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中村憲剛の「KENGOアカデミー」

「誰かのせいにすれば、そこで終わり」中村憲剛が伝えたい"自分にベクトルを向ける"ことの大切さ

公開:2021年7月14日

キーワード:JリーグKENGOアカデミー中村憲剛川崎フロンターレ指導育成

「育成年代から日本サッカーをより良くしたい」という想いから、引退後は育成年代の指導や情報発信を積極的に行っている中村憲剛さん。

今回はサッカーだけでなく、社会を生き抜く上でも大切な「メンタル」について話を伺いました。(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)

※写真は2020年1月撮影

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■コントロールできないことにベクトルを向けない

僕は引退セレモニーで「全部自分にベクトルを向けてください」と言いました。周りのせいにするのではなく、「自分はどうだったんだろう」「自分はどうすればいいんだろう」と矢印(ベクトル)を自分に向けるのです。

●引退セレモニーで中村憲剛さんが子どもたちに送ったメッセージ【全文】>>

サッカーでうまくいかないことがあると、「監督が試合に出してくれない」「チームメイトがいいパスをくれない」など、周りのせいにしてしまうことがあります。

人のせいにするのは簡単です。でも、こうした自分でコントロールできないことに対して、あれこれ文句を言ってもしょうがないと、僕は思っています。

「監督が試合に出してくれない」と言う前に「どうすれば、自分が試合に出られるようになるか」を考えてみる。「監督が求めていることは何か?」「試合に出ている子はシュートが得意だから、自分はパスを意識してみよう」など、自分にベクトルを向けると、「いま、自分はなにをすべきか」を考えるようになります。

この考えは、すごく前向きなことですよね。周りを変えるのは難しいかもしれませんが、自分の考え方はすぐに変えることができます。これはサッカーに限らず、学校生活でも、大人になって社会に出てからも、大事な考え方だと思います。

■自分にベクトルを向ければ悩みもプラスに考えられる

とはいえ僕も、昔からそのような考え方ができていたわけではありません。ここだけの話ですが、学生時代に監督やチームメイトなど、周りのせいにしたこともありました。でも、そのときに「このまま周りのせいにしていても、成長しないぞ」と気がついたんです。

だから、いま話していることは、すべて自分の実体験です。考え方を変えることでプロにもなれましたし、その後長くサッカー選手を続けることができました。

自分にベクトルを向けると、悩みが発展的になって、プラスに考えられるように変わっていきました。うまくいかないことが起きたとき、自分が置かれている環境を変えたいと思ったときに、「じゃあどうすればいいんだろう」と、前向きに考えられるようになりました。

誰かのせいにすると、そこで終わってしまいます。自分がより良くなるために変わる可能性がなくなってしまうので、「自分は何をすればいいのか」と考えた方が、精神衛生的にもいいと思います。

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■自分を変えることが周りに与える影響

自分にベクトルを向け、志を持ってがんばっていると、周りの反応が変わっていきます。熱量がある選手は、周りに良い影響を与えることができます。がんばっている人を笑う人はいません。もしいたとしても、共感してくれたり、応援してくれる人はその何倍もいます。

がんばっている選手には、周りの人も手を差し伸べたくなるんですよね。フロンターレ時代もそうでした。試合に出られない若い選手ががんばっていると、アドバイスをしてあげたくなりましたし、実際にいろんな話をしました。

そのように情熱がある選手が増えてくると、チームはどんどん良くなります。意欲的な選手が周りに与える、ポジティブなパワーは計り知れません。そうしてチームに活気が出て、試合にも良い影響を与え始めます。

それが、いまのフロンターレにつながっている部分は、間違いなくあると思います。

■大切なのは考えるだけではなく実行すること

「前向きにやろう」「ポジティブに考えよう」と言うのは簡単ですが、大切なのは実行すること。そのような考えのもとに体験に移すことで、前向きに考えて、自分にベクトルを向けることの大切さを感じられるようになると思います。

僕は引退後、KENGO Academyや川崎フロンターレのFRO(リレーションオーガナイザー)、JFA(日本サッカー協会)のロールモデルコーチとして、若い選手に関わる時間が増えています。彼らにはサッカーの技術、戦術ももちろんですが、考え方やメンタルの部分も伝えていきたいと思っています。

そのようにして、若い子たちが良い方向に成長していってくれれば、日本サッカーもより良く発展していくと思います。

これを読んでくれている人たちも、なにか嫌なことがあったら、自分にベクトルを向けて、考えるくせをつけてみてください。サッカーでも、学校でも、職場でも、家庭でも、そうすることで前向きに考え、行動するための一歩を踏み出すことができると思います。

僕も自分にベクトルを向けてがんばります。一緒にがんばりましょう!

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取材・文:鈴木智之 写真:新井賢一

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