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こころ

1人の代表選手より100人のサッカー好きを育てたい(横須賀シーガルズFC女子チーム)

2011年12月 6日

キーワード:なでしこ指導者育成

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前回、女子育成の現状についてお伺いした横須賀シーガルズ女子チーム監督の亀田勝昭さんに女子の指導で気をつけること、指導理念などについてお話を聞いてみました。
女子ワールドカップ優勝メンバーである大野忍選手、近賀ゆかり選手、矢野喬子選手など代表選手も輩出しているチームですが、印象的だったのは「重要なのは、試合に勝つことではなく、選手を育てること」という言葉でした。
 
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■女子選手の指導で気をつけなければならないこと

――女子選手を指導するうえで、指導者が意識しなければならないことがあったら教えてください。
 
女子の場合は、体に触れて指導する必要のあるときは、事前に本人の同意を得るようにしてください。また、男子よりも練習中のおしゃべりが多いようです。とくにシーガルズのようなクラブチームでは、普段は違う学校に通っている子どもが多いので、久しぶりに会った者同士で話が弾むことも多いようです。ついつい、おしゃべりに夢中になって、指導者の話を聞き逃し、結局大事なことが理解できていなかったということもありますね。
 
――シーガルズでは、どのような選手の育成を目指しているのですか?
 
自分自身の判断でプレーをすることのできる選手を育てることを念頭に置いて指導しています。サッカーのプレーに絶対はありません。これひとつもありません。必ず選択肢があります。選手が自分で考え、自分で判断をすることが大切です。
判断力は、視野の広さによってほぼ決まります。周りが見えているからこそ選択肢は増えるものです。常に顔をあげて、首を振り周囲を見ることがクセになるまで教え込んでいます。
 
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■選手自身の判断力を磨くためにも基本技術の習得はおろそかにしない

――顔をあげてプレーをするには、足元のボールに集中しないですむだけの技術的な自信がなければできませんよね。
 
そのためには基本技術の習得が不可欠と考え、シーガルズでは徹底して指導しています。
育成の指導には発育の段階に応じた手順があります。たとえばショートパスも満足にできない子どもに、いきなりミドルやロングパスをさせようとしても無理なことです。はじめは短い距離を正確に、それが身についてきたら、徐々に距離を伸ばせばよいのです。同じように、パスの練習でもフリーの状態でのプレーがしっかりとできるようになってから、敵に妨害されながらのプレーをする必要があります。こうした基礎は、丁寧に正確にできるようになるまで何度も繰り返して教えていますが、その応用動作については、手取り足取り教えるのではなく、ヒントだけを与えて、選手自身に考えさせています。
 
――練習だけではなく、試合のときにも選手自身の判断に任せるということですね。
 
そうですね。重要なのは、試合に勝つことではなく、選手を育てるということです。勝つことを目的として、指導者の言うとおりに選手が動いていたら判断力は身につきませんし、いつも主力となる同じメンバーだけが試合に出場できるということになれば、控えの選手はいつまでたっても力をつけることはできません。すべての選手が平等に出場機会を与えられるべきなのです。指導者が勝つことにこだわりすぎて、育成カリキュラムから逸脱した指導をしてしまうことは、育成という観点からはマイナスの要素しか考えられません。
 
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――では最後に、サッカー少女のいるご家庭にアドバイスをお願いします。
 
先にも言いましたが、サッカーの指導育成でもっとも大切なことは、発育段階に応じ必要な技術を体にしみこむまで繰り返すことと、自分で考え、自分で判断する習慣を身につけることです。そのためには何から何までを教えるのではなく、ヒントを与え、あとは出来るようになるまで辛抱強く我慢して待つことが必要です。この考えを保護者も共有して、サッカーの指導は指導者に任せてください。
そして家庭では、食事や睡眠時間を正して子どもの生活のリズムを作ってあげてください。「おはようございます」などの挨拶や、「ありがとうございます」を言えるようになること、約束の時間を守れるようになること。これらは指導者任せにするべきことではありません。家庭で保護者がしつけなければならない、親としてのもっとも大切な心構えだと思います。
 
 
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女子チーム監督:亀田勝昭さん
 

NPO法人 横須賀シーガルズ・スポーツクラブ

神奈川県横須賀市で活動をする総合型のスポーツクラブ。1977年設立のスポーツ少年団を母体に、女子チームは1982年に発足した。「1人の代表選手を育てるより100人のサッカー好きを育てたい」との趣旨で活動をし、現在は、少女(小学生)、U-15(中学生)、U-18(高校生)、レディース(社会人)、婦人(ママさん)のカテゴリーを有し、総勢110名の女子選手を抱える。
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取材・文・写真:山本浩之

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