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JFAグラスルーツ推進部部長が行く!あなたの街のサッカーチーム訪問

ゆるくやるのがいいんです!あざみ野キッカーズが心掛けるサッカーを楽しむコツとは

公開:2016年9月 9日 更新:2016年9月10日

キーワード:JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー制度あざみ野キッカーズエンジョイ

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日本サッカー協会の打ち出したグラスルーツ宣言の三本柱の一つ、「ずっとEnjoy? 引退なし」の賛同パートナーとなった、神奈川県横浜市のあざみ野キッカーズ。1983年から歴史を刻み始めたクラブはいくつかのユニークな試みによって、生涯サッカーを支えようとしています。(取材・文 川端暁彦)
 
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【今回訪問したあざみ野キッカーズは以下の賛同パートナーです】
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<<現役バリバリ71歳!あざみ野キッカーズの國方徳二さんが実践する"ずっとEnjoy"の精神
 

■ゆるくやるのがいい!

日曜日に訪れた横浜市内のあざみ野第二小学校。朝早いというのに、その校庭を使ってあざみ野キッカーズの選手たちは今日も練習に励んでいました。少々お腹の出たおじさんプレーヤーから、往年の栄光を思わせるテクニックを持つ老兵がフラットに、そして何より楽しそうにボールを蹴り合う光景は印象的です。このクラブに「練習」の考え方はないそうで、試合のない土日に集まった場合もひたすらゲームをこなします。この日もメンバーの参加状況を見ながら、ボールを蹴り合っていました。
 
観ていると、途中で疲れて「一時離脱」する選手もいれば、遅れてやって来てそのままゲームに飛び込んでいく選手もいます。少し話を聞いてみると、出欠を確認したりすることもないのだと皆が笑って言います。「ゆるくやるのがいいんです」と強調したのは、メンバーの石橋亮氏。1993年に加入した石橋氏も“ゆるく”続けてきた一人なのだそう。「昔はどうなのかなと思うこともありましたが、いまはガチガチにやらないことが肝心なのだと気付きました。それはこのチームの先輩たちが築いてくれたもの」と言います。
 
チームは地域のリーグ戦に参加する若手チーム、O-40、O-50、O-60の各カテゴリーに分かれて活動しているが、それぞれ追い込んでやっているわけではない。もちろん、いざ試合となれば真剣に戦うが、肩肘張って「結果」を追求してメンバーに多くを求めたり、私生活を犠牲にするようなこともしない。たとえば、「結婚して家庭を持ったばかりの“若手”が参加するのは難しいんです。奥さんに怒られちゃいますから。子どもが大きくなって余裕ができたころに来てくれればいいと思っています」(石橋氏)という懐の深さも、クラブがここまで続いてきた理由だろう。
 
さらに、クラブの生き字引である國方徳二さんは、ちょっと違ったアプローチで活性化を図ってきたことも明かしてくれました。
 
「今から16年前だったかな。ジュニアのコーチを長くやっている登内さんやコーチたちと子どもたちの“お父さん”を誘うようにしたんです。『みんなで一緒にボールを蹴ってみませんか?』とね」
 
もちろん自由参加ですが、次第に参加者が増えて今では各学年の親でチームが作れるほどになってきたという。「地元で新しい友達ができて楽しくやれるようになるんですよ。初心者歓迎というか、ほとんどが当然初心者ですけれど、段々サッカーにのめり込まれていくのを観ていると、こちらも楽しくてね」と笑う國方さんたちは、さらに保護者たちによる“親のカップ戦”も企画。年に1回、6チーム総当たりによって行っています。
 
6チームの編成は人数の少ない1、2年生が合同チームで、残りは学年で1つずつ。これに“親のOBチーム”が加わる形なのだといいます。「OBの親」というのはピンと来ない言い方だが、これは石橋さんが解説してくれました。
 
「1年生でチームを結成すると、6年間やることになりますよね。サッカーが毎週の楽しみになってくる。ところが、子どもの卒業と同時にやれなくなって、喪失感があるわけです。なので、OBのチームが自然とできたんです。いまは青葉区のリーグ戦にも参加するようになりましたよ」
 
