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考える力

あなたは大丈夫? 親は子どもの行動を誤解している

公開:2014年10月 3日 更新:2014年10月 7日

キーワード:コミュニケーションメンタル

「決定機でシュートを外してしまった息子に、どんな声をかけたらいいの?」
「夕方の練習。気温が下がってきたから上着を持っていったら怒る息子。なんで?」
「最近サッカーに行きたがらない息子。なんで?」
 
などなど、「こんなとき、どうしたらいい?」は子育てにつきもの。そんなお父さんお母さんの悩みにしつもんメンタルトレーナーの藤代圭一さんがお答えするワークショップが、10月22日(水)に開催します。
 
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それに先立ち、子どもとの接し方の具体的な悩みや戸惑いについて、小学2年生の息子を持つママライターが、しつもんメンタルトレーナーの藤代圭一さんに取材にかこつけて子育て悩み相談をしてきました。第1回目は、子どものことがわからないという、ざっくりとした悩みについて。簡単なことなのに、息子に対する日ごろの接し方ががらりと変わりました。(取材・文/小林博子 写真/田川秀之)
 
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■子どもの気持ちを知った気でいたわたし

「今日のサッカーは楽しかった?」と聞くと、「別に」。「今日の給食はどんなメニューだったの」には「献立表を見て」と答えるようになった息子。現在小学2年生。思春期というにはまだまだとはいえ、もう立派な「男の子」になりました。たくましく成長してくれて嬉しいものの、こんな会話が多くなるのは寂しいものですね。最近は、息子の行動や考えていることに「なぜ?」と思うことが多くなりました。たとえば、サッカーの試合の合間に「寒いからピステを着なさい」と言っても絶対に着なかったり、話しかけるのを嫌がったり。くじけずに辛抱強く聞きつづけると、母であるわたしの想定とはかけ離れた理由があったりして、びっくりすることも多いのです。
 
「いろいろ聞いても、子どもが話をしてくれないことが多くなってきた」
「なにを考えているのかわからないし、教えてくれない」
 
そんな悩みを、しつもんメンタルトレーニングの藤代コーチに相談してみたところ、対策法や考え方を教えてくれました。どのアドバイスも「なるほど」と納得。それも、さっそく今日から実践できることばかりです。
 
 

■子どもを“見る”より“知る”に焦点をあてること

「まずは子どものことを“見る”のではなく、“知る”ことがなにより大切です」とアドバイスしてくれた藤代さん。いつもしっかり見ているつもりだったけれど、確かに「子どものことをちゃんと知っているか」と聞かれればわからないことばかりです。藤代さんはこう続けます。
 
「子どもとの関わり合いの中で“見る”と“知る”はどう違うのかを、サッカーを例にとって考えると、たとえば子どもがスルーパスで抜け出し、ゴールキーパーと1対1になったときに打ったシュートを枠から外してしまったという場面。その試合を見ていた親は、試合後『ああいうときはキーパーをちゃんと見て、コースを狙うんだよ』と声をかけるかもしれません。親としてはちゃんと見ていたうえでのアドバイスですよね。しかし、見ていただけでは、子どもがシュートをはずしてしまった本当の理由を知れているとは限りません。そこで、まずは『あのときはどうしたの?』としつもんしてみましょう。『じつは、最初のコントロールに失敗したらドキドキして…顔を上げたら目の前にキーパーがいて、シュートを打たなきゃと思っているうちにタイミングを逃して、うまくシュートできなかったんだ』という答えが返ってきたらどうでしょう」
 
この場合、見ていただけの場合と子どもから理由を聞いた場合の、それ以降の対処の仕方がまったく違うのがわかると思います。次の試合で同じ失敗をしないためのアドバイスは、前者だとシュート練習をすることですが、後者はボールコントロールの練習になるでしょう。“見る”と“知る”では、例ひとつとっても大きく違うことがわかっていただけるかと思います。
 
フィンランドは、福祉だけでなく子どもへの教育もとても充実している国だそう。それゆえ教師のレベルも高く、
子育てにおいて参考になる部分がたくさんあります。中でも特筆すべきは、フィンランドの教師が「子どもたちを知る」ことを大切にしているということ。生徒一人ひとりが、なにが好きでどんなことに興味を持っているのか、どういう環境だと集中できるのかといったことを教師は知るように努めます。当然のことながら、子どもたちの個性は十人十色。集中できる環境ひとつにとっても、机に座るよりもソファーでリラックスして座っていたほうがいい子や、立って勉強したほうが集中できるという子もいます。そんなことから、フィンランドの小学校では、授業中に全員が机に座っているわけではないのだそうです。日本では怒られてしまうような行動ですが、子どもたちのことを知っているからこそ、それが悪いことではないことはわかりますよね。
 
