1. サカイク
  2. コラム
  3. 考える力
  4. 「言われなくてもわかるだろう」は勘違い!最強女子監督3つの教え

考える力

「言われなくてもわかるだろう」は勘違い!最強女子監督3つの教え

2015年4月28日

キーワード:コミュニケーション女子日ノ本学園女子サッカー部

高校女子サッカー史上初の2年連続、夏冬2連覇を果たした日ノ本学園高等学校サッカー部を率いる田邊友恵監督。前回記事『サッカーで人生を豊かにする術を学ぶ!最強女子サッカー部の教え』に続き、最強女子サッカー部の指導にみる子どもとの接し方、育て方とは? お父さんお母さんの役に立つヒントが満載です。(取材・文 中野里美 写真 金子悟)

HSWFC_20150111_032_s.jpg
 
HSWFC_20150111_289_s.JPGのサムネイル画像
<<サッカーで人生を豊かにする術を学ぶ!最強女子サッカー部の教え
 

■「言われなくてもわかるだろう」は大きな勘違い

田邊監督も、就任当初から子どもたちと今のような関係を築けていたわけではありません。今日に至るまでには、いろいろな苦悩や葛藤があったようです。そんな中、監督自身が変わる大きなきっかけがありました。昨年のチームで中心選手だった卒業生から「田邊先生、変わらなきゃダメですよ。何考えてるかわからないです」と言われたそうです。
 
「基本的には選手たちに任せるスタイルなので、あまり怒ることも褒めることもなく、ドライな感じに捉えられていたんだと思います。わたしは関東出身だから、関西の人からすると言葉も冷たく感じるみたいで……。自分でもコミュニケーション下手だという自覚はあったのですが、卒業生たちに言われたのを機に、『よしわかった、じゃあ、変わるよ!』と。それ以降、自分の気持ちをきちんと伝えるよう、意識的に努力したんだそうです。
 
「最近気付いたのが、私はあの子達のこと大好きだなって(笑)。それまでも思ってたんですけど、そういうことは言わなかったんですよ。『先生だし、そんなことは口にするもんじゃない』って。まだ3年目で変に先生像とかも自分の中にあったんで。近過ぎてもダメだし、贔屓になってもいけないと思ってたんです。でも、卒業生にそう言われて・・・。自分では口に出さなくても伝わってると思ってたんですよ。でも、全然伝わってなくて。何考えてるの?みたいな感じだったから・・・。これはちゃんと言うしかないなと」。
 
日本人は褒め下手といいますが、就任当初の田邊監督もまさにそうだったようです。「褒めて伸ばす教育」というのは知識としては持っていたものの、どこか演技っぽい感じになってしまいうまく実践できず、むしろダメ出しばかりしていたんだとか。今回、練習を拝見した様子からは想像もつきませんが、以前はそうだったようです。それが卒業生に指摘された昨年の秋頃からは、本当によかったと思うプレーに対して、「あれ、めっちゃ良かった、上手かったね」と声をかけたり、「ほんっと可愛い。大好きだよ(笑)」などとミーティング中にも言っているんだそう。すると、今まで硬かった子が途端に笑顔になり、ダメ出しまでも聞いてくれるようになったんだとか。
 
監督曰く「向こうも喜んで、それを見てこっちもまた嬉しくなって一石二鳥」。
 
さらに、「ごめん」とも言うんだそうです。
 
「昨日ああ言ったけどさー、こうしてほしいからなんだけど、わかってもらえる? ごめん」
 
といった感じで。思っていることをきちんと言葉にして伝えるようになったことで、少しずつ子ども達との距離が近づいていったんだとか。そんな変化を経ての、今回の選手権優勝。「だから、最後の冬の選手権もめっちゃ楽しかったです。二連覇のプレッシャーもありましたけど、とにかく最後まであの子達が笑って卒業できるようにっていう思いでいたので、愛が溢れた大会でした」と監督。
 
自分の気持ちをきちんと言葉にして伝えるって、簡単なようで難しい。「以心伝心」「阿吽の呼吸」という言葉が日本にはあります。確かにそういうこともあるでしょう。しかし、指導者と教え子、親と子ども、いかなる関係であれ、「言わなくてもわかるだろう」は時に勝手な思い込み、エゴになるのかもしれません。伝えること、伝わることってほんと大切ですね。
 
1  2
取材・文 中田里美 写真 サカイク編集部

関連する連載記事

関連記事一覧へ

関連記事

関連記事一覧へ

考える力コンテンツ一覧へ(264件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. 考える力
  4. 「言われなくてもわかるだろう」は勘違い!最強女子監督3つの教え

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. 同じ小3なのに、身体の成熟年齢5歳と11歳の子がいる? 「うちの子小さくて」の前に知っておきたい生物学年齢とは
    2017年11月13日
  2. 「日本の多くの選手は守備の仕方を知らない」世界中で指導してきたコーチが気づいたこと。
    2017年11月16日
  3. ついていけないからサッカークラブをやめたい息子の気持ちを尊重すべきか悩む問題
    2017年11月15日
  4. 中学生年代も『補欠ゼロ』を推奨 不断の努力で地域唯一のクラブチームとして認められた藤岡キッカーズが描く展望
    2017年11月14日
  5. シュートセンスがあり上手いが相手との競り合いを嫌がる子。ボールの取り合いをどう教えればいい?
    2017年11月17日
  6. 同じ小3なのに、身体の成熟年齢5歳と11歳の子がいる? 「うちの子小さくて」の前に知っておきたい生物学年齢とは
     
  7. 足が遅いのには理由がある。しかし、その理由を1つ1つ潰せば足は速くなる
    2016年6月10日
  8. 「バルサはすごい」で終わらせないために。求められる『認知力』と『インテンシティ』
    2017年11月13日
  9. 正確に止めて蹴るプレーが速さにつながる!その秘訣は「軸足」と「姿勢」にあり
    2016年12月 1日
  10. 長谷部選手も実践!効果的に足首を固定するテーピングの方法とは?
    2017年11月15日

一覧へ