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考える力

相手は"敵"ではなく審判は"あら探しをする対象"ではない

公開:2014年11月12日 更新:2020年3月24日

キーワード:スポーツマンシップ

■立場の違いを理解することの重要性

欧米では「リーダーシップはスポーツを通じて学ぶ」という考え方が常識です。それは単にリーダーを育てることを意味しません。全員がリーダーシップとはなにかを理解することで初めて、「リーダーをどのように機能させるか」というフォロワーシップが成立するのです。リーダーとフォロワーは立場が違いますが、スポーツには「勝利という共通の目的」があります。スポーツを通じて、「立場の違い」を理解する、つまりリスペクトを学ぶことが、スポーツマンになるための必要条件です。これらの原則を理解し、リスペクトする覚悟をスポーツマンシップと言います。『覚悟』ですから、ゲームの前に「守ることを宣言する」必要があるのです。
 
さて、最初の質問に戻りましょう。長谷部選手や宮本選手がどんなに立派なキャプテンでも、他のメンバーがリーダーシップを理解したスポーツマンでなければ、チームとしては機能しないのです。各人の考えに違いはあっていいのです。いや、むしろ個人個人に違いがなくてはチーム力は上がりません。個々の違いを認め合った上で、全体をどのように機能させたらいいのかを考えていきます。この問題はなかなか複雑で、簡単に答えを導くことはできません。この問題に対処するには、チーム全員が小さい時からスポーツの場でトレーニングしておく必要があります。決して代表に選ばれてから学ぶことではありません。ジーコもザックも、世界の常識が日本にはあてはまらないことを最後まで理解できていませんでしたね。私は、それが一番の敗因だと思います。
 
 

■スポーツマンシップはスポーツが機能する前提

2006年のW杯本番の直前合宿に、筆者はジーコとスポーツマンシップについて話す機会がありました。ジーコがスポーツマンシップについて整理して話をするので、「だれに教わったの?」と尋ねたところ、「子どものころから、路地や空き地で、近所のおじさんや兄貴たちに教わったよ」と、それがさも常識であるかのように話してくれました。同時に、「どうも代表選手たちがスポーツマンシップを理解していないらしい」ことに気づき始め、驚いている様子でした。(正直なところ、ジーコの話を聞きながら「日本人として恥ずかしいなあ」と思ったことを記憶しています)
 
スポーツマンシップを理解することが、結果的に勝利に結びつくことがお分かりになったと思います。考えてみれば「スポーツマンシップはスポーツが機能する前提」ですから、当然と言えば当然なんですね。運動能力が高くて、ボール扱いがうまい選手を集めるだけで、どんなに素晴らしい監督を連れて来ても、W杯では勝てないのです。子どもにスポーツマンシップを理解させることは、親や、身近に暮らす大人の義務なのではないでしょうか。
 
 
【参考文献】

 

 

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文・広瀬一郎

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