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「ほめると伸びる」は正しくない!? 子どもが自ら工夫や挑戦をし始める自信の育て方

公開:2017年10月 3日 更新:2021年1月27日

キーワード:やる気メンタル主体性成功体験自主性

「内発的なやる気」を導き出すことが、自信を得るための近道であることは、前編でも触れました。やらされるのではなく、主体的に動くことが重要であることは間違いありません。
 
しかし、はじめから子どもたちの主体性を引き出すのは、決して容易ではないでしょう。大半の子どもはやらされることからサッカーを学んでいきます。大儀見さんも「はじめはやらされていてもかまわない」と言います。(取材・文:原山裕平)
 
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<<前編:小さな成功体験を積むことが自信に!自主性・主体性を育てる「しつもん」のしかた
 

■「ほめれば伸びる」は誤り?

「実は最近、外発的なやる気と内発的なやる気は別物ではなく、このふたつのやる気は連続体であるという理論が出てきたんです。これを自己決定理論と言います」
 
自己決定理論とは具体的にどういった現象を指すのでしょうか。
 
「簡単に言うと、興味のなかったことが、だんだん好きになっていく現象ですね。はじめは嫌々やらされていたことに対して、次第に興味を持ちだし、そのなかで、工夫やチャレンジの仕方を見出せるようになってくるんです」
 
「そして、もっとこうしたい、次はこうやってみようという意識に変わっていく。やらされている状態から、自分から進んでやろうという気持ちになっていくのです。この流れを内在化が始まると言います」
 
「そして内在化が始まったことを、指導者は気づいてあげることが重要です。内在化が始まれば、子どもたちはチャレンジします。そのチャレンジで失敗することもあるでしょう。そこでどうリアクションするのか。もし、チャレンジを勝手なことと受け止め、怒ってしまえば、子どもたちはきっと自信を失い、サッカーを嫌いになっていくでしょう。自己決定とは、自己の意思を活用する過程です」
 
では、怒るのではなく、ほめるだけでいいのでしょうか。大儀見さんは、ただほめるのではなく「ほめ方」が重要だと指摘します。
 
「一時期、ほめればほめるほど伸びるといった解釈が広がりましたが、これは正しくありません。正確には、ほめられて伸びるのではなく、期待されればされるほど、期待に応えようとするから伸びるのです。これを“ピグマリオン効果”と言います」
 
“ピグマリオン効果”という名称は、石像に恋をしたピグマリオンという王様の神話から名づけられたもの。王様が自分の理想とする女性の姿をした石像を彫り、それを本当の恋人のようにほめて、大事に扱い、人間になってほしいと願った結果、王様の姿を憐れんだ愛の女神アフロディーテが石像を本物の女性に変えたというお話です。ほめたことで人間に変わったわけではなく、期待したことに対して、神様が応えてくれたという解釈なのです。
 
したがって、指導者や保護者にとって重要なのは、結果ではなくて、子どもたちの努力や工夫に対して期待すること。そうすれば、その期待に応えようという気持ちが芽生え、それが自信につながっていくのです。
 
次ページ:どのポイントをほめるべき?

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文:原山裕平

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