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■戦いではなくエンジョイがモットー

あざみ野キッカーズの本家チームはサッカー経験者によって構成されているだけに、「こちらに来るとなると少し敷居が高いというのも分かりますから。そういう(未経験の)人も馴染みやすいチームにしていただいています」(石橋さん)。
「お父さんたちのチームはサッカー素人も多く本家チームに対してすごくリスペクトしてくれるのですが、彼らの実力もぐんぐんあがり現在では好敵手として楽しく対戦させていただいています」(國方さん)。
 
「サッカーをする」となると、ストイックに自分を追い込んで「戦う」イメージになってしまいますが、あざみ野キッカーズの人たちはあくまで「エンジョイ」をモットーとしているのが印象的でした。もちろん、日本には高齢になってもサッカーへ厳しく打ち込む方もいらっしゃいます。それはそれで素晴らしいことですが、一方で皆がそれを続けられるわけでもないでしょう。
 

■かしこまってないから“イイ”

日本サッカー協会の松田グラスルーツ推進部部長は、実際にゲームに混じって一緒にボールを蹴り合った上で、今回の訪問をこう総括します。
 
「皆さん自分のペースでやられていて、行きも帰りもそれぞれの都合で三々五々。でも変にかしこまっていないからこそ“イイ”んだと思います。集合時間をきっちり決めて、練習メニューをきびきびこなしてとか、そういう“形”にこだわらないのがいいのだと思います。この場所がアイデンティティーになっている人たちがこれだけ育っている。その事実が僕らに教えてくれるものは大いにあると思います」
 
新興団地に住むサッカー好きが集まって始まったあざみ野キッカーズ。初期メンバーから他界されてしまった方もいますが、その「サッカーを楽しもう」という大前提の志は“後輩”たちに今も受け継がれ、毎週のように楽しくボールを蹴り続ける「居場所」として継続しています。これぞ日本サッカー協会が目指すグラスルーツ推進における一つの理想型と言えるのかもしれません。
 

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■グラスルーツ推進・賛同パートナー制度ってなに?
この制度の目的はJFAが掲げる『JFAグラスルーツ宣言』に賛同し、共に行動していただける団体と仲間になることで、グラスルーツサッカーの環境改善を推進することです。本制度の賛同パートナーになってもらい、その活動の理念や内容が好事例として日本全国に広く伝わり、JFAと同様の考え方で進められている活動であるという理解が深まることを期待しています。また、さまざまな好事例を多くの方々と共有することで、全国により良い環境が広がるきっかけになればと思っています。ぜひ賛同パートナーとなり、グラスルーツサッカーの環境改善にご協力下さい。
 
■グラスルーツ推進・賛同パートナー制度に申請する2つのメリット
1.あなたの団体・チームの宣言・活動内容等がJFA.jpに掲載されます。
2.松田部長とサカイク編集部が取材に伺うかもしれません。
 
■3つのテーマ
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今回取材したあざみ野キッカーズは、『ずっとEnjoy!』『みんなPlay!』の賛同パートナーです。
 
■こんな活動をしていると認定してくれる
 
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学校卒業、就職、転勤等、人生の節目で「引退」して終わるのではなく、サッカーをやりたい人は、どこにいても気軽にサッカーが継続できるように、子どもからお年寄りまで、生涯にわたってサッカーやスポーツを楽しめる場づくりに取り組む団体(※)を認定します。
 
※指導方法や選手への意識づけという面だけでなく、実際に切れ目なく定期的・継続的にプレーする場を提供している、または今後提供を予定している団体
 
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『補欠ゼロ』には、「上手い・下手関係なく、その人のレベルに応じて必ず試合を楽しめるようにしたい」という思いが込められています。レギュレーションによって全員が試合に出られないこともあります。しかし、その試合に出られなくても他の試合でしっかりと出られるようにする等、万年補欠でサッカーを終えることなく、みんなが心からサッカーを楽しむことができるように取り組む団体を認定します。
 
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サッカーはみんなのもの。障がいを持つ人も安心してサッカーを楽しめるようになれば、豊かな社会の実現の一助となるでしょう。そのためには、多くの人達が障がいのことを理解し、どうすればみんなが楽しめようになれるかを考え行動することが必要です。「障がいの有る無しに関わらず、サッカーやスポーツを通じて、安心して個性が発揮できる場づくりに取り組む団体を認定します。
 
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取材・文 川端暁彦

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