1. サカイク
  2. コラム
  3. 考える力
  4. 【第4回】監督の言葉から学ぶ「指導の極意」--『待ち』の指導

考える力

【第4回】監督の言葉から学ぶ「指導の極意」--『待ち』の指導

2011年1月18日

キーワード:Jリーグコーチングヴェルディ指導者監督

優秀な指導者からは、指導の極意や哲学を学ぶことができます。ここでは、そんな監督たちの言葉を見ていきながら、「子どもたちの指導」について考えていきます。
第四回目も東京ヴェルディユースの楠瀬監督に学びます。

■方向性を示して待つ

0002271.jpg2010年のクラブユース選手権で優勝した、東京ヴェルディユース。チームを率いる楠瀬直木監督は、就任1年目でクラブユース選手権の優勝を勝ち取りました。

 

ヴェルディはユース年代の全国的な強豪です。しかし、ここ数年はタイトルから遠ざかっていました。そこで楠瀬監督は「優勝するチームってどんなチームだろう?」と、選手たちに問いかけたそうです。

「優勝するチームの選手は脱いだスリッパをぐしゃぐしゃに置かないだろうし、あいさつもきちんとするだろうと。たとえば、マンチェスター・ユナイテッドの若い選手たちは、試合のときはスーツにネクタイを締めて、受け答えもしっかりしています。そういうのを見ると、うちの選手はまだまだだという感じがするので、まずは風格や品位を身につけようと。そこをおろそかにして、グラウンドで『質を上げよう』なんてことは言えないですよね」

オン・ザ・ピッチとオフ・ザ・ピッチはつながっていると、楠瀬監督は言います。指導者としては「スリッパをきちんとそろえよう」「あいさつをしよう」と、できていない場面を見ると、ついつい言いたくなるもの。しかし、そこでグッとこらえるそうです。

「僕は『待ち』の指導です。こちらから攻めると、『スリッパを並べなさい』『ゴミが散らかっているぞ』と、全部言わないといけなくなる。スリッパをそろえられる選手は、落ちているゴミは拾うでしょう。サッカーも同じで、一つひとつがていねいにできるようになると、マークのずれを発見したら自分が修正したり、人のミスをカバーするようになる。そこで『マーク修正!』『カバーリング!』と全部言うと、四六時中言わないといけなくなります。ゴミを拾う、スリッパを並べる。それができれば、グラウンドの中でも規律ができて、仲間の間でルールになっていくんです」

自分の考えを押し付けるのではなく、方向性を示して待つ。楠瀬監督はこうして、ピッチ内外に規律をもたらし、優勝という栄誉を勝ち取りました。育成年代の指導には様々なアプローチがあります。楠瀬監督の『待ち』の手法も、選手を伸ばすための有効な指導法と言えるのではないでしょうか。

 

Photo//Kenzaburo Matsuoka

1

関連する連載記事

関連記事一覧へ

関連記事

関連記事一覧へ

考える力コンテンツ一覧へ(263件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. 考える力
  4. 【第4回】監督の言葉から学ぶ「指導の極意」--『待ち』の指導

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. FC東京をを2年でクビに。引退して気づいたプロになる前に身に付けておくべきこと
    2017年10月13日
  2. ドイツ、スペイン、イングランド... サッカー強豪国から学ぶ、子どもを伸ばす親の応援スタンス
     
  3. 正確に止めて蹴るプレーが速さにつながる!その秘訣は「軸足」と「姿勢」にあり
    2016年12月 1日
  4. 足が遅いのには理由がある。しかし、その理由を1つ1つ潰せば足は速くなる
    2016年6月10日
  5. 子どもの試合はワールドカップではない!ドイツでみた標語に込められた5つのメッセージとは
    2016年2月17日
  6. 多くのJリーガーを生み出した強豪校が練習を100分しかしない5つの理由
    2017年10月 5日
  7. "今"ばかり見ない! つくばFCが実践する子どもが「サッカーばか」にならないための育成哲学とは?
    2017年10月10日
  8. ボールだけで通じ合えるなんて幻想! スペインでの経験から安永聡太郎が確信する、日本人が磨くべきスキル
    2017年10月11日
  9. ゴールキーパーのキャッチング練習 ~番外編・グローブメンテナンス~
    2017年10月11日
  10. 日本とスペインの比較検証でわかった「伸びる選手の保護者」の傾向とは
    2017年8月 1日

一覧へ