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小さい子は不利って本当? 気になるトレセン事情。東京都サッカー協会がトレセンで重視する「12歳までに必要なテクニック」とは

公開:2022年7月12日 更新:2022年7月26日

キーワード:テクニックトレセン判断東京都サッカー協会止める認知蹴る

高学年になると「トレセン」という言葉を聞く機会がありますよね。サカイクの読者であるジュニア年代のお父さん、お母さんがどうしても気になるのがトレセン活動。

選ばれたことを子どもたちがサッカーを頑張ってきた成果の証だと喜ぶ親御さんがいる一方、選ばれなかった事を悲しむ親御さんもいるでしょう。

中には「うちは早生まれで小さいから」など最初から無理だと諦めてしまうケースや、「トレセンに選ばれなかったから、うちの子にはサッカーが向いていない」と判断してしまう親御さんがいると耳にします。

今回はそうしたトレセンに関する正しい情報を聞くため、東京都サッカー協会で技術委員長を務める中田康人さんに話を聞きました。
(取材・文:森田将義)

 

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写真は少年サッカーのイメージ

 

■12歳までの選手を見るときに重要な要素とは

東京都の場合は7つの地域に分かれた地区トレセンから選ばれた選手が、東京都トレセンの選考会へと進みます。そこで選ばれた選手が、都のトレセンメンバーとして月1回活動するのが仕組みです。U-12年代では7地域の前に、16ブロックに分かれた活動を実施し、可能性がある選手の見落としがないよう励んでいます。

以前は選考基準を地域ごとに共有するものの、トレセンコーチ全員に選考の考えの徹底がしきれていませんでしたが、今年に入ってからはトレセンに関わる全スタッフが集まり、トレセンの考え方、選手選考の基準を提示。同じ目線で全員が選手選考できるよう今後は、文章としても提示していきます。

「100人のトレセンコーチがいて、100通りの基準があれば、誰が良い選手か分からなくなるので、目(=基準)を合わせたい。大人のサッカー=子どものサッカーではなく、年代によって基準や獲得すべき要素が違います。12歳まではテクニック(※定義を後述)が凄く重要で、それ以降はテクニックがなかなか身に付きにくい年代に入ってくる。逆にフィジカルが強いからと言って、14歳や15歳になっても通用するかは分からない。フィジカルにウエイトを置いてしまうと、選手のためにならない選考になってしまう」(中田さん)。

 

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■身体能力だけを基準にすると、トレセン本来の目的とズレてしまう

成長が早い小学生だと12歳で170cm近くある選手がいれば、140cmぐらいの選手もいます。2人が一斉に走り出せば、大きい子の方が速くゴールする確率が高く、サッカーでもジュニア年代ではそうした選手が活躍しがちです。テクニックがなくても、やっていける年代でもあると言えるでしょう。

身体能力だけを基準に選考すると、トレセンの目的である将来、日本代表で活躍できる選手の発掘、育成が出来なくなるため、ジュニア年代の選考はテクニックの割合が高くなります。身体能力に頼ったプレーをしている選手に対して、将来活躍できるテクニックを身に付けるよう声を掛けるのも、大事な役目です。

 

■「テクニック」とは単純な止める・蹴るを指すのではない 

選考の基準となるテクニックも、現在は人によって定義が変わるため、中田さんが東京都の技術委員長に就任してからは、定義の明確化を進めています。

リフティングや対面パスなど止まった状態での上手さではなく、相手がいる中で様々な認知をして判断と実行が出来てこそテクニックと言います。キーワードは『前』です。前を向けるのか、前にパスを出せるのかが大事。相手が守備をしてくる中で前にコントールしたり、パスを出せる技術こそがテクニック。横にドリブルする選手は相手にとって怖くないけど、相手を抜きにかかる仕掛けは怖い。前に前進できるテクニックを持っているかが大事です」。

 

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■ポジションに応じて必要な「テクニック」がある

8人制から11人制へと変わる中学生年代では、より大人のサッカーに近づくため、ポジションに応じたテクニックも身につけなければいけません。

「CBの吉田麻也選手が自陣ゴール前でに堂安律選手のようなドリブルプレーをしたらチームメイトは困ります。テクニックと言っても吉田選手や板倉滉選手に求めるテクニックは、中盤の選手とは違うのです。反対に堂安選手も自陣でプレーするなら、エリアに応じたテクニックを発揮しないといけません。一概にテクニックと言っても、ゾーンや状況に応じて発揮できるかが大事です」と中田さんは話します。

 

■今は身体が小さくても、日々の積み重ねしだいで急成長するタイミングがある

身体が小さく、ジュニア年代ではフィジカルの差で活躍するのが難しくても、テクニックを日々の練習で磨き続ければ、必ずどこかで急成長するタイミングが訪れます。

中田さんが、代表例として挙げるのは、JFAアカデミー福島のチーフコーチ監督時代に携わったU-21日本代表のMF三戸舜介選手です。

小学6年生でセレクションを受けた際は、163cmの今より小柄で「ずば抜けた選手ではなかった。現在の活躍は想像しづらい選手でした」中田さんは振り返ります。

JFAアカデミー福島に入ってからも、身体が大きい選手に競り合いで負けるなどテクニックを生かしきれない時期もありましたが、中学3年生になったタイミングで急成長を遂げ、年代別代表でも欠かせない選手となっていきました。

「舜介には身長を気にする必要がないぐらいテクニックがあった。15歳になってからは、そこにプラスして瞬間的なスピードが出せるようになった。それ程ハードワークをする選手ではなかったけど、代表から帰ってくる度に献身的なプレーが出来るようになっていった。

こういう子がこうやって変わるんだと指導者ながら学ばせてもらった選手でした。大きく成長する瞬間を引き寄せるためにも日々の積み上げが大事。積み上げのベースとなったのは間違いなくテクニックでした」。

 

■相手がいる中での認知と判断は、中高で成長するために欠かせない要素

トレセンに選ばれるために上述した「テクニック」=相手がいる中での状況に応じた認知と判断の向上は重要です。

もし、小学生年代で選ばれなかったとしても中学年代以降で大きく成長するために欠かせない要素です。

三戸選手の急成長を間近で見てきた中田さんは東京都のトレセンコーチに、こんな言葉を伝えているそうです。

選手としての総合ランキングは、中学と高校の6年間で変わる。でも、テクニックが高い子がテクニックだけを見ると誰かに抜かれる事はなかった。もちろんテクニックを活かすためのスピードやハードワークも必要ですが、それぐらい幼少期から積み上げるテクニックが大事」。

東京都トレセンの考えは、選手の育成に携わる人たちにとっての大事な指針と言えそうです。

 

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取材・文:森田将義

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