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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

下手なわけじゃないけど、練習しているのに勝てない。トレーニングメニュー間違ってますか?

公開:2019年5月17日 更新:2019年5月24日

キーワード:コーチングチームスポーツドリブルパス勝ち方周りを見る数的優位池上正考える力

他のチームと比較して著しく下手ではないのに、どうしても勝てない。今やっている練習メニューがよくないの? それとも教え方に問題が? とお悩みのコーチ。

勝てるチームにするには、どんなことを教えればいいのでしょうか。

今回も、これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがアドバイスを送ります。(取材・文:島沢優子)

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勝つために何が必要か、子どもたちと指導者が一緒に追求することが大事(写真はイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

<<ドリブルでひとりでゴールしてしまう小2への声がけは?

<お父さんコーチからの質問>

こんにちは。U-12の監督兼コーチをしています。

子どもたちのレベルはバラバラですが、著しく下手という訳でもありません。
私の悩みは、練習しているのにチームが勝てないことです。

今やっている練習メニューは、
・基礎
・鳥かご
・1対1
・3対3
・セットプレー練習
・ゲーム

という練習メニューをしているのですが一向に試合で勝てません。体格も体力も、ボールを止める・蹴るなどの技術も対戦チームと比べて大きく劣ってはいないと思います。

メールのご相談のみでうちのチームを想像していただくのは難しいと思いますが、練習メニューがふさわしくなかったり、教え方が間違えているのでしょうか。

池上さんは、どのようにして勝たせるチームにしているか、練習でどんなことを教えればいいかアドバイスいただけると幸いです。

<池上さんのアドバイス>    

ご相談いただき、ありがとうございます。

「どうすれば、勝てるのか」という相談ですね。

私は講習会や講演に呼んでいただきお話ししていますが、試合に勝つための方法を教えているわけではありません。

子どもは当然勝ちたいので、勝つために一生懸命やります。が、私としては、大人は子どもに「どんな勝ち方をするのか」ということを示す役割を担ってほしい。そのことを大前提として、読んでいただければと思います。

■練習試合の活かし方

「勝てない」ということですが、公式戦なのか、練習試合も含めて、どんな相手にも歯が立たないのか。そこはわかりませんが、二つアドバイスさせていただきます。

ひとつめは「練習試合の活かし方」です。

みなさんは練習試合をどう役立てていますか?

公式戦でなかなか勝てない
子どもたちが自信を失っているように見える。

そんなとき、まずは自分たちよりも少しばかりチーム力が下のチームを見つけて練習試合を申し込みます。

その場合、勝つことだけを目的とするのではなく、その試合を練習でやったことを試す場としてとらえます。そのことを選手にも伝えます。

例えば、セットプレーの練習。

いつもやっている形で点をとってみようよ」と呼びかける。もしくは、落ち着いてパスをつなぐ。周りをみる練習をしてきたのだから、顔をあげることを意識する。そんなふうに、あらゆる目的をもってプレーすることが大切だと話します。

正確にパスをつないで攻めることは、自分たちよりも強い相手ではなかなかうまくいきません。が、力が少し下であれば、練習したことがうまくいきます。

そのように、何回か練習試合を組んでみるとよいでしょう。

対戦相手の力を少しずつ上げていくと、上手くいかないことが出てきます。
うまくいかない原因は何だろうね?

そんな問いかけをして、子どもたちにも考えてもらいます。

みなさんよく「勝たせるために何をしたらいいか考えている」とおっしゃいますが、子どもたちと指導者が一緒に追求していくことが重要です。
小学6年生ですから、子どもたちからたくさん意見が出てくるはずです。

・基本的なスキルが足らない。
・そもそも、練習したことを試合でやろうと考えているかどうか。意識が足らない。
・つい試合に夢中になってしまって、目の前のことに対処するばかりになってしまう。

など、さまざまな課題が浮かび上がってきます。そこで「きょうは勝ち負けではなくて、このプレーをやってみることに集中してみよう」と話してください。

私は講習会で「ワンツーを使わないと点にしないよ」といったルールを決めます。子どもたちは勝ちたくてたまらないので、自分でドリブルで強引に突破しようとしたりするのですが、それでゴールしても点になりません(そんなプレーばかりしていてはその子の成長につながらないので、実は理に叶っています)。

「どういう勝ち方をするか」にこだわりをもたせることが、子どもの成長につながるのです。

そんなふうに練習試合を活用していると、子どもたちから提案が来るかもしれません。
「勝てないからこんな練習をしたらどうか」
「こんな練習をしたい」と考え始める可能性があります。11~12歳ですから、十分考える力はあるはずです。

練習試合の活用の仕方を見ていると、「力試しだ」とばかりにみなさん強いチームとばかり対戦しているように見えます。それでは、いつもプレッシャーばかり受けて自分たちのサッカーは出来ません。

まず、自分たちの「力」ではなく、「技術」を試せるチームを選びましょう。

次ページ:練習に取り入れるおすすめのメニュー

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文:島沢優子

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