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汗の分だけ、成長できる

「反り返るほどの壁を乗り越えて今がある」中村憲剛

公開:2015年6月30日 更新:2015年7月21日

キーワード:ポカリスエット中村憲剛

 

■中央大学サッカー部で感じた反り返るほど大きな壁

――高校でステップアップしていく中で小学生のときに受けた”壁”のようなものはあったのでしょうか。
 
あまりなかったかな。というのは、東京だったから。あまり県外とやらないというのがあって。あのときの衝撃を再び味わうのは……大学に行ってからですね。高校は都内という狭い中でしかやっていなかったし、全国大会も出ていなかったので。大学に行って全国の猛者達が集まったところにいって久々に”おおっ”と思うようなことはあったかなと。高校で受けた倍以上の衝撃。大学のサッカー部は高校でエースクラスじゃないと入れないから。入る大学を間違っちゃったなと思いました。
 
――そこで苦労することはあったのでしょうか。
 
でも、大学は高校ほどコントロールされていなかった。監督だけとかコーチだけとか、4年生が主導で練習をすることもあって。監督とコーチが来ない日もあった。選手でメニューを決めて日もあった。ただ、マネージャーが当時いなかったので。1年生がやっていた。水を用意したり、ビブスを畳んだりとか。だから、試合の時のポカリスエットもそう。1年生は本当にいろいろとやりましたね。部屋の4人分の衣類を洗濯したり、部屋の掃除をしたり。一家のお母さんみたいな感じ(笑)けどそういう経験は今も生きていると思います。
 
――試合での裏方もやっていたと。
 
大学1年のときは飲み物を作っていた。公式戦とか練習試合とか全部。コンビニに1年生同士で買いに行って、領収書を切って、氷を買って……。そのときも粉末はポカリスエットだった記憶がある。お金をかけ過ぎると先輩に怒られるから、わざわざ薄くつくっていた記憶があります (笑)。
 
――そういったいろいろな雑務もする中で練習もやって、上を目指すのですね。リーグ戦でもすごい選手を目の当たりにしたり?
 
でも、自分が入った大学がすごかったから、他の大学との試合ではそんなに衝撃を受けなかった。中大自体も1部にいたので。そのときは残留争いをしていて、自分もAチームにはいたけど、試合には出られなかった。
 
――残留争いというと、4年生で2部に落ちましたよね。そこもかなり大きい壁だったのでは?
 
大きい壁というか、いよいよ壁が反り返っちゃったなと。「もう、上には行けないな」と思った(笑) プロも行けないと思ったし、1部と2部の差というか。J1とJ2ではないけど差がある。全然スカウトも見に来ないし、「終わったな」と。そんなとき(4年)に新しくコーチが来たんです。そのコーチのつながりでフロンターレの練習に行かせてもらいました。だから、出会いの運もありました。
 
 

■サッカーが好きだから、壁を乗り越えられる

――その、反り返った壁である4年生のときはどういう風に取り組もうと思ったのでしょうか。
 
もうとにかく、”1部に戻る”ということだけ。自分の進路とかはもうどうでもいいやと。就活もしていなかったし、4年生の人たちと協力して、チームみんなで頑張って。2部に1年でも残ってしまうとそこからズルズル行ってしまうので、落ちた瞬間に戻らなければいけない。 
 
――中大の歴史の中でも2部にいたのはその時期が唯一ですからね。
 
でも、後輩達に1部昇格の置き土産ができて、自分もJリーガーになれたのでそこは良かったのかもしれない。逆に2部にいなかったら目立たなかったかもしれないですし。
 
――反り返った壁を乗り越えて今があるんですね。最後に聞きたいのですが、多くの壁に当ってきた中で、それを乗り越える原動力となったもの、自身を支えてきたものとは何でしょう。
 
ここでやめてもサッカーからは離れられないなと。だったらやり切るというか。自分がとことんやって、ダメならダメで考えれば良いやと。それで毎日毎日、色々と良かったり悪かったりしながら成長をして。そしたらいつの間にか次のステップがくる。人との出会いもそうですよね。そうやってギリギリのところからずっとやってきて、プロに入ったフロンターレも結局はJ2だった。ただ、入らないと始まらない。入ったらそこからは自分次第なので。訪れるカテゴリ、高校も大学もそうですけど、自分の納得できるようにやりきろうと。そこは変わらずにやってきた。その結果こうなったと。あとは、上手くなりたかった。今もそうですけど。そこの”向上したい”というところ。そういう思いがあれば周りも手伝ってくれるし、手をかしてくれる。そういう意味でも人との関わりというところには恵まれていたなと。あとは結局、サッカーが好きということ。でも一番根っこにあるのは、それです。それがなくなったら、今はもう辞めていますね。
 
 

【汗の分だけ、成長できる】

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取材・構成/竹中玲央奈 写真/武山智史

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