テクニック

2022年4月 1日

わずか6分で学ぶ!ジュニア年代強豪3クラブによる「1対1」のトレーニング動画まとめ

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、毎週テーマに沿ったトレーニング動画を公開中だ。今回は「動画を見る時間がない」という人に向けて、「1対1のトレーニング」にフォーカスしたショート動画を作成した。

ジュニア年代の強豪3クラブのトレーニングを6分程度に凝縮しているので、短い時間でポイントを効率的に学ぶことができる。ぜひ通勤や休み時間、練習前の空き時間などに動画を見て、トレーニングに役立てていただければと思う。(文・鈴木智之)

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大阪屈指の育成クラブSSクリエイトの「DFを背負った1対1」

最初の動画は大阪府で活動する「SSクリエイト」。個の能力を高めることにフォーカスした指導をし、髙木彰人(ザスパクサツ群馬)、川崎修平(ガンバ大阪→ポルティモネンセSC)、塚元大(ガンバ大阪→ツエーゲン金沢)、興國高校時代から注目を集め、横浜F・マリノスに進んだ樺山諒乃介など、個性的なアタッカーを多く輩出している。

SSクリエイトの「攻守における個のスキルを高めるトレーニング」。今回紹介するのは「DFを背負った1対1」だ。

設定としては、グリッド内で攻撃側が守備側を背負った状態で1対1を開始。互いに、相手の背後に2つあるコーンゴールのどちらかにドリブルで通過すれば勝ちとなる。

攻撃側は守備側を背負った状態でプレーが始まるので、まず守備側は攻撃側がキープしているボールに対し、股下に足を入れて奪おうとする。攻撃側はその動きを利用し、守備側の足に自分の足をかけて反転していく。

高口豊宏監督は攻撃の選手に対し「試合中は相手が自分の右後ろから来るか、左後ろから来るかはわからないので、相手に自分の肩を当てて、どちらから来ているかを感じよう。そして相手の勢いの逆方向へ、足をかけて回ろう」とポイントを教えていた。

守備側には「相手に反転させないように、骨盤を手で触るような距離感でボールにアタックしよう。手をかけたらファウルになるので、気をつけながら守ろう」とアドバイス。動画では選手たちが巧みな動きで攻守にプレーしているので、ポイントがわかりやすくなっている。

▼このトレーニングの記事はこちら▼
1対1で重要な「立ち方と体の向き」「相手との関係」/大阪屈指の育成クラブが教える対人強化のポイント

2021年全日本王者レジスタFCの「球際の強さを高める1対1」

2つ目の動画は、2021年度の日本一チーム「レジスタFC」(埼玉県)。球際の強さ、ハードワーク、プレーをやりきる姿勢に定評のあるレジスタ。彼らがどんなトレーニングを積み重ね、日本一に輝いたのか。その一端がわかる内容になっている。

テーマは「球際の強さを上げる、レジスタ流トレーニング」。設定は「1対1+GK」とシンプルだが、中城勉監督のコーチングに、レジスタのエッセンスが詰まっている。

選手たちのプレーを見ながら「球際よりも大事なのは何? 相手よりも先にボールを触ろうとしているのか。そこを意識してやろう」と話し、プレーを見ながら「行け!大丈夫!」と背中を押す声をかけていく。

さらには「切り替えを早くしよう。コンタクトがあっても倒れない」と、インテンシティにフォーカスしてコーチングし、良いプレーに「ナイス!」「OK!」「いいプレーだ!」と褒めていた。

シンプルなトレーニングの中で、何を大事にするのか。どんな声をかけるのか。それによってトレーニングの集中力をどう高めていくかを、この動画を見て感じて欲しい。

▼このトレーニングの記事はこちら▼
「勝ち抜く」術は1対1の強さ/球際の強さを上げるレジスタFC流トレーニング

青森県のチャンピオン、リベロ津軽SCの「相手の逆をとる1対1」

最後の動画は、青森県のチャンピオンチーム「リベロ津軽SC」。OBには青森山田高校から浦和レッズに進んだ藤原優大(SC相模原)を始め、上のカテゴリーで活躍する人材を輩出している。

アカデミーダイレクターの住谷学氏による「サッカー脳と技術を同時に鍛えるトレーニング」。左右にコーンゴールを置いた状態で1対1を行い、コーンゴールをドリブルで通過したら勝ちとなる。

住谷氏は「最初のボールタッチでいいところに置いて、ツータッチ目でスピードを上げたり、ボールと体の向きをバラバラにして、相手の反対をとるなどしてみよう」とアドバイスを送る。

ゴールを横に設定しているので、ボールの持ち方を意識し、相手と同じ方向におへそを向かせないことがポイントだ。

「へその向きを相手と合わせると、逆をとるのが難しくなる。あえて行きたくない方向にへそを向けて、相手の逆をとろう」と実演を交えてレクチャー。動き方や説明もわかりやすいので、コーチングの際のお手本になるだろう。ぜひ動画を見て、参考にしてほしい。

▼このトレーニングの記事はこちら▼
ドリブル練習はミスが出る強度が大切。青森県のジュニアチャンピオンチームが行う足元の技術を高める練習法

今回紹介した動画は、短時間で1対1のトレーニングのポイントを学ぶことができるものになっている。動画を見る時間が限られる人にも負担のない長さ(6分程度)なので、隙間時間で確認し、トレーニングに役立てていただければと思う。

この内容を動画で詳しく見る

【講師】高口豊宏/
関西大学卒業後、指導者の道へ。2004年に大阪府堺市を拠点にする育成型ジュニアフットボールクラブ「SSクリエイト」を設立し、当初から監督を務める。
OBには高木彰人(ザスパクサツ群馬)、川崎修平(ガンバ大阪→ポルティモネンセSC)、塚元大(ガンバ大阪→ツエーゲン金沢)、樺山諒乃介(横浜F・マリノス)らJリーガーも輩出している。

【講師】中城勉/
1976年10月14日生まれ。2004年にレジスタFCを設立。2008年にわずか4年間で埼玉県を制し、2012年にはダノンネーションズカップの日本大会で優勝。世界への切符を掴む。その後も、強豪ひしめく埼玉県にて素晴らしい成績を収め、ついに第39回全日本少年サッカー大会にて悲願の初優勝を成し遂げる。先日行われた国際規模のCOPA PUMA TOREROS 2016 においても優勝。レジスタFCを率いて各大会、常に上位の成績を収めている。

【講師】住谷学/
2009年より指導者を始め、2015年より全国大会の常連である青森の強豪チームのリベロ津軽SCでの指導を開始。2018年から2020年までU-12監督を務め、2019年からは女子U-15監督を兼務しながら、2020年よりアカデミーダイレクターも務める。

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