後もチャレンジして欲しいですね」と語り、平瀬さんは「今ブレ球とかありますけど、それに変わるシュートが出てきそうな気がしますね」と科学の力で新たなシュートが開発されることを期待していました。この日何度も笑いを取ってイベントを盛り上げた名良橋さんは「楽しくやることが大事なんです!」と強調し「そこからいろんなことを学べると思いますし、今日やったことを思い出して繰り返し練習して欲しいですね」と子ども達がこの日学んだことを生かしてくれることを願っていました。
 
 講師を務めたNPO法人ガリレオ工房の稲田さんは「子ども達がまず頭で考えた後に体を使って、顔つきが変わってきたところでだんだん面白くなってきました。大人が教えてもすぐには分からないのですが、繰り返し体を動かしている間に分かってくれれば嬉しいですね。復習のために『マグヌスホース』をまた繰り返しやってみたり、ボールを蹴ってみたりして、うまく行かないこともあると思うのですが、根気よく続けているうちにだんだん自分のものになっていくと思います。そして科学も勉強しなきゃいけないんだな、と気付いてもらえたらすごく嬉しいですね」と、子ども達の今後に期待していました。
 
 普段何気なくやっているサッカーのプレーの数々にも、実は科学の原理が働いていることが、楽しい実験を通じて分かるイベントでした。子ども達にとってはプレーの悩みを解決できると共に、科学をしっかり勉強することの大切さも分かる素晴らしいサッカースクールイベントでした。「ありとあらゆるところにまだ科学で分析できることはありますので、サイエンスサッカースクールはもっともっと発展していくと思います」と語る稲田さん。今後このイベントがさらに充実したものになることを期待したいです。
 
 このイベントは11月20日に熊本県民総合運動公園でも行われます。とても楽しくてためになるイベントですので、ぜひ親子で参加してみてはいかがでしょうか?
 
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取材・文・写真/小林健志

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