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中村憲剛が語るDFにボールを奪われなくするための2つのポイント

公開:2020年7月27日 更新:2020年8月 7日

キーワード:KENGOアカデミー中村憲剛川崎フロンターレ止める蹴る

日本最高峰のMF、中村憲剛選手の鮮やかなプレーの数々は、どのようにして生まれるのでしょうか? その秘密に迫ったのが「KENGO Academy サッカーがうまくなる45のアイデア」です。

このDVDで中村選手が解説している「正確なトラップを身に付けるポイント」や「周りを見ることの大切さ」などを子どもたちに体験してもらうために、サカイクは「KENGO Academy ウインタークリニック」を実施。クリニックには、中村選手がコーチとして参加し、「中村憲剛のプレーの極意」を教えてくれました。

その様子を紹介するレポート、2回目のテーマは「『止める・蹴る』を活かすために」です。

DFがいる状況でも「止める・蹴る」を実行するにはどんなことを意識すればよいのかを中村選手のコーチングの様子を中心に、ポイントを紹介したいと思います。(文・鈴木智之/写真・新井賢一)

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1回目:中村憲剛が「止める・蹴る」を上達させる方法を解説!ポイントは次の動作に早く移れる位置にボールを止めること

DFにボールを奪われないためのポイント① パススピードを速くする

今回のトレーニングは3対1のボール回しから。「鳥かご」「ロンド」と呼ばれる、おなじみの練習です。その次は、4対2へと発展していきます。

この練習のポイントは「止める・蹴る」を正確に、丁寧に実行すること。具体的には、ボールを1回のコントロールで止めて、パス、ドリブルの両方ができる「ゼロの状態」にすること。そして、パススピードを速くすることです。

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最初に中村選手がアドバイスをしたのが、しっかりとボールを「止める」ことでした。

「周りを観る時間を作るためにも、しっかりとボールを止めよう。ボールを持っていない選手は、どこに立つのか、何を観るのか。それも意識しよう。パススピードが速ければ、守備役の選手はなかなか取れないよ」

トレーニングを5分、10分と続けた後、中村選手が子どもたちを集めて、質問をします。

「なんかミスしちゃうな。ボールを取られちゃうな。オニの時間が長かったなという人?」と尋ねると、何人かの手が挙がります。

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「1回目のトレーニングでやってきた対面パス、4方向の対面パスのときは、敵がいなかったから意識してできていたよね。でも3対1や4対2になった途端、ボールを奪いに来る敵がいるのであわててしまい、それまでこだわってきた止める、蹴るができなくなっている子が多かった。だから、相手にボールを取られてしまったよね」

DFにボールを奪われないためのポイント② ボールを必ず一回で止める

一方で、ボールを奪いに来る敵がいる中でも、しっかりとボールを止めることに意識を向けていた選手は、相手に奪われることなくプレーすることができていました。

「この練習の前に『最初にやった対面パス、四方向パスをつなげよう』と言ったよね?それを理解して、練習のポイントや動きをつなげていた子は、しっかりとボールが止まっていました。でも、こだわりきれなかった子は、あわててトラップミスをしていたように見えた」

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中村選手は真剣な眼差しで、一つひとつのプレーにこだわることを、繰り返し訴えていきます。ただなんとなくプレーするのではなく、考えて、意識して取り組むこと。それを5年、10年と積み重ねていくと、圧倒的な差になって現れてきます。

「一回でボールを止めることができないと、足元のボールを見てしまうよね。その瞬間に相手に寄せられると、周りが見えてないので取られてしまう。でも、ボールを一回で止めることができると、顔が上がる。すると、味方の立ち位置や敵のプレッシャーのかけ方を観ることができる。その状態でパススピードが速くなれば、敵はついていけないし、それほど動かなくてもパスが回るようになる。難しいかもしれないけど、その意識を持ってやろう」

中村選手の熱量に感化されたのか、子どもたちの集中力、プレー精度も上がっていきます。

「ボールを止めることができて、初めて周りを観ることができる。だから、こだわろう。しっかりボールを止められれば、相手のプレッシャーは外せるよ。ボールがピタっと止まったら、相手は寄せられない。ボールを取られない選手になってほしい。それを意識しているか、していないかはすぐわかるよ」

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正確な技術、視野の広さに定評がある中村選手。そのプレーの源は、しっかりとボールを止めることです。止める、蹴る、そして観ることは、すべてつながっています。だからこそ、一つひとつのプレーにこだわり、ミスを減らすことで、速く、正確にプレーすることができるのです。

充実したトレーニングが終わり、中村選手は子どもたちに「最初に比べて、ボールを取られなくなった人?」と質問をしました。かなりの数の手が上がり、「外から見ていても、ボールが回るようになったグループが多かったと思います」と笑顔で語りかけます。

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「最後の方は、驚くぐらい変わっていました。一人ひとりがボールを奪われなかったら、ボールは回るようになる。1、2本目の練習が終わったあとに話をしたら、3本目は変わったよね。意識をすればボールは止まるし、ボールが止まれば視線は上がる。ようは、自分次第だということ。それを一人ひとりが覚えてほしい。練習自体はいつもやっていることかもしれないけど、意識してやるだけで全然違うでしょ。自分で意識すれば、絶対に変わるからね!」

中村選手のメッセージを意識し、日々のプレーにどれだけこだわることができるのでしょうか?参加してくれた子どもたちの、これからの取り組みが楽しみです。
(第3回目に続く)

3回目:中村憲剛が考えるボールを失わないために必要な「俯瞰的な視野」を身に付けるための3つのトレーニング

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中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ。東京都小平市出身。小学生時代に府ロクサッカークラブでサッカーを始め、都立久留米高校(現・東京都立東久留米総合高校)、中央大学を経て03年に川崎フロンターレ加入。06年10月、日本代表デビュー。国際Aマッチ68試合出場6得点(2020年7月現在)。05年から19年までJリーグ優秀選手賞を15回連続受賞。Jリーグベストイレブン8回選出。16年に史上最年長で受賞したJリーグMVPはギネス世界記録に認定されている。

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文/鈴木智之

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