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「サッカーと勉強を両立するためのしつもん術」とは?

公開:2019年6月27日 更新:2019年7月 9日

キーワード:しつもん藤代圭一

しつもんを通じて、子どもたちや選手の成長をサポートする藤代さんに、「サッカーと勉強を両立するためのしつもん術」を教えてもらいました。

藤代さんは前提として「しつもんをすることで、子どもをコントロールしてやろうと思わないでくださいね」と言います。

「しつもんで子どものやる気を引き出す際に、3つポイントがあります。それは子どもをコントロールしようとしないこと。子どもの答えをジャッジしないこと。そして、期待を手放すことです」
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藤代さんは、ひとつずつ説明していきます。

1つ目のポイント「コントロールしないこと」です。
「親が操ろうと思えば思うほど、子どもはやる気を無くします。たとえば、お子さんに対して勉強させたいという気持ちを持っていたとしても、僕たち大人が『なぜ、子どもに勉強をしてほしいのか?』という理由を明確に持っていないと、競争心と言うか、他者との比較に振り回されてしまいます。友達の○○くんは塾にも行って、これだけ勉強しているのに、なぜうちの子はやらないのとか、テストでこれだけしか点数が取れなかったとか。そう言われると、子どもは嫌になります。それは、自分自身に置き換えてみると理解できますよね。」


そして、2つ目のポイントが「ジャッジしないこと」です。
「子どもたちが考えているや感じていることに、耳を傾けてみましょう。つい、『そうじゃないでしょう』『違うわよ』と言いたくなるかもそれませんが、まずは子どもたちの考えを聞きましょう。子どもの意思や考えを聞く態度を僕たち大人が持っていないと、しつもんをしても答えてくれません。『このしつもんには、正解があるのではないか?』と感じ、答えを誘導させられていると不信感を与えてしまいます」

これは、1つ目のポイントである「コントロールしないこと」にも通じるものがあります。子どもには子どもなりの考えがあります。それが親から見れば拙いものであっても、まずは耳を傾けること。それがスタートです。

そして3つ目のポイントが「期待を手放すこと」。
「親が子どもに対して、理想の姿を思い描けば描くほど、期待が高まり、思いどおりにならないと怒りが生まれます。よくあるのが、朝早くお弁当を作って、送り迎えしたのに、なんで試合に出られないの?ゴールを決めないの? せっかく新しいスパイクを買ってあげたのに...など。でも、子どもからすると、親の期待がプレッシャーに変わり、普段どおりのプレーもできなくなってしまいます」

では、どうすればいいのでしょうか? 藤代さんは、「失敗しても成功しても、子どもを信じていること、頑張っている姿を応援したいという僕たち大人の姿勢が出てくると、子どももしつもんに答えてくれるようになり、やる気につながります」と言います。

子どもをコントロールせず、ジャッジせず、過度な期待をしない。すると、僕たち大人も肩の力が抜け、子どももその子らしい姿と、やる気を引き出すことができます。

「しつもんは、された側が『裏メッセージ』を受け取ってしまうことがあります。とくに男の子が顕著で『いつ宿題をするの?』と、時期を聞いただけなのに、『え、やらなければいけないの?』と、まだ宿題をやっていないことをとがめられたと受け取るんです。こちらとしては『いつやるのか』を聞きたいだけなのに、その裏側にある背景を汲み取り、『宿題をやれってことでしょ』とへそを曲げてしまうこともあります」

子どもたちは「自分で決めたい!」という強い意思を持っています。親があれしなさい、これしなさいと言うと、途端に不機嫌になり、「自分でやるから!」と怒りが沸いてくることもあります。

「2018年に経済産業研究所が発表した『主体的幸福感』という指数があるのですが、所得や学歴よりも、自分の人生を自分で決めている感覚が強いと、人は幸福を感じやすいそうです。子どもたちにその状態を作ってあげれば、幸せを感じるので、達成感や自尊心が高まり、サッカー以外のことにも積極的に関心を示し、行動に移すようになっていきます」


保護者がすべきは「あなたはどう思うの?」「あなたはどうしたいの?」と問いかけ、子ども自身が決める機会を増やすこと。それこそが、究極のしつもんだと言えるでしょう。

「親に『あなたはどうしたいの?』と聞かれると、子どもは最初のうちはどう答えていいかがわかりません。それまで『親が思う正解』を探そうとしていたからです。そういう子は、しつもんに対する主語が自分ではなく、親になっています。そこで、親の考える正解ではなく、子どもの考えに根気強く向き合っていくと、徐々に自分らしい答えを見つけられるようになっていきます」

そこで親がすべきは、ポイントの2つ目で紹介した「子どもの答えに対して、良い、悪いとジャッジしないこと」です。

「ドイツやフィンランドなど、子どもの主体性を大切にしている国は、幼稚園の頃から『あなたはどうしたい?』と聞くそうです。家族で食事に行った時に『あなたは何が食べたい?』と聞くことや、友達が来たのに遊びたくなさそうだったら、『あなたはどうしたいの?』と聞いて、遊びたくなければ、そう友達に伝えるように言います。自分で決めることを小さい頃から習慣化することで、自分で考えることや、興味のあることに対して、積極的に行動することなどが身につくのだと思います」

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文:鈴木智之

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