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インタビュー

「夏休みの3日間が、サッカー人生を変えるきっかけに」サカイクキャンプ・FC東京×サカイクSummer Camp の指導者が語る、サッカーと人間力を高めるアプローチ法とは?

公開:2025年6月 3日

キーワード:FC東京キャンプサカイクライフスキル

元プロ選手でFC東京の育成・普及部の大島翼コーチとサカイクキャンプ・菊池健太コーチが指導をする『サカイクキャンプ』『FC東京×サカイクSummer Camp』の指導法に迫るインタビュー後編。「自分をアピールできる子が減った」という現代の変化を受け、このキャンプではどのようにして「考える力」を育むのでしょうか? 

6人制の試合でのディスカッション、準備・片付けを通じた「感謝の心」の体験、失敗を恐れない「チャレンジ精神」の育成など、元プロ選手とサカイクの指導者が実践する、ライフスキルの指導アプローチを紹介します。(構成・文 鈴木智之)

 

子どもたちの変化と指導の工夫

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菊池:最近、自分をアピールできる子が減ってきていませんか?昔はもっと個性的な子がいましたが、今はルールを守れる、お利口さんな子が増えた気がします。

 

大島:時代が変わって、今はこちらが引き出してあげないと出てこない子の方が多いのかもしれませんね。

 

菊池:僕がいつも子どもたちに話すのは「考えるチャンスって、いっぱいあるよね」ということです。キャンプでは生活でもサッカーでも、自分で考えることの楽しさに気づいてほしい。サッカーノートに記入するのも大きなポイントで、考えを可視化して、自分と向き合う時間を作ることで、考える力が身につくと思います。

 

大島:キャンプでわかりやすいのが「段取り力」ですね。何時に練習があるから、この時間に起きて、ご飯を食べて、準備して......という流れを自分で考えること。これがオフ・ザ・ピッチでの考える力の一例です。オン・ザ・ピッチでは、常に状況判断が必要な練習をしますし、チームメイトと話し合うことも「考える力」を育む上で大切なポイントだと感じています。

 

菊池:はい。

 

大島:春のキャンプでは、6人制の試合をしました。年齢的に、8人制や7人制は難しいと感じ、6人制にしたのですが、人数が少ない分、3-1-12-1-2といったシステムがシンプルになったことで、戦術的なディスカッションが過去一番多かったんです。これは大きな発見でした。

 

菊池:自分たちで考えてうまくいった成功体験って、強烈に残りますよね。表情も生き生きして楽しそうになるんです。キャンプでは作戦会議の時間を設けて、チームに変化をうながし、それが成功したときの選手たちのエネルギーはすごいものがあります。それが考える力につながってくれたら嬉しいですね。

 

■物事を円滑に進めるための伝え方を学ぶ

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大島:春キャンプでは、子どもたちが「サイド攻撃がしたいから、システムを2-2-1にしよう」と決めました。すると真ん中がガラ空きになってしまい、そこから失点してしまいました。その日の振り返りで「中に人がいないとボールも運べないよね」となり、次の日は2-1-2に変更。子どもたち自身で考えた戦術によって、ゲーム展開がガラッと変わった姿を見て、大きな手応えを感じました。

 

菊池:私が作戦会議で大切にしているのは、どういう言葉を使ったら、相手に伝わるかです。プラスな言葉の方が、選手も受け入れてくれます。ハーフタイムで勝っているチームは「もっとこうしよう」などの前向きな言葉が出ますが、負けているときは「なんでそこに走ってくれないんだよ」といった、マイナスな言葉が生まれがちです。それでは問題解決にならないよねという話をしています。

 

大島:物事を円滑に進めるためには、伝え方が大切ですよね。子ども同士だと乱暴な言葉が出てくることもありますが、それだとお互いが感情的になって、伝えたいことが伝わりません。

 

相手が嫌がる言葉を避けて、いいことがあったら褒めるような雰囲気を最初に作ることができると、気持ちのいい集団になります。同じことを言うのでも「お前」と呼ぶのか「○○君」と呼ぶのかでも違いますからね。

 

菊池:子どもたちのコミュニケーションって面白いですよね。ゴールパフォーマンスで「点を決めたらこれをやろう」って話し合っていたり。キャンプを通じて、すごくいいコミュニケーションが取れているなと感じることも多いです。

 

感謝の心を育む体験学習

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菊池:キャンプでは「サッカーができることは、当たり前ではないんだよ」と伝えています。親御さんを始め応援してくれる人は、君たちがサッカーを心から楽しんでる姿を見るのが一番嬉しい。だからまずはサッカーを楽しんで、仲間の大切さやいろんなことに感謝する気持ちを忘れないでねという話をしています。

 

大島:今の子どもたちは恵まれているので「サッカーができるのは当たり前でしょ」と感じているのかもしれません。そんな彼らに「感謝の心を持とう」と言っても実感しづらいので、具体的に体験してもらうことがポイントだと思います。『FC東京×サカイクSummer Camp』では、自分たちで準備や片付けをします。ゴールも道具も運ぶし、テントも建てます。

 

菊池:そうですね。

 

大島:普段、大人がやってくれてることを自分たちでやって初めて「いつもコーチがやってくれてたんだな」と実感する。体験するからこそ、わかることがあると思います。

 

菊池:当たり前になっていることが多いので、親御さんがいろんな準備をしてくれてることを自分でやってみて初めて「大変だった、協力してもらってるんだな」と実感できる。キャンプを通じて、それが今後の生活を見直すきっかけになってくれたら嬉しいですね。

 

チャレンジ精神を育む

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菊池:ピッチ外でのチャレンジでは、自分で段取りする能力が大切です。お家だと親御さんに「何時に家を出るからね」と言われているのを、自分で計算してやっていく。自分のことを自分でするのが、子どもたちには一番難しいチャレンジかもしれません。

 

大島:チャレンジでは「失敗の質」がどう変わってきているかにも注目しています。相手にボールを取られるのが嫌で、後ろにパスしていた子が、前に仕掛けて取られてしまったとしても、「今まで下げていたプレーを、自分から前にトライしたよね。ナイスチャレンジ」と声をかけてあげたいです。チャレンジには失敗がつきものなので、失敗の内容がどう変化しているかを伝えてあげるのがポイントだと思っています。その子の現在地に対して、どれだけ次のステップにトライしているかを見てあげることが大切ですよね。

 

夏キャンプへの期待とメッセージ

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菊池:長い夏休みの中の3日間が、今後のサッカー人生を変えるきっかけになってほしいと思っています。FC東京さんとのコラボも光栄ですし、ライフスキルが子どもたちのスタンダードになれば、もっといい選手が生まれるし、サッカーを楽しめる子が増えると思います。

 

大島:今回のキャンプに参加してくれる子どもたちには、まだ気づいていない自分の魅力に気づき、伸ばしていく夏にしてほしい。そのためのサポートができればと思っています。今回、指針としている「5つのライフスキル」は、我々も自分の中に落とし込んで、日々の行動で実践しないと、子どもたちに伝わらないと思っています。指導者も子どもと一緒に成長できるよう、子どもたちのために頑張っていきたいです。

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取材・文 鈴木智之

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