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小学生から学べる!レアル・マドリ―の守備を破壊したバルサの "マークを外す動き"

公開:2015年11月23日 更新:2020年3月24日

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世界中が注目する一戦、レアル・マドリー対バルセロナの“エル・クラシコ”が22日に行われ、アウェイのバルセロナが4対0で完勝しました。果たして、なぜこれほどまでに一方的な展開になってしまったのでしょうか? スペイン・バルセロナを拠点に世界中のクラブ、選手を指導する「サッカーサービス」のフリアンコーチに分析してもらいました。勝負を決したポイントは、サッカーサービスが監修するDVD「知のサッカー第2巻」で指導する“マークを外す動き”にありました。(取材・文 鈴木智之)
 
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photo by Getty Images
 

■前線からの激しいプレスをかわされたレアル・マドリ―

試合はアウェイのバルセロナが4対0でバルセロナに勝利しました。結果から見てもわかるとおり、バルサがコントロールした試合だったと言えるでしょう。こういった大味な結果になると、スペインメディアは一般的な傾向として、“レアルがすごく悪かった”と報道しがちですが、個人的にはレアルがそこまで悪かったわけではなく、むしろ“バルサが優れていた”のだと思います。
 
ゲームプランとして、ホームのレアル・マドリーは、前線の4人(ベンゼマ、C・ロナウド、ハメス・ロドリゲス、ベイル)を中心に、バルセロナの最終ラインがボールを持ったときに、激しくプレスにを掛けました。しかし、前線と中盤、そして最終ラインが間延びしてしまい、プレスが掛からないどころか、結果として中盤に広大なスペースを作ってしまいました。そこをバルセロナに使われ、攻め込まれる場面も多く見られました。
 

■守備には大きく分けて3つの方法がある

では、なぜレアルのプレスがうまくかからなかったのでしょうか? その理由はずばり、スアレスとネイマールの存在にあります。ディテールを説明する前に、守備の原則を紹介しましょう。守備には3つのパターンがあります。1つが前線からのプレス。2つ目が中盤で守備のブロックを作って守る方法。3つ目が最終ラインを深く保ち、自陣に引いて守る方法です。
 
クラシコのレアル・マドリーは1を選択し、日本代表が格下のシンガポールを相手にスコアレスドローで終えたW杯アジア二次予選の初戦では、シンガポールが3を選択しました。どの守備パターンを選択するにしても、重要なのは“選手間の距離をコンパクトに保つこと”です。このクラシコでレアル・マドリ―は、1の前線からプレスを掛けるという守備プランを採用していましたが、前線と中盤、最終ラインが連動する守備があまりできていませんでした。
 
たとえばベイルが前からプレスを掛けているのに中盤の選手が連動していないので、結果としてスペースができてしまう……といったように。この場合、ベイルがプレスをかけに行ったならば、中盤の選手が連動して前に出て、スペースを埋めなければいけません。バルセロナを相手にスペースを与えることはピンチを意味します。バルセロナは、プレスをかいくぐる技術と個人戦術、グループ戦術を備えているチームです。彼らはレアル・マドリーの連携の不具合を確実に突き、試合を支配しました。
 

■レアルの守備を機能不全に陥れたスアレスのマークを外す動き

そして、レアル・マドリーの守備を機能不全に陥らせたのが、スアレスとネイマールの動きにあります。まずスアレスですが、彼はレアル・マドリーの最終ラインの裏を狙い、ゴール中央、ゴールの左方向、右方向と3方向へ動き続けていました。バルセロナがボールを保持しているときは、つねにセンターバックのセルヒオ・ラモスやバランの裏のスペースに抜けることを考えて動き、パスが来なかったらオフサイドにならない位置に戻り、さらに方向を変えて裏に飛び出す動きを続けます。また、最終ラインの前でボールを受けることもできるので、レアル・マドリーの守備陣にしてみれば、対応の的を絞りづらい、非常に厄介な選手なのです。
 
レアル・マドリーの前線の選手は前へ、前へと圧力を掛けますが、最終ラインは、スアレスに対処するために意識が前ではなく、自陣ゴール前、つまり後ろに向かっています。前へ行こうとする攻撃陣と、背後を守ろうとする守備陣。そのバランスの悪さが、レアルのプレスがはまらず、中盤にスペースを作ってしまったひとつの要因です。
 

■世界ナンバーワン!ネイマールの“左サイドからのマークを外す動き”

さらに、バルセロナにはスアレスだけではなく、ネイマールもいます。ネイマールの左サイドから相手のマークを外す動きについては、個人的には現時点で世界ナンバーワンだと思います。スアレスがピッチの中央部でセンターバックの注意を引きつけている間に、ネイマールは左サイドのタッチラインいっぱいに開きます。そして、サイドの位置からゴール前へと“斜めの動き”でレアル・マドリーの最終ラインの突破を図ります。クラシコでネイマールが決めた2点目の動きは、マークを外す動きのお手本のようなプレーでした。
 
まず、ネイマールが最初にパスを受けようと動き出したときには、ボールが来ませんでした。そこで、ネイマールはオフサイドにならないように、最終ラインと同じ高さをキープしながら、バックステップを踏んで外側へと開きます。そして、外から中へ入る“斜めの動き”でバランの裏のスペースに進入し、イニエスタからのパスを受けてシュートを打ちました。バランはボールに意識を傾けていたので、ネイマールがどこへ動くのか、わからなかったと思います。これはネイマールの特徴である“マークを外す動き”が現れたシーンでした。
 
次ページ:右ウイング、セルジ・ロベルトの守備面での貢献

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取材・文 鈴木智之

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