では、どうすれば子どものことをしっかり知ることができるのでしょう。そのツールがまさに「しつもん」です。
子どもたちのことを見て判断するのでなく、「どうしたの?」と聞いて、本当の理由を聞き出しましょう。
 
なんだか当たり前のことのように感じるかもしれませんが、私たち親は案外、見ているだけでわかっている気持ちになっていることが多いもの。私は藤代さんからのアドバイスを受けた後、なるべく息子に理由を聞くように努めてみました。結果、たった数日だけでもそれまで知らなかったわが子の考え方や性格を発見することができ、新鮮な気持ちになりました。藤代さんのセミナーに参加する親御さんの感想で一番多いのは「子どもってじつはちゃんと考えているんですね」ということらしいのですが、まさにその一言に尽きました。
 
藤代圭一さん
 

■しつもんで留意すべきは『時間』と『環境』

知ることや聞くことが大切とはいえ、うちの息子はとても無口。冒頭に書いたように「別に」「忘れた」という答えが返ってくることもしばしばです。男の子は本来そういうものと半ばあきらめていた私ですが、しつもんに答えない理由もちゃんとあることがわかりました。
 
藤代さんのセミナーでは、答えを「まずは紙に書く」というトレーニングを行うそう。しつもんに対してすぐに答えることができなくても、紙に書いて考えを整理するだけで、自分の思いを伝えやすくなります。藤代さんはこんな例を出してくれました。「これは子どもに限らず大人も同じで、たとえばセミナーの終了間際に『なにか質問はありますか』と投げかけても、その場では手が挙がらないことが多いものです。ところが、質問を紙に書いてもらうスタイルにすると全員がなにかしら質問をするようになります」
 
子どもが親からの問いかけに対してしっかり答えないことがあるのは、「わからない、うまく表現できない」という理由ではなく、頭の中や心の中にあることがすぐに整理できないから。その対策として「書く」ことがいいトレーニングになるとのこと。聞き方を変えるというよりは、気持ちを整理する時間を与えてあげることが、「別に」対策として効果的です。
 
もちろん、前回の連載企画(『「子どもに答えてもらえない」は、しつもんのタイミングで改善する』)でも記載されているようにしつもんのタイミングも重要。息子が「忘れた」と答えるのは、たしかに真剣にテレビを観ているときが多いです。なにかに集中しているときにはなるべく話しかけず、いいタイミングでしつもんを投げかけましょう。
 
私たち親がしつもんするときに子どもに与えてあげるべきは、「気持ちを整理する時間」と「しつもんする環境」。その2つが整えば、「別に」「忘れた」という寂しい答えを回避できるはずです。
 

■普段の関わりの中から、その子が大切にしていることを知る

このようにして、子どものことを本当の意味で“知る”ようになると、子どもが大切にしていることがわかるようになります。
 
たとえばわが子の場合、「サッカーの練習に少し遅れただけでかなり不機嫌になる」「寒いのにピステを着ない」などの理由がわからない行動がありました。恥ずかしがり屋で頑固な性格が理由だと思っていたのですが、じっくり子どもにしつもんすることで、その理由もわかるようになりました。また、それらの理由に共通すること、つまり本人が大切にしていることはなんなのかがわかると、次に発生する問題にどのように対処するべきかわかりやすくなった気がします。ちなみに、息子が大切にしていることは、「ひとりだけ注目されるのが嫌」「友達と同じがいい」ということ。要は恥ずかしがり屋なわけですが、しっかりその理由を聞くことで、本人の気持ちを尊重してあげることの大切さにも気づくことができました。
 
そんなこんなで親であるわたしのほんの少しの心がけの変化だけで、わが家の子育ての悩みがかなり解決! 「しつもん」の実力をすでに実感中です。次回はさらに1歩進んだ「しつもん」を使ったコミュニケーション法をご紹介します。
 
「宿題やったの?」はNG! 子どもが自ら宿題を始めるしつもん術>>
 
あなたも藤代圭一さんに子育ての悩みを相談してみませんか?
 
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■開催日時
10月22日(水)20:00~22:00
 
■開催場所
ボンフィン落合南長崎
東京都豊島区南長崎4-5-20 iTerrace 4F
 
<アクセス>
大江戸線「落合南長崎」駅直結 / 西武池袋線東長崎南口より徒歩7分
ショッピングセンターiTerraceの駐車場をご利用頂けます。
※ただし、当ワークショップ参加の場合でも割引制度がございません。他テナントの割引制度をご利用下さい。
 
■参加料金
2,000円
※当日受付にてお支払いください
 
お申込みはコチラ>>
 
■お問い合わせ
サカイクワークショップ事務局
MAIL:info@sakaiku.jp
TEL:03-5210-1221(営業時間:平日10:00~19:00)
 
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取材・文/小林博子 写真/田川秀之

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