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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

大会登録人数、調整するなら女子全員外せ!? それって正しい判断なのか教えて

公開:2019年8月30日 更新:2019年9月14日

キーワード:オシムモチベーション出場機会大会登録女子選手孤立感試合経験選手選考

大会の登録人数ルールでどうしても2人登録できない。ほかのコーチからは2人だけ外すのはその子たちのショックが大きいから、4人いる女子を全員外したらいいんじゃない? との言葉が......。

選手選びについて教えて。とのご相談をいただきました。みなさんならどうしますか?

これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがアドバイスを送りますので参考にしてください。(取材・文:島沢優子)

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(写真はイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

<<引っ込み思案で活気がないチーム。子どもたちに自分で考えてチャレンジさせる指導はある?

<お父さんコーチからの質問>

池上さんこんにちは。

大会への登録について池上コーチのお考えを聞かせてください。

私はコーチ歴3年で、地域の少年団コーチをしています。

U‐10の大会があるのですが、大会は16名登録なので4年生が7名で3年生が11名の計18名の選手たちのうち、どうしても2名登録できません。

そこでほかのコーチに言われたのが、大会は4年生がメインなので、今回は3年生の女子4名を外したらいいんじゃない? ということでした。

このような場合、2名だけ外すとその子たちのショックが大きいという理由で女子を全員外す方が良いのでしょうか?

池上コーチならどんなふうに選手を選びますか。

 

<池上さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

基本的に4年生がメインなのだから、そこを中心で編成するのはいいと思います。ただし、気になるのは3年生に女の子がちょうど4人いるからいっぺんに外せば14人になる。16名の登録人数に収まるよねという考え方です。

 

■どうして「女子」を外すのか。無意識の中の差別意識

これは女性蔑視になります。

「大会は4年生がメインなので、今回は3年生の女子4名を外したらいい」

恐らくなんの差別意識はないのかもしれませんが、無意識で言ってしまうところがこの問題の根の深いところだと感じます。

他のコーチが言ってきたと書かれていて、そこで「これは性差別ではないか」といった議論があったふうでもありません。であれば、女性蔑視の風潮が蔓延しているということになります。それ自体、良くないことです。

全員プレーさせたいと思っているならば、このチームは18人いるから、9人ずつで2チーム編成できます。私はそれが最も良い方法だと思います。

このように大会出場チームを複数にするとき、よく問題になるのが引率する大人の手が足りないという問題です。この点を再度、大人がよく話し合ってください。

どうしても無理ならば、8人プラス交代選手になります。その場合は、3年生から4人だけ選ぶとよいでしょう。3年でも、「4年生の試合を体験したほうがいいね」とコーチのみなさんが思える子どもを4人選びます。その場合、4年生の大会に出てもしっかりプレーできる子を選んでください。

連れて行っても、ボールをとれない。運べない。4年生のなかに入ってみたけれど、満足にプレーできなかった、まったく通用しなかったとなって子どもが悲しくなるような状態になりそうな子は選ばないようにします。

そういった観点で選ぶと、7+4で11人になります。交代要員が3人いれば、順番に休憩できるでしょう。

 

■「力不足だから仕方ない」ではない。大人がやってはいけないこと

一方、マックスで16人連れていくとなると、4年と3年で合わせて18人なので残るのがたった2人になってしまいます。その場合、その二人を連れて行って、「外から応援してね」と言うのか、それとも「試合には来なくていいよ」なのか。判断は非常に難しいものになります。

そこを、「4年生の試合だから、今回は4人だけ連れていくね」であれば、4人だけなら孤立感はなくなります。3年生が同じようなレベルなら、半分ずつ連れていけばいいでしょう。

今回の大会はこのメンバー。でも、次回のこの大会は残りのメンバーを交代で連れていくよ、という言い方です。

やってはいけないのは、4年生の大会なのに3年生を優先して4年を外すこと。それが6年生になって最後の大会を迎えると、みなさん「最後の学年だから勝ちたい」とおっしゃいます。ところが、下の学年からそんなふうに下級生を登用して出場機会を奪っていると、6年生になっても出られない子が出てきます。

つまり、試合経験を積ませてあげていないので、モチベーションもあがらないし、上達しません。

よく大人は「試合に出られなかったのは君の力不足で仕方がない。頑張って上手くなってからだしてあげる」という言い方をしますが、試合でプレーしたほうが上手くなるのに、その機会を平等に与えていないのは大人のほうです。

いつもみんなを試合に出すよ。そんな姿勢でやっていれば、その子もうまくなります。

なかなか伸びない子がいたとしても、その子が試合に出るのが当たり前にしていれば、「ぼくらのチームは全員試合に出るんだから、あの子を助けてあげよう」とカバーする気持ちが生まれます。

上手い子しか使わない。チームの足を引っ張る子は使わない。そんなチームでは、子どもの自発的にカバーする気持ちは芽生えません。

6年生が全員出ていてもおかしくありません。親や子から文句が出ることはないです。でも、6年生になってみんなを出すには、下の学年からそのような全員出場を貫くことが重要です。そういった全員が経験する積み重ねが6年生にもつながります。つまり、チームの底上げができるのです。

次ページ:元日本代表監督オシムさんの底上げ方法

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コーチからの質問に池上正さんがお答えします(チームの指導の悩み、例:年代がバラバラなチームの練習メニューなど)※記事になります

※質問の文言を記事にさせていただくことがあります。その際はプライバシーには配慮します。

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文:島沢優子

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