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【第3回】監督に聞く-『島根の曲者』と呼ばれる立正大淞南高校「アイデアを生かし、勝つための工夫を」part1

公開:2011年3月25日 更新:2011年8月31日

キーワード:高校サッカーGK

第89回全国高校サッカー選手権大会でベスト4に進出した立正大淞南高校(島根県)。『島根の曲者(くせもの)』と称される彼らは、斬新なプレーで観るものを驚かせてくれます。チームを率いる南健司監督のアイデアマンぶりは有名で、勝つためにあらゆる工夫をすることから、対戦相手にとっては『戦いにくいチーム』といえるでしょう。今回は立正大淞南の『勝つための工夫』について、南監督の声に耳を傾けてみましょう。

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(C)Hirama takashi

彼らの真価が発揮されたのが、選手権の準々決勝、西武台戦でした。2対1でリードし、残り時間はおよそ10分。選手たちは迷うことなく相手陣地深くにボールを運び、時間を消費しにかかりました。 「残り10分ぐらいからコーナー付近でボールをキープしましたが、僕たちはその練習をしているんです。82回大会の仙台育英戦では一人退場した後、25分間続けたこともありました。島根県大会の決勝戦では、後半の40分間ずっとボールをキープしたことがあります」(南監督)

立正大淞南のボールキープ作戦が奏功したかに見えた、後半ロスタイム。ドラマが待っていました。GKのキックが相手に渡り、同点に追いつかれてしまいます。結末はPK戦に委ねられることになりました。そこでもアイデアマン、南監督の秘策が実行されます。 PKキッカーはレフェリーがスタートの笛を吹いても、すぐに助走に入りません。たっぷりと間合いをとってから、足を踏み出します。その理由を、南監督はこう説明します。

「PKを蹴る前にキッカーが時間を置くのは、GKのタイミングに合わないようにするためです。レフェリーが笛をピッと吹いて、すぐにスタートして蹴るとGKのタイミングに合いやすくなる。笛が鳴ってから間を空けると、キッカーは蹴りにくいのですが、GKの間合いで反応させないことを考えて、指示をしました。GKの間合いで反応させなければ、コースが甘くても入ることが多いんです。過去に何度も、タイミングを外されたGKが飛べない場面を見ました。いろいろなPK戦を見た中で編み出した方法として、(間合いを取ろうと)選手たちに伝えました」

PK戦の前には、両方の手の指を顔の前に持ってくる、一風変わったウォーミングアップをし、大一番に臨みます。「あれは動体視力のトレーニング。DVDも売っていますよ」(南監督)。

立正大淞南は勝つためにあらゆる工夫をし、PK戦に勝利しました。「なりふり構わず」というと、ネガティブに聞こえるかもしれませんが、勝つために手段を講じるのは勝負事の鉄則。南監督の知力と勝利への執着心が実った、同校初のベスト4進出でした。

Text by 鈴木智之

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