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中村憲剛の「KENGOアカデミー」

試合で「周りが観える選手」になるには? 中村憲剛が観ている3つのポイント

公開:2021年5月28日 更新:2021年5月31日

キーワード:JリーグKENGOアカデミートラップポジショニング中村憲剛川崎フロンターレ指導止める練習育成視野蹴る

サッカーのプレーは「認知(周りを観る)」「判断」「実行」のプロセスで行われています。そのため、周りを観ることは、サッカーにおいて最も重要なアクションと言えます。

では、試合中に選手は何を観てプレーすればいいのでしょう?中村憲剛さんに解説していただきました。(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)

※写真は2020年1月撮影

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■首を振る回数よりも「何を観るか」が大事

サッカーをする上で大切な「周りを観る」こと。子どもたちのサッカーを見ていると、コーチから「周りを観よう!」「首を振ろう!」という声かけを聞くことがあります。

では首を振って、何を観ればいいのでしょうか? それが、今回のテーマです。

試合中、観なければいけないことは3つあります。それは『相手』と『味方』と『スペース』です。指導者は「周りを観て!」「首を振って!」というだけでなく、「何を観るか」を提示してあげると良いと思います。

極端なことを言うと、首を振る回数よりも「何を観るか」の方がよっぽど大切です。むやみに首を振っている間にボールが来たら、コントロールをミスしてしまいかねません。

相手はどこにいるのか、味方はどこにいるのか。スペースはどこにあるのか、もしくはどこにスペースができそうか――。周りを観ることで得た情報から想像して「1秒後、ピッチの中はどうなっているか」を描いてみてください。

それが「観ること」の目的だと、僕は思います。

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■フロンターレのベースは「相手を観て、プレーすること」

サッカーは個人競技ではなく、集団競技です。ピッチの中には、自分以外に21人の選手がいます。そのため、まず観るべきは「相手がどこにいるか」です。

川崎フロンターレのサッカーはみなさんに称賛していただいていますが、ベースにあるのは「相手を観て、プレーすること」です。フロンターレには独自のスタイルがありますが、「相手を観てプレーできる選手」が多いからこそ、あれだけボールを支配して、チャンスを作り、得点を量産できるサッカーができているのだと思います。

もともとあったそれらのベースが、年月を重ねるごとにバージョンアップしてきました。チームとしてのイメージの共有に加えて、選手個々が相手を観てプレーしているからこそ、相手チームからすると、非常に守りづらいのではないでしょうか。

相手を観てプレーするためのベースとなるのが、これまで話してきた、「ボールを止めること」です。ボールがしっかりと止まれば、相手を観る余裕が生まれます。それはフロンターレの選手たちを見ると、わかってもらえると思います。

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■ボールが止まれば「観る」余裕が生まれる

僕の中では、「ボールを止めること」と「パススピード」は2つの軸であると考えています。

パススピードは、速ければ速いほどいい。速いボールを止めることができたら、その時点で相手と差がつきます。パススピードが速い場合は、相手が寄せてくるまでの間、余裕を持ってプレーすることができます。

緩いパスを出して、相手を引き付けることも、フロンターレではよくやっていました。それも速いボールを出せるからこそ、緩いボールが効いてくるわけです。緩いパスだけだと、相手は食いついてこないですし、奪われやすくなってしまいます。

このように、速いボールをピタッと止めることができると、相手を観る余裕が生まれるので、より良いプレー選択ができるようになります。

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■普段の生活から「観る」を意識しよう

「KENGO Academy」のトレーニング中にも「観る」という言葉はとてもよく使います。

子どもたちには「相手を観て、プレーを選択しよう」と言っています。「相手のねらいは何なのか」を観て、プレーを変える。中学年代になると、そういう伝え方でも理解できるようになります。もし理解できなければ、頭の中をノックし続けます。観ることを意識的にするために、問いかけていきます。

繰り返しになりますが、周りを観る時間を得るためにも、ボールをしっかりと止めることが重要です。「止める・蹴る」という言葉がありますが、「止める・観る」も大事です。

止めると観るはほぼ同時です。ふたつは独立していません。止められなかったら観えないし、観えなかったら止められないとも言えます。

よく「周りを観るためのトレーニングはありますか?」と聞かれますが、日常生活でもトレーニングすることができます。車に乗っているときに、周囲を観て、何があるのかを注意して観るのもいいですよね。寝ているとき以外は、どこかしら観るべきところはあります。それは普段の心がけでもできることなので、ぜひ意識しながらやってみてください!

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取材・文:鈴木智之 写真:新井賢一

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