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お家でできるラダートレーニング!タニラダーで速くなろう

すぐにできる!足のつき方を変えるだけでスピードアップする方法

公開:2020年4月27日 更新:2020年5月 8日

キーワード:アジリティスピードアップタニラダーラダートレーニング自主練谷真一郎足が速くなる

1人でかつ短時間で、省スペースでできるサッカーの動きの改善トレーニングとして、ジュニアからプロ選手まで、のべ2万人以上が実践した『タニラダーメソッド』。新型コロナウイルスの影響で、チーム活動ができないこの時期にぜひオススメしたいタニラダーについて、第3回目の記事をお届けします。

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■走るパワーの源は"地面反力"

前回の記事で"地面反力"という言葉が出てきました。これは、スピードアップや素早い方向転換、ターンをするときに欠かすことができないものです。谷さんが説明します。

「地面反力とは、地面を押して返ってくる力のことを言います。速く走るため、素早く動き出すためには、地面からの力を受け止めて、動くためのエネルギーに変えることがポイントです」

タニラダー

地面からたくさんのパワーを受け止めることができれば、速く走ることができる。これは雨の日のグラウンドをイメージすると、わかりやすいかもしれません。地面がぬかるんでいると、足をついたときにズルっと滑ってしまいます。これでは、地面からエネルギーを受け取ることができません。

「地面反力を得るためには、足のつき方がポイントになります。まずは、地面からもっともエネルギーを得ることのできる、足幅を探してみてください。目安は肩幅に足を開くこと。足幅がそれ以上広がったり、狭くなったりすると、地面から得られる力が弱くなってしまいます」

実際に谷さんがセンサーをつけて実験したところ、足幅の違いによって地面から得られる力に、倍ほどの開きがあったそうです。

タニラダー
適切な足幅(中央)で踏み込むと大きな地面反力を得られる

■ラダー使って最適な足幅を見つけてみよう

「スピードやアジリティ(敏捷性)をアップさせるためには、いかに地面から力をもらい、自分の力に変えられるか。地面からもっとも力を得ることのできる足幅を"パワーポジション"というのですが、まずはそれを見つけてください

適切な足幅を見つけるために、ラダーが役に立つそうです。

「ラダーのマスを目印にして、左右にサイドステップを踏んだときに、常にパワーポジションで地面を踏めるように、繰り返し練習してみましょう。ラダーのような目印がないと、パワーポジションができていたとしても、上半身が猫背になって姿勢が悪くなったり、右足と左足とでは違う場所に足をついてしまい、地面反力を最大限に得ることができないといったことが出てきます」

タニラダー繰り返し練習することで自分のパワーポジションを見つける

この動きを、サッカーのプレーに置き換えるとわかりやすいかもしれません。たとえば守備時の1対1で、ボールを持っている攻撃側の選手が、シザースでフェイントをかけたとします。そのフェイントに引っかかり、足を大きく開いてしまうと、相手の次の一歩に対応することができません。なぜなら、足が開いていることで地面反力を得ることができず、次の一歩が素早く出ないからです。

パワーポジションで足をつく際に意識したいのが「足裏のアーチで踏み込むこと」です。アーチとは足裏の拇指球とかかとを結んだ線上にある、土踏まずのことです。これがすべてのステップの基礎になります。

■パワーポジションでケガのリスクも回避できる

また、パワーポジション&足裏アーチでのステップをマスターすると、ケガのリスクも回避できるそうです。

パワーポジションを得るための良い姿勢が、"肩、ひざ、足の裏の拇指球が一直線にあること"です。よくあるのが、速く走ろうとするあまり、気が急いで足が肩よりも前に出てしまうこと。それもラダーを使うことで、防ぐことができます」

taniladder03-03.jpg肩、ひざ、足の裏の拇指球が一直線になった正しい姿勢

正しいステップワークを身につけることは、ケガの予防にもなります。足のつき方は、知識がなければ、意識してやろうとはしないもの。その結果、足を上半身より前でつき、ハムストリングスを痛めたり、足の踏み変えや足裏アーチを使わないターンをすることで、足の指に大きな負担がかかり、骨折をする選手も少なくありません。谷さんは言います。

人工芝グラウンドでプレーする選手は、とくに足のつき方はトレーニングしたほうがいいと思います。よくあるのが、体が外側に流れた状態で無理にターンをして、中足骨に負担がかかって疲労骨折をするケースです。これは、正しい足の踏み変えをマスターすれば防ぐことのできるケガなので、ぜひ子どものころから取り組んで、身につけてほしいと思います」

もちろん、大人になってからトレーニングしても間に合いますが、できれば動きづくりのベースとなるジュニア年代に取り組みたいことです。

「動きの習慣づけを小さい頃からすると、すぐに習得することができます。そのベースを身につけた上で成長していくので、時間も節約でき、伸びしろも増えます。早く良い動きを身につけた上で、筋力などが成長していけば、スピードも積み上がっていきます」

谷さんは、「正しい体の動き、ステップワークを身につけることで、ブレイクスルーできる選手はたくさんいるはず」と言葉に力を込めます。正しい動きを身につけるための手助けをしてくれるラダーを使い、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。きっと、新しい発見があるはずです。

<< 前回:"たったの4マス" だから、最速のスピードを身につけられる!タニラダーの秘密

谷 真一郎コーチ(ヴァンフォーレ甲府・フィットネスダイレクター)

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筑波大学在学中に日本代表に招集され、柏レイソルで1995年までプレー。引退後は筑波大学大学院にてコーチ学を専攻し、その後、20年に渡りJリーグのクラブでフィジカルコーチを務める。500試合以上の指導経験を持ち、2012年にはJ2で24戦無敗のJリーグ記録に貢献。現在はヴァンフォーレ甲府で「フィットネス・ダイレクター」として活動の幅を広げている。

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取材・文/鈴木智之 写真/サカイク編集部

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