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世界最強クラブ・FCバルセロナに学ぶ!引いて守る相手をくずす3つのコツ

2015年12月20日

キーワード:FCバルセロナイニエスタクラブワールドカップピケブスケッツマスチェラーノラキティッチ

いよいよ本日19:30~、クラブワールドカップの決勝戦、FCバルセロナ対リバープレートが行われます。それに先立ち、スペインのバルセロナを拠点に選手・チームの指導を行う「サッカーサービス」のフリアンコーチに、FCバルセロナの強さの秘密を解説してもらいました。バルサの選手が実行する"ジュニア年代から身につけたい個人戦術"とは、いったいどのようなものなのでしょうか? 
 
実力的には格下の相手なのになかなかゴーを決めることができず、カウンターから失点してしまう。ずっと攻めていたのになんで......。そんなケースは少年サッカーでも多く目にします。今回は、そんな引いた相手に攻めあぐねてしまうときに有効な3つの手段をご紹介します。(取材・文 鈴木智之)
 
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写真 Getty images
 
<<小学生から実践できる!スアレスがゴールを量産できる3つの理由
 
 

■引いた相手をくずすコツ!バルセロナのCBが実践する“運ぶドリブル”とは

17日に行われたクラブワールドカップ準決勝、FCバルセロナ対広州恒大の試合を分析しましたが、この試合は攻守に渡ってバルセロナが主導権を握っていました。スコア自体も3対0と、バルサにとって簡単な試合だったと言えるでしょう。アジア王者の広州恒大も決して弱いチームではありません。しかし、バルサは75%のボール支配率で試合を進め、GKのクラウディオ・ブラボが防いだシュートは1本だけでした。
 
広州恒大はバルセロナの攻撃力を恐れて、全体的に自陣に下がり、守備的な戦い方を挑みました。バルセロナの攻撃の起点・ブスケッツにはトップ下のリカルド・グラールをつけ、前方へパスを出させない作戦を採用していました。そして、DFラインと中盤のラインを狭くし、バイタルエリアのスペースを消し、ゴール前を固めてきました。「引いた相手をどうやって崩すか」。これは日本代表のアジア2次予選にも通じるものがありますが、バルセロナは個人戦術とチーム戦術を融合させた見事なプレーで、広州恒大の戦術を無力化しました。
 
1つ目のポイントがコンドゥクシオンというプレーです。これはスペインのサッカー用語で、日本語にすると“運ぶドリブル”となります。バルサの最終ラインがボールを持ったとき、広州恒大はワントップのエウケソンがセンターバックのピケとマスチェラーノにプレスをかけました。そして、トップ下のリカルド・グラールはボールの収まりどころである、ブスケッツの近くにポジションをとります。
 
このとき、バルセロナの最終ラインはピケとマスチェラーノの2人に対し、広州恒大はエウケソン1人。つまり、バルサの方が2対1で数的優位になります。そこで、バルサのセンターバックは、ボールを持ったときにドリブルを仕掛けてボールを前に運びエウケソンを引き寄せておき、フリーになっているもうひとりのセンターバックにパスを出す場面が見られました。フリーでパスを受けたピケもしくはマスチェラーノは、同じように前方へドリブルでボールを運びます。そしてパスを出すのですが、ここで重要なことがあります。それが「パスの優先順位」です。
 
最終ラインの選手がボールを持ったとき、もっとも良いパスの選択肢はどこに出すことでしょうか? それは「相手ゴールに、一番近い場所にいる選手に出すこと」です。バルセロナの場合はワントップのスアレスです。彼にパスが通れば、一気にゴール前にボールを運び、シュートに持ち込むことができます。まずスアレスに出すことを考え、相手のマークの状況から考えて、奪われる可能性があるのであれば、トップ下のイニエスタやラキティッチに出すというように、相手ゴールから逆算して、自陣へと選択肢が降りてきます。
 

■“現代最高のボランチ”ブスケッツのパスのタイミングと出しどころに注目!

パスの優先順位を見極め、最適な選手にパスを出す能力が高いのが、川崎フロンターレの中村憲剛選手が“現代最高のボランチ”と称するブスケッツです。バルセロナは広州恒大の守備を崩すために、ピッチの右から左、左から右へと横断する横パスを多用していました。そして、広州の守備をスライドさせ、スペースができたときに縦パスを入れます。ブスケッツはその判断が抜群に上手い選手です。
 
一般的にバルセロナのサッカーは「パスサッカー」と表現されることが多いですが、パスだけでは相手を崩すことはできません。「コンドゥクシオン(運ぶドリブル)」をして、相手選手を引きつけておいて、味方がプレーしやすい状態になってからパスを出す。それがバルセロナの攻撃のベースとなる考え方です。
 
これが得意なのがイニエスタです。広州恒大戦では、ドリブルでボールを前に運び、左サイドのジョルディ・アルバが有利な状況になるまで待って、相手を引きつけておいてパスを出していました。コンドゥクシオンからのパスは13、4歳で身につけるべき個人戦術で、サッカーサービスのスクールやキャンプでも取り組んでいます。ジュニア年代で「いつドリブルをするのか」「いつパスを出すのか」という個人戦術は、ぜひ身につけておきたい部分であり、イニエスタはそのお手本になる選手です。
 
バルセロナは自陣に引いて守る広州恒大に対し、最終ラインのピケとマスチェラーノがドリブルで前にボールを運び、広州恒大の前線の選手をおびき寄せておいて、中盤にできたスペースを使ってパスをつないでいました。そうして相手を揺さぶり、左右にボールを動かして、ピッチ中央部にスペースが空いた瞬間を見逃さず、縦パスを入れて相手ゴールに迫っていました。
 
次ページ:積極的なミドルシュートが強固な相手ディフェンスをくずす
 

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