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パス・シュートの判断力を養うトレーニング/香川真司を輩出したFCみやぎバルセロナの個人戦術の強化方法2

公開:2021年2月25日

キーワード:FCみやぎバルセロナシュートパス判断力香川真司

FCみやぎバルセロナの石垣博監督による「ジュニア年代から身につけておきたいスキルと個人戦術」。後編では「パス・シュートの判断力を身につけるトレーニング」と題し、ジュニア年代の個人戦術において知っておきたい、重要なテーマをお届けしたい。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2020年9月7日掲載記事より転載)

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攻撃2対守備1の状況ではまず攻撃側はゴールを目指す意識を持つ

ウォーミングアップは2人組のボールキックから。

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まず1人の選手が手でボールを持ち、身体の前に軽く投げる。落ちてきたボールをインステップでキックし、正面にいる相手に渡す。受け取る選手はボールを落とさないように、インステップでリフティングを3回して、相手に返す。この動作を繰り返す。

ウォーミングアップを終えたところで「2対1のシュート」に移行。攻撃2人、守備1人の設定で、ゴールを使用する(GKはなし)。攻撃側はゴールを目指し、守備側はボールを奪ったら、攻撃側の背後にあるラインをドリブルで突破する。

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石垣監督は「攻撃2対守備1の状況なので、攻撃側はまずゴールを目指そう。すると守備の選手はゴール方向を守るので、味方への横パスが有利になる。最初から横パスを考えていたら、守備側に読まれて、寄せられてしまうよ」とプレーの優先順位を植え付けていく。

そして、攻撃側の選手に対して「パスの受け手が、欲しいタイミングで声を出して呼び込むこと」を強調。さらに、守備側の選手の寄せが早く、攻撃側のパスをブロックされた場面でストップをかけ、「相手が近かったら、コントロールせずに、ダイレクトでパスを出そう。そうすれば味方はフリーで受けられるよ。タイミングを意識しよう」とアドバイスを送っていた。

最初はフリータッチで行い、途中から「最初にボールを受けた攻撃側の選手は3タッチ以内、その後にパスを受ける攻撃側は2タッチ以内、もしくはダイレクトでシュートを打つ」というルールに変更し、難易度をコントロールしていく。

石垣監督は、攻撃側の選手がボールを持ったときに、どのようなプレーをするか? という部分にフォーカスし、問いかけていく。

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そこでは「守備側の身体の向きを見ながら、横にパスをするか、縦にドリブルで突破した方がいいか」について、選手に質問。子どもたちとやり取りをしながら「守備側がパスを予測した身体の向きを作っているのなら、縦にドリブルで突破する。もしくはドリブルでボールを動かし、守備側の身体の向きを変えさせてからパスを出す」というプレーの重要性に言及していた。

「そのためにも攻撃の選手は、最初にボールを受けたときに、守備側の選手が行きづらい方向へボールを運ぶことが大事」とアドバイス。さらには、攻撃側のパスを出す選手に対し「どのようなコースに、どのような質のボールを出すと、シュートを打ちやすいか」についても問いかけ、ラストパスの質にこだわるように意識を向けていく。

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一連の指導の言葉選び、説明が簡潔で非常にわかりやすいので、詳細は動画で確認し、参考にしてほしい。

数的同数の状況ではサイドに広がる動きやオーバーラップを取り入れる

続いては「3対3(6ゴール)」。

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各チーム、3つのゴールを目指して攻め込んでいく。中央のゴールはシュート、サイドのゴールはドリブル通過とルールが設定されており、「2対1のシュート」で行った、サイドに広がる動きやオーバーラップを組み込み、数的優位を作ることがポイントになる。

3対3の数的同数なので、攻撃側は相手選手をどうやって動かし、局面で優位な状況を作るのかを考えながらプレーしていく。ポイントは「自分たちからアクションを起こすこと」(石垣監督)。

シュートを打つためにどうすればいいかについて、的確なコーチングのもと、選手に問いかけながらヒントを与えていく。選手たちのプレーが、時間が経つにつれてどう変化していくかは、ぜひ動画をご覧いただければと思う。

石垣監督はCOACH UNITED ACADEMYの読者に向けて、次のようなメッセージを送り、トレーニングを締めくくった。

「今回ご紹介したコンタクトスキル、ゴール前のパスやシュートの判断を養うことは、サッカーの試合をする上で、とても重要なものです。ご覧いただいたトレーニングは、狭いスペースでも実践できるので、ぜひ活用していただければと思います」

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【講師】石垣博/
18歳から指導に携わりスポーツ少年団での監督、宮城県のU-12年代の地区トレセン・県トレセンなどでも監督を務める。ジュニアユース年代ではFC FRESCAでの監督経験を経て、2005年より現在のFCみやぎバルセロナの監督に就任し15年目を迎える(2011年からは女子チームも立ち上げる)。また、宮城県サッカー協会 指導部 サブチーフインストラクター(47FA C級D級インストラクター)も務めている。

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