テクニック

2015年2月20日

ポジションを固定しないことで、選手の可能性は広がる

■トレーニングの中でも"優位に立つ"こと

クルゼイロのトレーニング方法の魅力をひと言でいうならば、試合をイメージした実践に近い形で行うことだろう。
 
1対1のトレーニングを例に挙げよう。OF(オフェンス)とDF(ディフェンス)、つまり敵味方が対峙するというトレーニングだが、日本では固定的・形式的なものが多いように見受けられる。しかし、クルゼイロでは同じ1対1でも状況が多数に分けられる。真っ正面に向かい合った状態で、それとも少し斜めで、またはもっと角度のある斜めの位置で……。その時に応じて双方の身体のバランス・ボールの受け方・相手との駆け引きが大きく変わってくるということだ。
 
そのシチュエーションの計算は、盲点を許さないまでに実に細分化され、異なる位置でプレーをすることを繰り返し、身体の向き・間合い(相手選手との距離感)を変えることで苦手な箇所に気づかせるのだ。
 
さらに、選手自身が「どのようにプレーをすれば相手より有利に立つことができるか」を自主的に意識できるようになれば、このトレーニングのフィードバック効果は大きくなる。同時に、どのポジションでも優位にパフォーマンスすることができるように鍛えられているのだ。ここでもクルゼイロが、世界で活躍できる選手の育成を意識している部分を垣間見ることができる。
 
クルゼイロジャポンでも、コーチが選手に求めていることは同じ。ただトレーニングをこなす選手より「上手くなりたい。どのようにすれば上手くできるのか」を意識するほどクルゼイロメソッドをどんどん吸収し上手くなっていくだろう。つまりそれは、世界で戦える選手としての一歩を踏み出しているといえるのだ。
 

 


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