1. サカイク
  2. コラム
  3. テクニック
  4. 日本代表も育てたGKコーチが教える!キーパー経験がなくても指導できる基本トレーニング

テクニック

日本代表も育てたGKコーチが教える!キーパー経験がなくても指導できる基本トレーニング

公開:2022年9月30日 更新:2022年10月17日

近年、GKの重要性は広く認知されているが、GKコーチがいないクラブも多く、どのように指導していいかがわからないという人も多いのではないだろうか。

そこで今回は、ジュニアから日本代表選手まで、数多くのGKを指導してきた澤村公康コーチに「U-12年代のGKに必要な基本技術と実戦的なシュートストップ」のトレーニングを実践してもらった。子どもたちが楽しさを感じながら、GKに必要な基礎動作にアプローチする指導は必見だ。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2021年10月11日掲載記事より転載)

この内容を動画で詳しく見る

sawamura05_01.png

次回の記事を読む >>

ウォーミングアップから実戦をイメージする

前編のテーマは「基本的な動作・姿勢の習得とローリングダウンの導入」。トレーニングはウォーミングアップとアイスブレイクを兼ねた「じゃんけんステップワーク」からスタートした。

まず三角コーンを挟んで選手が向かい合い、じゃんけんを実施。グー、チョキ、パーそれぞれに左右後ろとコースが振ってあり、相手が出したものに反応して、互いに該当のコースに走り、ミニコーンを手にとって中央のコーンにかぶせる。先にかぶせた方が勝ちとなる。(じゃんけんの勝ち負けは関係ない)。

sawamura05_02.png

チーム戦になっており、澤村コーチは勝ったチームの仲間が喜んでいないと「再試合!」などと声をかけていた。子どもたちはそのテンションに導かれるように、自然と前向きにチャレンジしていく。

このトレーニングは「相手の出した手(グーチョキパー)に合わせ、それぞれのコースに走る」というルールなので、相手にわかりやすいように手を出すことがポイントになる。

澤村コーチは「実際の試合で、壁の枚数を指示するときには、パーの形で『壁5枚!』とわかりやすく指示を出したほうがいいよね。相手にグー、チョキ、パーのどれを出しているのかがわかりやすいように、やってみよう」と話し、GKに必要なスキルであるコミュニケーションの大切さを説いていく。

sawamura05_03.png

ほかに、足の幅、膝の曲がり具合、手の位置、頭の位置、上半身の傾きなど、開始姿勢の重要性にも言及。「動きやすい状態を作り、すぐにシュートが来ても反応できるようにしよう」と、ウォーミングアップから実践に近づけるようにアドバイスを送っていた。

オーバーハンドキャッチは肩幅ぐらいに開き、動きやすいところを探す

続いては「開始姿勢からの正面でキャッチング」。まずアシスタントコーチがデモンストレーションをし、「コーチは何ステップを使ってる? サイドステップもいいけど、ボールの移動が速いときは、クロスステップを使うのもいいよね」と、足の運びに注意を向けていく。

正面でボールをキャッチするためには、ボールが飛んでくる前に適切な位置に立ち、構えることが重要だ。澤村コーチはボールの移動中に素早く動き、構えの姿勢をとった選手に対して「ナイス!」と褒めていた。

開始姿勢のチェックポイントは全部で5つ。フットポジション(くるぶし)、ヒップジョイント(股関節)、ボディポジション、ハンドポジション、ヘッドポジションだ。澤村コーチは「いつでも、どこへでも素早く動き出せるように、開始姿勢をとろう」と意識付けをしていく。

続いて、オーバーハンドキャッチのトレーニングをしたところで、足の幅をレクチャー。

「足幅が広いと安定はするけど、左右に動きづらい。でも、狭すぎると安定しない。肩幅ぐらいに開いて、自分の動きやすいところを探してみよう」と話し、体感させていった。

sawamura05_04.png

ここでのポイントは「足のつま先を正面に向けること」。そうするとひざが前に向くので、相手に正対しやすくなる。さらには膝を曲げるのではなく、スネを倒すイメージで立つと、次の動作に素早く、安定して移ることができる。

加えて、上半身の傾き、頭や手、腰やお尻をどこに置くと動きやすいかを体感させ、前編最後のトレーニングとなる「ローリングダウン」に移っていく。

ここでは、前方からのシュートやパスからのシュートにトライ。前方のバウンドしたボールに対して、オーバーハンドキャッチ、アンダーハンドキャッチのどちらで対応するかという判断の要素も加えていく。

澤村コーチは「胸から上のボールはオーバーハンドキャッチ。お腹より下のボールはアンダーハンドキャッチで捕ろう」とアドバイスし、オーバーハンドキャッチは右手と左手の2箇所。アンダーハンドキャッチでグラウンダーのボールを捕るときは、右手と左手、地面でボールを捕るといったように、動作のポイントも伝えていた。

sawamura05_05.png

動画全体を通じて、澤村コーチの簡潔でわかりやすい指示、子どもたちの集中を切れさせない声掛け、ゲーム形式の設定、シュートを受ける本数や時間など、質の高いトレーニングを行うためのエッセンスが詰まっている。

練習メニューや技術的なポイントだけでなく、澤村コーチの声掛けを含めた全体のオーガナイズもぜひ参考にしてほしい。ジュニアの若きGKに対して、どのような雰囲気で指導すればいいのかなど、たくさんの気づきを得られるはずだ。

次回の記事を読む >>

この内容を動画で詳しく見る

【講師】澤村公康/
1971年、東京都大田区出身。三菱養和サッカークラブ、仙台大学を経て、指導の道に入る。熊本県立大津高校、浦和レッズアカデミー、JFAナショナルトレセンコーチ、川崎フロンターレアカデミー、浜松開誠館中学校・高等学校、ロアッソ熊本を経て、2019年シーズンはサンフレッチェ広島のGKコーチとして大迫敬介の才能を開花させた。2020年より拠点を東京に移し、GKスクールを立ち上げる他、大学チームの指導に当たっている。

1

サカイク公式LINE
\\友だち募集中//

子どもを伸ばす親の心得を配信中!
大事な情報を見逃さずにチェック!

友だち追加
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガ
鈴木智之

募集中サカイクイベント

サカイクイベント一覧

関連する連載記事

関連記事一覧へ

テクニックコンテンツ一覧へ(452件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. テクニック
  4. 日本代表も育てたGKコーチが教える!キーパー経験がなくても指導できる基本トレーニング