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汗の分だけ、成長できる

「キーパーグローブが乾かないように工夫してくれた母親に感謝」元日本代表GK川口能活

公開:2015年5月29日 更新:2015年6月22日

キーワード:FC岐阜ゴールキーパー

サッカー界の第一線で活躍する選手や監督、コーチに、少年時代に汗をかいて努力した思い出や当時の経験から得たものについて語ってもらう連載企画『汗の分だけ、成長できる』。FC岐阜のGK川口能活選手に登場してもらった前回は、試合が嫌いだった幼少期や、サッカーを辞めたいと思った中学時代など意外な過去を話してもらいました。後編となる今回は、高校からプロにかけてのエピソードを中心に語ってもらいました。(取材・文 森田将義 写真 平間 喬)
 
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<<前回記事:「辞めてもいいよ。両親のそのひと言に責任を感じた」元日本代表GK川口能活
 
 

■城彰二と組んだ『ポカリ隊』とは?

――当時はポカリスウェットを飲まれていましたか?
 
高校生の時にU-19日本代表に選ばれた時のことです。城彰二とぼくだけ高校生でメンバー入りしたのですが、当時の代表チームは今ほどスタッフの人数が多くなく、サブの選手がポカリスエットを作る役でした。当時はその役割を“ポカリ隊”と皆で呼んでいたのですが、飛び級で2つ年上の代表に入ったぼくと城は「おれたち二人、ポカリ隊として頑張ろうな」なんて話をしていました。
 
当時のぼくにとって、ポカリスエットは飲む物ではなく、作る物でした(笑)。大会の直前まで粉からポカリスエットを作って、先輩たちに飲んでもらっていたので、身近な物でしたね。ただ、ポカリ隊として韓国遠征に行くつもりだったのですが、直前合宿で西野朗監督(現・名古屋グランパス監督)からスタメンに抜擢してもらったので、飲む側に回りました。結果としては3位に終わり、ワールドユースには出場できなかったのですが、一つ上のチームで正キーパーになれたことは自信に繋がったし、プロになりたいと思えました。だから、ポカリスエットがなかったら、今の僕がなかったかもしれませんね(笑)。
 

■プロ入り後に待っていた松永成立という厚い壁

――横浜マリノスに入ってからは当時の日本代表だった松永成立さんの存在がありました。
 
プロになりたいとは思っていたものの、高校卒業してすぐ試合に出られるとは思っていませんでした。出るためには自分を鍛え直さないといけないと考えており、キーパーのレベルが高いチームを選ぼうと。松永さんのことは高校生の頃から好きなキーパーだったのでプレーを勉強していましたが、同時に松永さんからポジションを奪わないと日本代表にはなれないと思っていましたね。自分はチャレンジするタイプの人間なので、厳しい場所で自分を鍛え直そうと考えていました。
 
――実際にプロに入ってからはどうでしたか?
 
プロと高校生ではフィジカルがまったく違いましたし、当時のチームメイトは代表選手ばかりだったので、シュートの速さも比べ物になりませんでした。一年目はサテライトの練習について行くのが精一杯でしたが、練習を続けることで目と身体が慣れたのは大きかったと思います。出場機会がありませんでしたが、トップチームの選手のシュートを止めることができたり、遠慮せずに指示が出せるようになるなど手応えを掴んだ年でした。
 
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■小柄な体格を補う工夫とスタイルの確立

――GKとしてはあまり大型ではない川口選手が工夫されてきたことはありますか?
 
自分の身長が不利だと思ったことはありません。飛び出しやコーチング、雰囲気で大きく見せることができる。身長が大きくて小さく見える選手もいれば、小さくても大きく見える選手もいる。180cmしかないぼくでも代表で長くプレーできたのは、自分らしさと上手く捉えて来られたからだと思います。メディアに「身長が低い」や「ハイボールに弱い」、「飛び出し過ぎだ」などと書かれることはありますが、自分のプレーだからチームメイトを救えたこともあったと思います。自分のスタイルを持っているから、今でもサッカーを続けられていると思いますし、自信を持っています。
 
――周囲の声に左右されなかったことが大きかった
 
別に自分らしさを貫いてきたわけではないのですが、ぼくは周りに言われたことを根に持たないタイプ。もちろん最初は気になりますが、グラウンドに入れば忘れられる。サッカーのお陰ですね。嫌なことを忘れられる不思議な魅力があるのだと思います。それは今も同じで、私生活で嫌なこと、不安なことがあっても練習になると忘れられます。
 

■キーパーグローブを水洗いしてくれた母親に感謝

――最後に、両親にしてもらって嬉しかったことはありますか?
 
スパイクやキーパーグローブを買ってもらえたことですね。当時の感覚としては今よりも高く感じるものだったので、手にした時は嬉しかったです。また、母親がキーパーグローブを洗濯してくれていたのですが、初めは洗った後に乾燥して汚れがとれなくなり、ぼくは怒ってしまいました。それ以降、母親が水洗いしてくれるようになり、部屋で干すなど工夫してくれたことも嬉しかったです。高校に入り、下宿を始めてからは母親に洗い方を教えてもらい、実践していましたね。単純に洗濯するだけでも大変だったと思います。
 
ぼくには小学3年生になる娘がいるのですが、服を汚して帰ってくるのを見て、「男のぼくはもっと汚して帰ってきていたんだろうな」と思う度に、自分がしてもらってきたことのありがたさを痛感しています。
 
 
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川口能活
1975年8月15日生まれ。静岡県富士市出身の元日本代表GK。国際Aマッチ出場数は116、これは日本代表ゴールキーパー歴代1位の記録。横浜F・マリノス、ポーツマスFC(イングランド)、ノアシュラン、ジュビロ磐田を経て、2014年にFC岐阜へ移籍。37試合に出場。
 
 
【汗の分だけ、成長できる】
 
川口能活編
【前編】「辞めてもいいよ。両親のそのひと言に責任を感じた」
 
高原直泰編
【前編】「努力がつらいならキミは成長できない」
【後編】点を取り続ける秘訣は「気にしないこと」
 
山口素弘編
【前編】自分たちで考えて練習した小学生時代
【後編】負けず嫌いがサッカー選手のベースになる
 

 
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取材・文 森田将義 写真 平間 喬

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