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ミスをした選手を前向きにするコーチングとは?/指導者が選手の自信を引き出すために必要な3つの秘訣

公開:2021年2月 4日 更新:2021年2月12日

キーワード:コーチング自信

『サッカー指導者のためのオンラインセミナー「COACH UNITED ACADEMY」』では、トレーニング動画の他に、コーチの学びになる動画を多数配信している。

今回は「サッカーコーチのためのコーチ」として活動する、倉本和昌氏に登壇してもらった。スペインや日本のJクラブを始め、複数のカテゴリーでの指導経験を持つ倉本氏による「指導者が選手の自信を引き出すための3つのポイント」。現場の指導者視点で、具体的に解説する動画は必見だ。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITED 2020年9月28日掲載記事より転載)

この内容を動画で詳しく見る

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指導中にイライラしてしまう時は「何が原因なのか」を明確にする

前編のテーマは「自信の必要性の確認と、独り言を変えるアプローチ方法」。倉本氏はまず、この動画を見ることで得られるものとして、次の3つをあげる。

(1)選手がイキイキとチャレンジしてプレーするアプローチ方法がわかる
(2)怒鳴らなくても選手が行動し、主体的になる方法がわかる
(3)実践的内容で、すぐに取り組むことができる

倉本氏のセミナーの特徴は、自身が長年の指導現場で経験してきたことに加え、コーチングや心理学などの解釈をもとに、サッカーの指導に落とし込んで、わかりやすく解説するところである。机上の空論ではなく、「サッカーの指導現場では、こういうことがありますよね」という前提が共有できているので、非常に実践的だ。

指導者は誰しも、「選手が自信を持って、活き活きとプレーしてほしい」と願っているもの。そのために、日々選手と接する中で成長をうながしていくのだが、倉本氏は選手に自信をつけさせるアプローチ(3つの秘訣)を、次のように紹介する。

1)独り言を変える
2)良い質問を投げかける
3)成長感を感じさせること

倉本氏はまず「あなたはサッカーを教えていて、どんなときにイライラしますか?」と問いかける。

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たとえば選手が何度も同じミスをしたとき、プレーからやる気が感じられないとき、練習で取り組んだことが活かされないときなどに、イライラを感じる人は多いのではないだろうか。

そこで倉本氏は「次は、自分の心の声を探ってみましょう」と提案をする。「もっと自信を持ってプレーしてくれたらなぁ」「なんで萎縮しちゃうんだろう」「この子、メンタル弱いなぁ」など、イライラする場面で言葉に出さなくとも、心の中でどのようなフレーズを唱えているだろうか?

たとえば、選手に対して「お前はメンタルが弱い」と言うコーチがいる。倉本氏は、言葉の裏にある指導者心理を、次のように説明する。

「なぜ『お前はメンタルが弱い』と言うのか。それは、その言葉に反発して、やる気を出したり、意欲的に練習に取り組んでほしいからです。しかし、そう言われた選手には『僕はメンタルが弱いんだ』と刷り込まれてしまいます。その結果、決定機でシュートを外したり、試合になると萎縮してしまうことを『だって、僕はメンタルが弱いから』と正当化してしまうのです」

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指導者がかけた言葉が発端になっていることに気がつかず、選手のパフォーマンスが低下する。それを見てイライラするのは本末転倒だ。

「イライラして怒鳴る、厳しく言うのはコーチにとっても嫌なことです。でも止められない。『おい! もっとやれよ!』と言ってしまう。私もかつてはそうでした」

そこで倉本氏は「イライラを止めたいときは、どうしてイライラするのかを考えましょう」とアドバイスを送る。

「指導者は、選手に対して『もっと良くなってほしい』『良いプレーをしてほしい』という気持ちを持っています。しかし、実際にはうまくプレーできないので、そこにギャップが生まれ、イライラしてしまうのではないでしょうか。選手が良くなるとチームの勝利につながり、関わった人たちがみんな笑顔になります。みんなが喜ぶ姿が見たいという目的をかなえることを考えたら、選手に対して厳しく言う、怒鳴るというアプローチではないことに気がつくはずです」

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ミスを指摘する時は「どうすればよかったのか?」と問いかけてみる

選手に対して厳しく言う、怒鳴ることが、選手の笑顔につながるのか? 答えはノーだろう。

これを読んでいるコーチのあなたは、イライラしたときに、選手にどのような質問をしているだろうか? あるいは、口には出さなくとも、心の中でどのような問いが浮かんでいるだろうか?

「おそらく、選手のプレーを見ていてイライラした時には『なんで?』という質問を自分にも、選手にもしているはずです。『なんでそんなプレーしたの?』『なんでそんなミスをするの?』といったように」

倉本氏によると「なんで?」は「できない理由探しをする質問」だという。

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「『なんで?』ではなく、『どうしたらいいんだろう?』『どうすればいい?』と投げかけると、現状を改善するための、ポジティブな答えが出てきます。ぜひ、そのアプローチをしてみてください」

動画では、話題は多岐に渡り、コロナウイルスによる価値観の変化、それにともなうスポーツのあり方、保護者がサッカーにもとめていること、自信についてなどにも言及。さらには「あなたは、なぜコーチをしているのですか?」という核心に迫っていく。

動画の内容はサッカー指導だけでなく、仕事や家庭など、様々な場面で応用できる考え方なので、ぜひ視聴して、これからの人生に役立ててほしい。後編では「選手が成長を感じるアプローチ方法」を紹介する。

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【講師】倉本和昌/
サッカーコーチ専門コーチ。高校卒業後、スペインのバルセロナに留学。アスレチック・ビルバオにて育成の仕組みについて学び、スペイン公認上級ライセンスを日本人最年少で取得。帰国後は湘南ベルマーレ南足柄、大宮アルディージャのアカデミーでコーチを務め、2018年よりサッカー専門コーチとして独立。Jクラブ、大学、高校、町クラブ、幼児など様々なカテゴリーのコーチをサポートしている。

倉本氏の詳しいプロフィールはこちら >>

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