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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

スクールではのびのびやってるのに所属チームだと萎縮するっていう問題

公開:2018年4月18日

キーワード:サッカースクール判断力委縮悩む力指導者考える力

スクールだとのびのび楽しそうにプレーしているのに、所属チームではうまい子が多く、チームメイトに「~しろよ」など指示を出され委縮している息子。チームを変えることも選択肢の一つだけど、この状況を乗り越えて強くなってほしいとの願いもあり悩んでいるママからの相談です。あなたならどうしますか?

今回は、子どもが自分に合った環境でサッカーを楽しむためのサポートと、子ども自身が考え、判断するための「悩む力」をつけさせるアドバイスを送ります。(文:島沢優子)

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※写真はサカイクキャンプのものです。 質問者及び質問内容とは関係ありません

<<プロを目指したいので移籍したいという息子と金銭問題

 

<サッカーママからの相談>

ご質問失礼致します。
3年生の子どもは小学1年生からサッカーを始めています。

所属チームは上手い子が多いのですが、試合中にその子たちから色々指示を出されてそれが嫌で試合中は声も出さずに萎縮したプレーをしてしまいます。

指示内容はたまに「~しろよ」とか厳しい口調もありますが、私としてはその子達も一生懸命やっている中でのことなので気にしなくて良いと伝えてはいるのですが、なかなかプレーが改善されません。

チームとは別に、スクールにも行っており、そこでは上手いほうなのでのびのびやって動きも良いのですが、所属チームだと萎縮してしまいます。


所属チームを変えることも選択肢のひとつだと思うのですが、私としてはここで乗り越えて強くなってもらいたいと考えていて、どうすればよいか悩んでいます。

アドバイス等頂ければありがたいです。よろしくお願い致します。

 

<島沢さんのアドバイス>

メールありがとうございます。

わが子が萎縮している姿をみるのは、親としては辛いですね。親御さんの多くは、助けてあげたい、何とかしてあげたいと思う親心と、もっと強くあってほしい、男の子なのにと、身内として情けなく感じる二つの異なる感情がないまぜになっていることでしょう。

結論から言いますと、チームを替えたほうがいいかもしれません。


「所属チームは上手い子が多い」と書かれているように、今のチームはお子さんにとってハードルが高いのかもしれません。「スクールにも行っており、そこでは上手いほうなのでのびのびやって動きも良い」と書かれているように、ちょうどよいハードルであれば、サッカーは楽しめるし、何より上達出来ます。

■子どもが一番技術を磨ける環境に

例えば欧州では、育成年代の選手たちは自分の実力に合ったチームを探します。というか、指導者が選手にそのように助言します。

「今の君がもう少しボールを持てるチームに移ったらどうかな? そこで技術を磨いてみてはどうかな?」

レベルが下のチームに行けとか、おまえには無理、といった言い方はしません。子どもたちは常に進化する存在で、いつどんなふうに変貌するかわからない。その子が一番技術を磨ける環境を用意するのが大人の役目だと、コーチも、保護者も、みんなが理解しています。

「今はこのレベルだけど、これからはわからない。とりあえず今の君を磨ける場所に行こう」


そんなとらえ方です。「見た目」とか「枠組み」ではなく、「子どものために一番良い選択は何か」をいつも考えている。本質を見ようとしているからでしょう。

よって、所属チームに満足できずレベルが上のチームに移ることも認められます。大きなクラブの下部組織に移る子を、送り出す側は指導者も仲間も仲間の親たちも「頑張っておいで」と送り出します。そのクラブでやはりついていけず、また戻ってきても「一度出たくせに」などと拒否することは決してありません。「またいっしょにやろう」と温かく迎えます。

一方で日本人は、育成年代(子ども)であっても「優劣」に非常に敏感です。他人より勝らないとダメ。平均より上でなければ、その子の存在さえ否定しかねないほどシリアスになってしまいます。

「試合に出るのが一番」「その子の実力に合ったクラブに」という考え方が以前よりは広がってきたイメージはありますが、補欠でまったく試合に出られなくても強豪クラブを親子とも選択するケースは多いです。

わが子は、僕は、強豪に所属しているのだという帰属意識(ロイヤリティ)やアイデンティティーのほうを優先してしまうのでしょう。

■チームを移るのに大事なのは子ども自身の気持ち

とはいえ、移籍にあたり、最も重要なことは本人の意思です。お子さん自身がそれを望んでいるか、納得できるかが最大のポイントです。

「萎縮しているように見えるけど、どんなふうに感じてる?今のチームでサッカーは楽しいかな?」そんなふうに問いかけて、彼の気持ちを尊重して一緒に考えてあげてください。

お母さんが「ここを乗り越えて強くなってもらいたい」という希望を抱くお気持ちはわかります。この「ここを乗り越える」というのは、仲間に負けないよう技術をアップさせ、自分から逆に指示するほど成長することですね。

しかしながら、そのように伸びていくには、何よりも彼自身がサッカーに前向きになることが重要です。なおかつ、彼の現時点の技術でもっとボールに触れる環境をつくらなくてはらないとそこには近づけません。そう考えると、今のチームでは難しいかもしれません。

「自分の力にアジャストしたクラブを選ぶ」というのは、お子さんの大きな権利です。であれば、そこをサポートするのは親御さんの義務でもあります。

次ページ:考える力をつけるには悩む時間も必要


あなたが抱えるお悩みに、先輩サッカーママ島沢優子がお答えします! ※記事になります
※ご相談者様のお名前、チーム名等は記事に掲載いたしませんのでご安心ください。
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文:島沢優子

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