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ボールを奪い攻撃に繋げる守備!相手との距離を詰めてコースを限定し、体を寄せてボールを奪いきる練習法

公開:2022年11月18日

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、サッカーを始めたばかりのジュニア年代を指導する際に参考になる、指導動画を多数配信している。

前回より、サッカーを始めたばかりのU-8やU-10年代の子どもに「ボールを奪う」感覚をつかんでもらうため、AC長野パルセイロ普及ダイレクターの貝瀬剛氏による「恐怖心を取り除きながら、ボールの奪い方を学ぶ、守備のトレーニング」を公開中だ。

U10年代では1対1の守備時に、相手が仕掛けてきたことにただ反応するといったように、「ボールを奪う」イメージを持たずに守備を行う傾向がある。

今回のトレーニングでは「ボールが相手に届く間に寄せること」「コースを限定して、相手を追い込むこと」。そして「ボールの奪い方」を学んでいく。(文・鈴木智之)

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1発で交わされない相手との距離感とコースの限定方法を学ぶ

今回のトレーニングでは、「ボールを奪って攻撃に繋げる」をテーマに「1対1(ライン突破)」を実施。コーチの配球でスタートし、攻撃は目の前の相手をドリブルでかわし、左右どちらかのコーンの間を通過すれば勝ち。守備はボールを奪い、攻撃側の背後のラインへドリブルで到達すれば勝ちとなる。

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貝瀬コーチは「ポイントは、ボールに対してプレッシャーをかけて奪い、攻撃につなげていくこと。ボールを奪われた後のプレーでは、より早い切り替えが必要になります」と話し、トレーニングがスタートした。

子どもたちのプレーを見ながらアドバイスしたのが「ファーストタッチでボールを止める」こと。ボールを足元に止めることができないと、次のプレーに移ることができず、相手にボールを奪われやすくなる。

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そこで守備の選手には「相手のファーストタッチが乱れたら、ボールを奪うチャンス。ボールの移動中に飛び込むのではなく、近くまで寄せて、相手がコントロールをミスしたら、ボールを奪うことができるよ」と、考え方を提示していった。

加えて、相手を左右どちらかに追い込み、縦に行かせたところで、ボールと相手の間に体を入れて奪うプレーをした選手を褒めるとともに、デモンストレーションを交えて解説。

ボールを奪われた選手に対しては、相手にターンをさせないように、素早く守備に切り替えることを伝えていった。

続いて、スタート時に選手同士の距離を離して実施。動画では、サイドに相手を追い込むときの体の向き、プレッシャーのかけ方も解説している。貝瀬コーチは「ボールの位置を見て、どこに追い込んで奪うのか。イメージを持ちながらやろう。攻撃の選手に、広い場所に行かれないように」とアドバイスを送っていた。

ボールと攻撃側の状況に合わせて守備の対応を変える

2つ目の動画のテーマは「相手に合わせて守備の対応を変える」。U-8やU10年代では、守備で相手を追い込める状況にもかかわらず、簡単に前を向かせてシュートに持っていかれる現象が起きやすい。

今回の練習は、ボールと攻撃側の状況によって、インターセプトをする、前を向かせないなど、より良いプレー選択を行い、相手からボールを奪うことを目的に実施する。

貝瀬コーチは「このトレーニングは、ボールや相手の状況をもとにプレーの選択をして、何をすべきかの判断が重要になります」と説明。

「1対1」のトレーニングでは、攻撃側が守備側を背負った状態で、正面にいるコーチからの配球でスタート。攻撃は守備をかわしてシュートを打つ。守備はボールを奪い、コーチにパスをしたら勝ちとなる。

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ここでは「攻撃側の選手にゴール前に進入されると、簡単にシュートを打たれてしまう。守備側は、コーチに近いところでボールを奪うと、素早くコーチにパスができる。この仕組を理解しよう」と、考え方を提示。

そして「まずは相手にターンさせないこと。前向きにさせないために強く寄せる」「シュートを打たれたくないときこそ、近くに寄せて自由にプレーさせない」「最初のプレーで食い止めれば、すぐ味方(コーチ)にパスを出せる」と理論立てて伝え、プレーのイメージを持ちながら動くことにアプローチしていった。

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続いて、コーチの配球を左右に散らすことで、攻撃、守備側とも反応を早くするように仕向けていく。

貝瀬コーチは「ぐっと寄せて」「振り向かせない」「追い込めば、相手は行く場所がなくなる」「(守備側が)くっついていたら、相手は思うようにシュートを打てないよ」など、プレーにシンクロしながら声をかけていった。

今回紹介した2つのトレーニングは、設定はシンプルだが、サッカーのプレーに必要な、基礎的な考え方を学ぶことができる。前回の記事から数えて、4つのトレーニングを実施してもらったが、1、2は導入編、3、4がゴールや攻撃方向を示した応用編ととらえていただければと思う。

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貝瀬コーチは「このトレーニングでは、相手に自由を与えないこと、自由に動けるスペースを作らせないこと。そのために体を寄せて、ボールに対してプレッシャーをかけて奪い、ゴールを目指すことに取り組みました」と話し、「鬼ごっこから少しずつサッカーの要素を増やすことで、体をぶつけることへの恐怖心を取り除き、守備で意識するポイントがシンプルに伝わると思います」と振り返った。

トレーニングの設定もさることながら、貝瀬コーチのわかりやすい説明、テンポの良い声かけなども動画に収録されているので、ぜひ繰り返し見て、指導に役立ててほしい。

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【講師】貝瀬剛/
滋賀FA キッズプロジェクト~滋賀女子U15TC コーチ/監督を経て、京都サンガF.C.で普及部チーフコーチを経験。
現在はAC 長野パルセイロ普及ダイレクターを務める。併せて長野県サッカー協会グラスルーツ委員会巡回担当責任者としても活動し、
キッズ・ジュニア年代のキッズフェスティバルやサッカースクールを開催しサッカーを通してスポーツ好きな子どもの育成に繋げている。

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