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ボールの持ち方で変わる!ボールを繋ぐ為に必要な「味方がサポートに入る時間とパスコース」を作る練習法

公開:2022年1月20日 更新:2022年10月17日

「サッカー指導者のためのオンラインセミナー『COACH UNITED ACADEMY』」では、U-8やU-10など、サッカーと出会ったばかりの子どもたちを指導する際の参考になるトレーニング動画を多数配信中だ。

U-8、U-10などの子どもたちを指導するときのポイントが「プレー機会を増やすこと」。その意味で少人数かつ、狭いコートで行うフットサルは効果的だ。

そこで前回から、日本サッカー協会のフットサルテクニカルダイレクターを務める、ボンフィンFC豊島コーチ兼GMの小西鉄平コーチに登場してもらった。

テーマは「フットサルの技術を使って、グループ戦術を高めるトレーニング」。動画3、4では「ボールを繋ぐための時間を作るプレーを学ぶ練習法」「パスコースを作るためのドリブルと味方のサポート」のトレーニングをお届けしたい。(文・鈴木智之)

(※COACH UNITEDからの転載記事になります)

この内容を動画で詳しく見る

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早いパス交換だけが正解ではない!時間を作り出すドリブル

動画3のトレーニングは「2対1」。3人1組を作り、そのうちの1人が守備者となる。フットサルコート全面を使ってプレーしながら、攻撃側は守備者にボールを奪われないように、2人で協力してプレーする。複数のグループが同時に行うので、周囲を見ながら、他の選手とぶつからないように気をつけたい。

このトレーニングで意識したいのが、「サポートの質」「パスのタイミング」「ドリブルで時間を作る」「コートの内側を向いてプレーすること」。

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動画2のドリブル鬼ごっこで「コートの内側を向いてプレーすること」を意識付けさせたが、ボールを使ったトレーニングでも、同じように行う。

小西コーチは「試合中もたくさんの人がいる中でプレーするので、ぶつからないように心がけよう」と話し、子どもたちのプレーとシンクロしながら「コートを広く使って」「周りを見て」「全面を使おう」などの声をかけていく。

さらには「ボールを奪われた後の守備への切り替え」にも言及。「ボールを奪われた後は、すぐに守備に入ろう」とコーチングしていた。

続いては、プレーを止めて「起きがちな現象」について解説。「ボールを持っている選手が、味方が良い準備ができていない状態でパスを出してしまうことがある」と話し、攻めている方向を仮定して、どのような体の向きを作ればいいかを実演していく。

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「味方が良い体の向きを作るまで、ボール保持者はドリブルをして時間を作ってほしい。もし相手がボールを奪いに来たら、ドリブルを使って時間を作り、なるべく内側を向いて、味方が良い準備ができたらパスをしよう」

小西コーチは、子どもたちのプレーとシンクロしながら「内側を見る癖をつけよう」「周りを見て」「受け手と出し手のタイミングが合うようにプレーしてみよう」とアドバイスを送っていく。

小西コーチの説明のトーンやスピード、言葉選びなどは、非常にシンプルで明快だ。子どもたちにわかりやすいものになっているので、ぜひ動画で確認してほしい。

数的優位を作るボールの持ち方とパスコースを作るドリブル

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動画4つ目のテーマは「パスコースを作るためのドリブルと味方のサポート」。「1対1+フリーマン」のトレーニングを行い、ドリブルをするのか、パスを出すのかといった判断と技術を高めていく。

設定としては、縦長のグリッドで1対1を実施。互いの背後にあるゴールラインをドリブルで通過すれば勝ちとなる。

攻撃側は前方にいるフリーマンを活用することができるので、ドリブルで1対1をしながら、前方のフリーマンにパスを出し、リターンパスを受けてドリブルで前進してゴールするというプレーができる。(フリーマンはマーカーで区切られたゾーン内でのみ、動いてサポートすることが可能)。

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ここで小西コーチが実演したのが、「サイドラインに追い込まれたときのプレー選択」。ボール保持者は前にいるフリーマンにパスを出したいが、サポートが間に合っていない。

このとき、動画3のトレーニングで行ったようにボールをキープし、味方がサポートの位置に入る時間を作ることを奨励。さらに、こう続ける。

「いつも内側を見て、顔を上げておけば2対1になる。でも相手の寄せが速く、サポートの選手と重なってしまうと1対1だよね。そこで、2対1にする方法が2つあります」

1つは、ボール保持者がドリブルをして、相手を外してパスコースを作り出すこと。もう1つはサポート役のフリーマンが、パスを受けられる位置に素早く移動することだ。

「この2つがちゃんとできるように、顔を上げて、1対1ではなく2対1としてプレーしよう」

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さらには、子どもたちに「サポートするフリーマンが、どのタイミングで声をかければいいかを考えてみよう」と話し「(ボール保持者が)顔を上げた瞬間やドリブルで相手をはがして、パスコースができた瞬間に声をかけよう」などのアドバイスを送っていた。

動画3、4ともに「味方の状況を観てプレーを選択する」という判断に働きかけるとともに、技術を向上させるトレーニングになっている。シンプルな設定の中で、どこに対してコーチングするのか。小西コーチの言葉がけに注目しながら、見ていただければと思う。

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この内容を動画で詳しく見る

【講師】小西鉄平/
クーバーコーチング、Jフロンテッジフットボールスクール、東急Sレイエスなど育成年代の指導を経てミャンマー女子フットサル代表監督として東南アジアオリンピックに出場、その後日本フットサルリーグ(Fリーグ)のU23選抜監督などのトップカテゴリーの指導者としてのキャリアを積む。
同時に株式会社ボンフィンのGM兼コーチとしてフットサルの普及や育成年代の指導を再開。また2008年より日本サッカー協会のフットサルインストラクター、2010年よりアジアサッカー連盟のエリートフットサルインストラクターとして日本、アジア全土で指導者養成を担当。
2015年からは日本サッカー協会フットサルテクニカルダイレクターとして日本代表チーム強化、育成、指導者養成、普及の4つのエリアの発展のため日々奮闘中。また2020年よりボンフィンFC豊島1年生担当コーチとしてジュニアユース世代の指導にも携わる。

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