元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はスポーツ栄養WATSONIAの代表としてプロスポーツ選手から企業まで広く栄養サポートをしている管理栄養士、川端理香さんに食事の大切さを教えていただきます。
これまで、どうして朝食をたべないといけないのか、木綿と絹豆腐のどちらが身体を大きくするのに効果的か、お魚の脂で血液がサラサラになり持久力もアップするお話など、お子さんの身体を大きくすることや力を引き出す食事について教えていただきました。
前回は、料理の味付けに欠かせない調味料が、じつは使い方次第でサッカーのパフォーマンスにも影響が出てくることをお伝えしました。後編ではJリーガーも実際にやっている調味料の選び方などをご紹介しますので、ぜひみなさんも実践してみてください。
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■ノンオイルの方が栄養吸収率が悪い?
さて調味料の後半は、まずはドレッシングについてお話ししたいと思います。
ドレッシングをノンオイルにしているご家庭もあるかと思いますが、意外にノンオイルドレッシングはお薦めできないこともあります。
理由の一つ目が脂溶性ビタミンの吸収です。ドレッシングをかけるサラダには、葉野菜だけでなく、トマトや人参、かぼちゃなどの緑黄色野菜などを使うことも多いでしょう。これらはカロチンやビタミンEなどの脂溶性ビタミンが豊富です。
脂溶性ビタミンは字のとおり、脂に溶けるビタミンなので、脂質と一緒にとることで吸収があがるのです。ですから、脂質を含まないノンオイルドレッシングよりは、オイルドレッシングの方がビタミンの吸収があがることもあるわけです。
さらにノンオイルドレッシングのデメリットとしては、前編のめんつゆにもでてきた果糖ぶどう糖液糖が使われていたりすることです。脂質は糖質の2倍のエネルギーなのですが、脂質を抑えれば相当な糖を摂取できることは想像できるでしょう。
だからノンオイルドレッシングを選ぶ際には、やはり原材料をしっかりチェックしたいものです。
■「酢」は食欲増進をして疲労回復効果も
ではJリーガーはサラダに何をかけて食べているかといえば、市販のドレッシングではなく、油と塩と酢で食べています。
油は数年前まではオリーブオイルが主体でしたが、ここ最近はオメガ3がとれる亜麻仁油やえごま油を使う選手が多いです。
これらは魚脂と同じ効果があるからです。
塩は、前編で紹介したようにミネラルが多いものを使います。酢に関しては、黒酢にしてアミノ酸を多くとる選手もいれば、バルサミコ酢やりんご酢などを使ってエネルギーを補給しながら食べやすさを求めている選手もいます。
せっかくなので、ここで酢のお話もすると、米酢や穀物酢、果実酢など酢にも種類がありますが、糖質が多くエネルギーが補給しやすいのは果実酢になります。
食欲がない時などに、もしお酢のドリンクを飲む場合は、飲みやすさもありますが果実酢にすれば他の酢よりもエネルギー補給がしやすいのです。
また、よく酢は疲労回復効果が高い調味料と思われていますが、もちろんそれだけでなく、あの酸味をうまく使えば食欲増進作用があります。食事量がおちると疲労がとれにくいことがありますが、そういった場合に使える調味料の一つです。