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技術はあるが判断と考える力が......。スペイン人指導者が語る、日本サッカーの良さと海外に比べて足りない力

公開:2022年7月 6日 更新:2022年10月17日

キーワード:アメージングアカデミーエコノメソッドスペインチーム戦術パリ・サンジェルマン久保建英個人戦術奈良クラブ

先日、エコノメソッドの創始者であるダビッド・エルナンデス氏が来日し、奈良県内でサッカークリニックを開きました。

ダビッド氏はパリ・サンジェルマンの育成部門でダイレクターを務めた経験を持ち、日本代表の久保建英選手を直接指導するなど、世界で活躍するトップ選手のプレー改善やコンサルティング、指導でサポートを行ってきた人物です。

クリニック後に日本の選手育成、さらにスペイン、フランスとの比較などを聞いたのでご覧ください。
(取材・文 貞永晃二)

 

davidhernandez.JPG
ダビッドさんの指示に真剣に耳を傾ける選手たち

 

後編:スペイン人指導者が語る日本人選手の良さは「技術」と「練習態度」、一方で世界と比べて欠けているのは......>>

 

■日本でのプロジェクトを視察

――今回の来日の目的は?

ダビッド・エルナンデス(以下、ダビッド) 日本でのプロジェクトを視察に来ました。エコノメソッドのスクールは現在関西、関東で活動していて、その他スクール以外の活動としては、アメージングアカデミー山梨があり、ジュニアユースの活動ですがこのメソッドが全面的に導入されているクラブチームです。そして奈良クラブですね。

指導者として奈良クラブはトップチームのフリアン監督、メソッド部門ダイレクター兼ユース監督にダリオコーチ、それから山梨のアメージングアカデミーにはマルクコーチがいます。これらのメソッドが導入しているプロジェクトがうまく進行しているか視察しました。

エコノメソッドが夏休みや冬休み期間にサッカーキャンプを行っているので、そのプロモーションも兼ねて今回のクリニックでも指導したわけです。

 

■サッカーにおける「認知」のポイントは、遠い場所にいる味方の状況を見ること

――今日のクリニックのテーマを教えてください

ダビッド トレーニングのテーマは「認知」です。認知で大事なポイントは、自分から見て遠い場所にいる味方の状況を見ること。これが大事なポイントです。

試合形式のトレーニングでは、「サポート」がテーマでした。その中で大事なポイントとしては相手から離れること。寄っていかないということです。

 

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■指導者のライセンス制度のおかげで、コーチたちのレベルアップに繋がっている

――スペインの育成もいろいろ変化していると思いますが、最新の事情をお教えください

ダビッド まず、スペインの育成年代は変わらず機能しているというところと、指導者の質がさらに高くなってきていると思います。やはり今は地域の街クラブの監督や、サッカースクールのコーチもライセンスが必要とされていて、そういう形になったことがコーチたちのレベルアップに繋がっていると思います。

最近は男子だけでなく女子のフットボールも盛んに取り上げられるようになりました。こういうふうに選手たちの母数を増やすことで、さらに指導者の質も上がる。この質と量、これがうまく重なり合った結果、最近は育成が良くなっているのだと思います。

 

――今日のクリニックも女子が2人ぐらいいましたが、スペイン国内では男女一緒にプレーするのですか?

ダビッド まず、13歳までは選手が選べます。例えば男子のチームと混ざる場合と、女子だけのチームというのももちろんあるのでそこでプレーする場合があって、13歳までは選手がいずれか選ぶという形ですね。リーグ戦も男女一緒のことも小さい年代ではあります。今はチーム数も女子選手の数も多くなってきているので、女子だけのリーグというのもありますね。

 

■フランスでは個人戦術から集団戦術、スペインは幼少期から集団戦術を学ぶ

――パリ・サンジェルマンでも仕事をされたということで、フランスとスペインの育成の事情はどういう違いがありますか?

ダビッド おっしゃる通り違いはすごくありますね。2つの国は隣接する近い国ですが、やはりサッカーは全然違います。フランスのサッカー文化というところでは、より自由が与えられているかなと思います。

サッカーの個人技術、個人戦術、それから集団での戦術というところが混ざった上での自由さがフランスの選手たちの成長を手助けしているのかなと思います。

フランスでは、例えば13歳でそのクラブでプレーをし始めると、13、14、15、16歳と一定の期間、同じクラブで育つという文化です。

一方、スペインだと例えば12歳以下とかの本当に小さい子が幼い頃から集団での戦術というのを学んでいくので、やはりそのスペインの子どもたちにはチームとしてどういうふうにプレーしたらいいかが身についています。

このようにかなり違いがあるのですが、それでもスペインとフランスの両方の国はかなりのポテンシャルを持っているかなと思っています。

 

今回のクリニックのテーマでもある「認知」を高めるエコノメソッドキャンプがこの夏開催されます。

ゲーム中心の実戦形式のメニューで、オフザボール、ディフェンスなどテーマごとに正しいプレー判断を徹底指導、トレーニングを撮影し、参加選手のプレーを解説する分析型座学"スマートフィールダー"を実施するなど、サッカーへの理解が深まるキャンプですので、ご興味のある方は詳細をご覧ください。

エコノメソッドキャンプの詳細・お申込みはこちら>>

 

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取材・文 貞永晃二

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