テクニック

2022年1月26日

予選リーグ無敗で首位通過。全国大会で福岡バディFCが見せた「高い位置でボールを奪って攻める」攻撃戦術

「第45回全日本U-12サッカー選手権大会」で躍進したのが、福岡県で活動するバディFCだ。グループリーグでベガルタ仙台、レノファ山口といったJクラブに加え、激戦区・東京を勝ち抜いた調布イーグルスFCと戦い、2勝1分で1位通過を果たした。

U-12を指導する村上将平コーチには、以前、COACH UNITED ACADEMYに出演してもらい、「ショートカウンターからシュートまで持ち込むトレーニング」を実践してもらった。

U-12サッカー選手権大会の3戦目、レノファ山口戦では高い位置でボールを奪い、ゴールを目指すスタイルがはまり、5対1で勝利した。試合後、村上コーチに話を聞いた。(取材・文:鈴木智之/写真:渡邉健雄)

福岡バディFCが実践する
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(グループG、1次ラウンド第3節。レノファ山口(オレンジ) vs バディFC(白))

「チーム全体で攻守に連動することがうまくできました」(村上氏)

試合は開始1分、バディFCが左サイドの高い位置でボールを奪うと、中央へグラウンダーのクロスを送る。それを中宮晃明選手が蹴り込んで先制すると、2点目も右サイドの高い位置でボールを奪取してチャンスを作り、中宮選手がゴールを決めて、リードを広げた。

試合後、村上コーチが「立ち上がりからプレスがはまって、すぐに得点が奪えたので良かった」と振り返ったとおり、狙った形からの得点は鮮やかだった。


(2得点を決めたバディFCの中宮晃明選手(5番))

「チームのスタイルは全員攻撃、全員守備。そこは徹底しています。能力の高い選手が少ないので、連動の速さが重要です。チーム全体でどう攻守に連動するか。一人が動いたら、全員が動く。前半はその部分が出たと思います」(村上コーチ)

以前、COACH UNITED ACADEMYで取り上げた、『高い位置でボールを奪って攻める』プレーが頻出したが、村上コーチは「狙っていたところが出せた」と手応えを口にする。

「前線からプレスに行くことがポイントで、うちがプレスを緩めた瞬間に、ピッチの幅を使われたり、展開されると厳しくなります。相手に長いボールを蹴られると、こちらは長い距離を走らなければいけません。そうなると、足が速い子や能力の高い子がいるチームが有利になってしまいますから」

さらには「うちにはそこまで速い子もいないので、いかにコンパクトにして、細かいダッシュを繰り返すか。アジリティで勝負しています」と話した。

試合を通じて、前線の選手が狙いを絞ってプレスをかけ、周囲が連動してボールを奪うプレーは見事だった。

普段から積み重ねている「狙い通りに相手を追い込む守備」を発揮

過去のCOACH UNITED ACADEMY動画では「1人目がパスコースを限定し、2人目がインターセプトを狙う」というプレーの習得を、2対2+GKや3対3のトレーニングを通じて行っていた。

その中で村上コーチは「守備の目的は狙い通りに相手を追い込み、ボールを奪うこと。1人目のDFが抜かれると、2対1の数的不利になってしまう。まずは抜かれないように、パスコースを限定しよう」とコーチングしていたが、U-12選手権では、高い強度の中でそれらを発揮していた。

ちなみに、動画では「相手をどう追い込んで、どこでボールを奪うかのイメージを持とう。鬼ごっこと一緒で、相手の動き出しが先だとやられてしまう。相手の行く先を塞ぐようにポジションをとることで、追い込めるようになる」などのアドバイスを送っていたので、興味のある方は見てみてほしい。

レノファ山口との試合後、村上コーチは「これまでの最高成績がベスト16なので、ベスト8以上を目標にしていました。グループリーグ1位で突破できたのは考えられません」と驚いていたが、1位通過も納得の戦いだった。


(レノファ山口との試合後にインタビューを受ける村上コーチ)

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