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「結果ではなく、過程が大切」ドイツのサッカーママが実体験を通して語る、子どもが成長する仕組み

公開:2022年5月24日

キーワード:サカイク10か条サッカー少年ダメ出しドイツピッチサイド声掛け子どもを尊重親の心得

ご家族の都合で7年前に渡独し、ドイツでサッカーママをしているNさんのインタビュー第二弾。

息子さんは地域のクラブを経て、現在はプロクラブの育成アカデミーに所属しています。希有な経験で感じたことを伝えたいと、ドイツと日本との違いを率直に語ってくださいました。

サッカー王国、ドイツの育成から親ができることを考えます。
(取材・文:前田陽子)

 

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写真は少年サッカーのイメージです

 

<<前編:「日本にいた頃はピッチサイドで圧を......」ドイツ在住サッカーママが現地に行って気づいた子どもを伸ばす大人のスタンス

■ドイツの子は良いプレーをしたとき親の方を見る、日本の子はミスしたときも親を見る

「息子はドイツに来てはじめは地域のクラブに所属しました。そこで出会ったトレーナーが、ドイツサッカー協会の指導者を兼ねてる方でした。

私たちにとってこの出会いがとてもラッキーで、彼からたくさんのことを学びました。彼は絶対に子どもを怒鳴らず、プレーと意思を尊重します。練習中『もうやらない!』とへそを曲げた子どもにも『落ち着くまで待つから、それでもプレーしたくなければやらなくていいよ』と声をかけるのです。プレーをするのもしないのも子どもに自分で決めさせ、決して無理強いはしません。自ら決めるのを待つ姿勢で接していました」

「彼の言葉で印象に残っているのが、特に12歳くらいまでは子どもからプレッシャーを取り除くことが大事、ということ。過度なプレッシャーがある状態では、いいプレーができるはずもなく、何より楽しむことができないからと。それ以来、今まで以上にサッカーを楽しむことが大事なんだと親子共に思えるようになりました」

そのように、日本との違いを感じながらお子さんのサッカーを見ていた頃に、ドイツの子どもたちはいいプレーをすると「僕よくやったでしょ! 褒めて!」と言わんばかりに親の方を見るけれど、日本の子どもたちが親の方を見るのは、いいプレーの時だけでなくミスをした時にも親の方をみて顔色をうかがうように感じたと教えてくれました。

「ゴールを決めたときやいいプレーをしたとき、満面の笑みで親の方を見る子どもの姿は何とも愛おしいです。が、以前息子がこちらを見たのはミスをしたときが多かった気がします。他にも私たちのことを気にする場面が度々あったように感じたんです。つまり、私たち親がいることで、子どもがサッカーに集中できなくなっている。これは良くないと気づいたんです。子どもが笑顔でプレーすること、そして周りを気にする事なくプレーに集中することが何よりも大事だと気が付いたことで、親のかかわり方を変えることができたと思います。そして今息子は、どんな状況でも私たち親や周りを気にする事なく、自分に目を向けてプレーに100%集中できるようになりました。」

Nさんはドイツでの環境やお子さんの指導者、保護者との出会いがあったから、その違いに気がつき変わることができたとおっしゃいます。日本にいる大人たちが他国の文化の違いを体感することはなかなか難しいですが、Nさんの体験を通じて、子どもたちの笑顔があふれるピッチのためにできることはたくさんあると感じる方もいるのではないでしょうか。

 

■子どものサッカーの主人公は子ども。保護者が変わると子どもは変わる

子どもがサッカーを楽しむために親がまずするべき事は、プレーするのは子どもだということをきちんと理解すること、とNさんは感じています。

いいプレーをしても、ミスをしても、やったのは子どもで親ではありません。なので、怒る必要もイライラする必要もないはず。親が子どもの気持ちを超えてピッチサイドで子どものプレー一つ一つに一喜一憂する必要はないのです。結果ではなく過程に目を向けると、昨日より今日、ひとつ前のプレーより今、できることが増えていることに気が付くはずです。

「子どものすることはゼロベース。『できない』からの積み重ねなので、そうすればできたことに目が行くはずです。あとは子どもが自分でやったこと、子どもが自分で決めたこと、など子どもが自主的に行動したことを尊重することが大事だと思います。まずは子どもからの全てのアクションを認めてあげて、必要な時はどうだったか一緒に考える。

また、日本だとミスという言葉や、失敗という言葉をよく言いますが、ドイツに来てからミスや失敗という言葉はあまり使わなくなりました。実際ドイツでは、極端なネガティブな言葉は慎重に使う=あまり頻繁に使わないように感じます。そもそもミスや失敗は悪いことではなく、うまくいかなかったというだけ。

そこから学ぶことができるのでミスは悪いことではなく、学ぶきっかけを与えてくれたものと冷静に受け止められるようになりました。

そしてミスや失敗をして頭を下げている子どもに対して、『大丈夫!』と声を掛けると共に、次のアクションが起こせるように、『なぜそうなったのか』『次どうすればもっとよくなるのか』を考えるサポートや声掛けをするようになりました。それにより息子はミスを恐れることなくチャレンジできるようになり、結果として成長につながっていると感じています。

ドイツに来ていなかったら気が付かなかったことかもしれませんが、今一番思うのは、主人公は子どもだということ。親はファシリテーターでしかありません。ヘルプよりもサポートが大切だと思います。

そして、保護者が変わると子どもは変わります。保護者に笑顔が増えれば子どもの笑顔も増える。笑顔が増えればモチベーションが上がり、自主的な行動が増え、学びも多くなる=自立と成長が促されるということだと思っています。

保護者は子どもに関わる環境の全てにつながり影響を与える存在です。保護者の存在は子どもにとっても社会にとっても重要であることを私たち一人一人が再認識することが大事だと思います。そしてこれからも子どもの成長を見守りサポートしながら、私自身も沢山の事を学んでより良く変わっていきたいと思います。」

 

いかがでしょうか。
子どものサッカーの主人公は子ども自身。まさにその通りですね。それを理解できれば今までプレーを見て上手くいけば喜んだり、ミスをすれば子ども以上に引きずったりしていたことが、本来しなくていいことと気づき、気持ちが楽になるのではないでしょうか。

保護者の笑顔は大事です。お父さんの母さんが楽しんで子どものサッカーに関わることができるようになれば、わが子の笑顔も増えるはず。親も子もサッカーを楽しむために、今日から意識してみてください。

 

子どもがサッカーを楽しむことを
最優先に考えよう「サカイク10か条」>>

 

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取材・文:前田陽子

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