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U10で取り組む前進を目的とする止める・蹴るの基本練習!認知・判断・実行 とボールを扱う技術を同時に磨く

公開:2023年12月 7日

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

U10年代では、せっかくボールを奪ったのに、その後の状況を認知できておらず、すぐに奪われてしまうことが多々ある。

そのため「顔を上げて周囲を見る」「味方の状況を確認する」といった、認知に働きかけることがポイントだ。

そこで今回は「ボールを持った時に、奪われない状況判断力を高めるトレーニング」をテーマに、クルブアトレティコ愛知の代表を務める、鈴木理一郎氏にトレーニングを実施してもらった。

鈴木氏はクーバー・コーチングで長年指導した経験を持つほか、メキシコサッカー連盟アカデミー、FCバルセロナアカデミーキャンプでも活躍し、現在は自身のジュニアチームを指導しており、日本国内外でのU-10など低学年の指導を熟知しているコーチだ。

指導経験豊富な鈴木氏による、ジュニア年代で重要な技術とともに、認知・判断を高めるトレーニングを、今回から2回に渡って紹介したい。(文・鈴木智之)

この内容を動画で詳しく見る

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止めたいところに止める、蹴りたい場所に蹴る為の基本練習

今回紹介するトレーニングは2つ。「パス&コントロール」と「1対2+2フリーマン」だ。冒頭、鈴木コーチは「最初のトレーニングでは、サッカーの基礎技術である、止める・蹴る・運ぶのトレーニングを行います」と説明。

「ここでは左右両足を使いながら、顔を上げてプレーすることを求めていきます。単純なトレーニングですが、次のプレーを意識して、どこにコントロールするのか、狙ったところにパスが出せるのか、正確性を求めていきます」

「パス&コントロール」のトレーニングは、選手が向かい合って立ち、対面パスを実施。まずは「2タッチでプレーすること」とルールを設定し、パスを出した選手は逆サイドへ走っていく。

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鈴木コーチは「狙ったところに蹴れているかな?」「いつもいいパスが来るわけじゃないから、足を動かして準備しよう」と、明るく声をかけていく。

さらには「ボールをコントロールした時、すぐに蹴られるところに置いてみよう」とデモンストレーション。止める際には「ボールの上を優しく触ろう」と具体的にアドバイスしていく。

ほかにも「焦らなくていいよ、上手くできなければ、ボールを持ち直してみよう」「ボールにバックスピンをかけるイメージでコントロールしてみよう」「パススピードより正確性」「ボールの正面に入ることが大切だよ」など、選手たちの様子を見ながら、逐一、声をかけていく。

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キックに関しては「パスは落ち着いて、ゴロでボールの真ん中を蹴ろう。蹴ったらそのまま一歩前に出る感じ」とアドバイス。

上手にできるようになってきたところで、積極的に褒めていた。そのような姿勢も、U-10年代を指導する上で参考にしたい部分だ。

続いて、立ち位置を三角形に変更し、Vの字を描くように、パスを出したところへ走るという設定に変更。その後「三角形の中で、好きなところにパスを出していい」というルールにチェンジ。

「次にプレーしやすいところにコントロールできているかな?」「タイミングよく、味方を呼べるかな」など、明るい声で問いかけながらプレーを導くことで、子どもたちはのびのびプレーできているようだった。

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常に目的(前進)を意識してボールを止める・運ぶ・蹴るを磨く

2つ目のトレーニング。テーマは「個と仲間の協力でボールを保持」。「1対2+2フリーマン」を通じて、仲間を意識したプレーに働きかけていく。

鈴木コーチは「奪ったら攻撃へ、奪われたら守備へ。攻守の切り替えを行います」と説明。まずは最初のトレーニングと同じ要領で選手がスタンバイし、ドリブルをして、真ん中まで行ったら前方の選手へパスを出す。

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ここでは、ボールの蹴り方にアプローチし、「自分が思っているより、奥に踏み込むとボールと軸足の距離が合う」とデモンストレーション。細かいポイントの手本を見せることで、選手たちに意識づけしていく。

次は「ドリブルをして、横に持ち出してパス」と設定に変化をつける。そうすることで、踏み込みに意識が向きやすくなっていた。

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続いて「受け手が動いた方にパスを出す」というルールを追加。選手たちは自然と顔を上げ、パスを出すようになっていく。

また、受け手はフェイントを入れることにもトライ。蹴る直前まで、味方の動きを見ることにアプローチしていった。

最後は中央ラインに守備の選手がスタンバイし、1対1のトレーニング。相手をかわし、前方の味方へパスを出すことを目指す。守備側が奪ったら攻撃側になり、近くの味方にパスを出す。

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鈴木コーチは「自分にとってのゴール(次にパスする選手)を見ながらプレーしよう」と声をかけていく。

ボールの受け手はパスコースを作る動きをして、左右に動くので「みんな協力してプレーしよう」と連携の重要性を伝えていった。

以上で前半のトレーニングは終了。動画の最後に、子どもたちと一緒にプレーの振り返りをして、大事なポイントを再確認していた。

そうすることで、学びを振り返ることができるとともに、ポジティブな雰囲気で終わることができる。実際の様子は、ぜひ動画で確認してほしい。

この内容を動画で詳しく見る

【講師】鈴木理一郎/
大学生時代から母校(國學院大學栃木高等学校)のコーチとして指導者キャリアをスタート。プロのサッカー指導者への憧れを抱き、現クーバー・アカデミーオブコーチングへ入学。卒業後はクーバー・コーチングにて11年間、関東・東海地域で5~15歳の少年少女を指導。
また、各県協会とのコラボレーションで、トレセン活動や協会主催行事をサポート。 2010年8月より日墨交換留学生(政府間同士の交換留学制度)として、(公財)日本サッカー協会より推薦を受けメキシコへ渡る。プロクラブ(UNAM PUMAS)での研修、メキシコサッカー連盟アカデミーでの指導、指導者養成学校でのライセンス取得など、多くの経験を積み2013年に帰国。
2014年3月よりClub Atletico GIRASOL(現Club Atletico Aichi)を立ち上げ活動。FIFAワールドカップU17メキシコ大会において、サポートスタッフとして大会ベスト8、第14回豊田国際ユース大会において、U16メキシコ代表の通訳兼サポートスタッフとして大会優勝に貢献。JFA公認A級コーチライセンス、メキシコサッカー連盟レベル2ライセンス保持。

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