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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

限られた時間でトラップやパスの技術を効率よく教えるトレーニングはある?

公開:2019年9月14日

キーワード:2対12対23対23対3インテグラルトレーニングオープントレーニングクローズドトレーニングコーンドリブルセットプレートラップパスヘディングリフティング

限られた練習時間でトラップ、パスなどの技術を効率よく教える方法が知りたい、と新米コーチよりご相談いただきました。練習時間内に楽しみながら集中できるメニューが知りたいとのこと。みなさんはどんな工夫をされていますか?

さらに、まだ上から落ちてくるボールを怖がる年代の子どもたちにヘディングを教えることがいいのか、将来的なスポーツ障害などの影響はどうなのか? とのご相談も。

今回も、これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、練習メニューや指導のポイントなどを伝授しますので参考にしてください。(取材・文:島沢優子)

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(写真はイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

<<大会登録人数、調整するなら女子全員外せ!? それって正しい判断なのか教えて

<お父さんコーチからの質問>

今年からコーチをしています。練習は週2回、90分程度です。

U-10担当ですが、どう指導すれば限られた練習時間内でトラップ、パスを効率よく教える事ができるでしょうか? 楽しみながら集中してやれる練習メニューがあれば教えてください。

また、ヘディングの練習はこの年代はどれほどの大事なものなのでしょうか? まだまだ上から落ちてくるボールを怖がる子も多いですし、子どものうちからヘディングをすることでの将来的なスポーツ障害などが出ないかも不安です。

漠然とした内容で申し訳ないですが、よろしくお願いいたします。

 

<池上さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

ボールコントロール、パスともに、どうすれば効率よく上手くなるか。それは、間違いなく試合をすること。練習でミニゲームをたくさんやらせてください。

 

■自然とコントロールやパスのスキルが上がる練習

ただし、勝負にこだわりすぎがちなトーナメント戦の大会にたくさん出場しましょうというものではありません。あくまでも練習でのミニゲームや、練習試合です。
それを、以下の条件でやらせてください。

1.4人から5人で行う
2.コートは4対4なら30メートル×20メートルくらいが適当。日本の少年サッカーはどの学年も8人制が多く、高学年は8人制の大きさのコートで良いが、ご相談者様が教えているのは10歳以下(4年生)なのでもっと狭い空間で行うほうがいい
3.可能ならゴールキーパーを置く(4対4なら、それ以外にキーパーを置いて5対5になる)。


つまりは狭いところでコントロールをしなくてはならないため、子どもはボールを奪われないようにしようとします。そうすると自然とコントロールやパスのスキルがアップします。

そのような狭いコートでの少人数のミニゲームをするなか、コーチが(今日はコントロールに重点を置いた練習をしたい)と思ったら、子どもたちにこう声掛けします。
「ダイレクトパスはナシ。必ずコントロールしてからパスしてください」

そうすると、どこにコントロールすれば相手にとられないのか、あるいはシュートまで持っていけるのかといったことがわかるようになります。相手に取られたら、ボールを最初に置く場所(ファーストタッチ)や体の向きがどう間違っていたかに気づくはずです。

 

■「よくある例」を挙げて理解しやすくしてあげること

コーチは、以下のことに留意してコーチングしてください。

まずは、いろいろと説明せずに「さあ、ゲームしよう」とやらせます。しばらくしたら、失ってしまう「よくある例」を、プレーを止めて説明します。

「相手が右方向から来ているのに、右足でコントロールしているよね。どこにすればいい?」

そんなふうに、いつもみてると、こんなことやっているよね? といった例を挙げて説明してください。また、まだ10歳なので、トラップが大きくなったりしがちです。そうなると相手に取られます。

そういう場面が多いのであれば、跳ねにくいフットサルのボールを使用すると良いでしょう。ミゲル・ロドリゴコーチも「10歳はフットサルボールを使えばいい。跳ねないからコントロールしやすい」とおっしゃっていました。それに慣れてきたら、サッカーボールに戻せばいいのです。何かが上手くいかないときは、このように細かく段階を踏むことも工夫のひとつです。

 

■パスを重点的に磨く場合の指導のコツ

次は、パスを重点的に磨く場合の方法です。

例えば、「全員がさわってからしかシュートを打てない」とか、4対4なら全員がさわらないとシュートができないというルールをつくります。

そうすると、子どもたちから作戦が出てきます。どうパスをつないでゴールを脅かすか、攻撃のかたちを考え始めます。

誰が開くのか、だれが真ん中に飛び込むのか。そういった作戦、要するに攻撃のアレンジが出てくるようなトレーニングにしてください。

10歳くらいなら、ルールを変えながらミニゲームをさせてもよいでしょう。
「パスを○回してからしか打てないよ」
「ハーフ(ライン付近)まではパスはなくてもいいよ」
「ハーフの前はドリブルなしね」

そんなふうに条件を変えてプレーさせると、子どもたちはパスを出そうとします。通らなければ、正確に渡すにはどうしたらいいか、攻撃において効果的な精度の高いパスがどんなものなのかを学んでいくのです。

このように、パスやボールコントロールなどさまざまな要素が詰まったミニゲームのようなやり方は「インテグラルトレーニング」と呼ばれています。

サッカーにおいて、技術、体力、戦術、メンタルという4つのブロックは切り離すことはできません。例えば、技術は、それを実行するための身体能力やメンタルの状態にも影響を受けます。技術動作はゲームの状況に支配されるのだから、ゲームの中で四つを向上させていきましょう、という考え方です。前述したミゲルコーチもこのやり方を推奨しています。

私も、対人ではなくひとりで行うコーンドリブルやひとりでやるリフティングのようなクローズドトレーニングよりも、2対1や2対2、3対2、3対3といった対人のオープントレーニングをやりましょうと提言してきました。

次ページ:ヘディングの技術が必要になる時期は......

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コーチからの質問に池上正さんがお答えします(チームの指導の悩み、例:年代がバラバラなチームの練習メニューなど)※記事になります

※質問の文言を記事にさせていただくことがあります。その際はプライバシーには配慮します。

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文:島沢優子

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