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「サカイクキャンプ」でサッカーの技術とライフスキルを身につける

自分に足りないことを見つけ、考える力がつく 「人生に必要な"5つのスキル"」がサッカーの上達にも重要な理由

公開:2017年6月 8日 更新:2020年1月14日

キーワード:コミュニケーションサカイクキャンプライフスキル考える力

■「考えるための材料」が無いのに考えることはできない

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この野球部のエピソードはライフスキルが勝利の一因となった良い例です。指導者が選手に『考えなさい』と口にしますが、考える材料もないのにどうやって考えたらいいのでしょうか。『こうしろ』と答えを示されて型にはめて育成された選手たちが急に考えることを求められても到底できないことです」
『考える力』をはじめ、ライフスキルを高めるのはサッカーの時だけ意識していればいいものではありません。そもそもライフスキルは「日常生活で生じるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」だから日常生活から高めるものなのです。サッカーに割く時間は一日のなかでほんの一部です。選手として、家族の一人としてそれぞれのコミュニティ(チーム)のなかでライフスキルは意識しながら高めることができます。
人生においては、自分とは違う価値に触れることが多くあると思います。自分とは違う価値観を持つ人を恐れず、人の話を聴いたり、コミュニケーションを図ったりすることでアイデンティティが築かれていきます。多様な社会では様々な情報が溢れ、どれが正しいか迷うことも多くあります。そういうときに自分の価値観をもとに選択していきますよね。ですから、人生をよりよく生きていくためにスポーツの場だけでなく、日常生活全般でいろんな情報に囚われることなく自分で(自分の価値観で)選択できる能力をいろんな場やコミュニティで鍛える、トレーニングする「ライフスキル」という考え方は大事になってくると思います」
この春、関東地区のサカイクキャンプに参加した岩﨑優くんのお母さんはキャンプから帰ってきたユウくんにこんな変化があったことを教えてくれました。
「最初のサカイクキャンプから帰ってきた直後は『お母さんやお父さんがいなくても平気だ』なんて生意気なことを言っていました(笑)。実は、キャンプ前日に祖父母の家に泊まったのですが、夜寝言で『キャンプに行きたくない』と口にしていたそうです。そう思うと落差がすごいですが、1週間ぐらい経っていつもの日常生活に戻った時に変化が見られました。うちは共働きなので、私が仕事で疲れていたら『洗い物をやっておくよ』とか、買い物に行っても『荷物を持つよ』とか、そういうことを自然にやってくれるようになったんです」
サッカー以外の日常生活で、ユウくんは変化が現れていました。東海林先生も「サカイクキャンプの後から手伝いをするようになったのはすごい成長です。子どもが日常生活の中で自主的に行動することは簡単にできませんから。それはサッカーでも自分に足りないことを見つけて『こういう練習をしよう』と考えられる力はある証ですから、ゆくゆくはサッカーにつながっていくはずです」と語ります。

■サッカーの技術向上にも「考えてチャレンジする」ことが欠かせない

サカイクキャンプは人間力を高めることに重きを置いて指導を行っています。ヘッドコーチを務める高峯弘樹コーチも過去の失敗からライフスキルの重要性にあらためて気づいたそうです。
「何度もサカイクキャンプを開催してきて現場で感じるのは、ジュニア年代の子どもたちには人間としての土台作りが必要だということです。サッカーの技術、個人戦術の習得はもちろんとても大切ですが、考える力やチャレンジする力など失敗を力に変えたり、人から何かを学んだりして自分自身に昇華していく力が備わらないと伸びないと思っています。
実は、サカイクキャンプもサッカーのスキル向上を掲げ、キャンプのプログラムを組んだ時期もありました。どうやったら技術が上がるか。どうやったら個人戦術を習得できるか。セミナーもそのための内容を入れたりもしました。でも、たった数日のキャンプでサッカーが上手くなるはずはないんですよね。
結局、私たちはサッカーの本質を見失い、小手先のことだけに目を向けてしまっていたのかもしれません。参加者は減る一方でしたし、何より子どもたちが楽しそうにサッカーをプレーしていないことに気づき、そこから選手たちが楽しくサッカーと向き合える現在のサカイクキャンプになりました。
だから、私たちはサッカーの本質、基本的な個人戦術の大切さを伝え、出来るだけ選択肢を示して子どもたち自身で決めて行動する場面を作ることしかしていません。決してサッカーを教えようとはしていません。どうすればいいのかは自分で、もしくは自分たちで考えて行動することです。子どもたちは自分たちが考えて決めたことは真剣に楽しそうにやるんです。もし失敗しても『またどうしようか』と悩んで再び挑戦するんです」
この最後の言葉にサカイク・ライフスキルが詰まっています。
<サッカーを通してライフスキルを高めるために必要な項目>
1.考える力
2.リーダーシップ
3.感謝の心
4.チャレンジ
5.コミュニケーション
東海林先生が取材後、「ライフスキルを一言でいうと何ですか?」という質問に対する補足のメールをくれました。
「私はライフスキルを『スポーツを通じた人間的な成長』と申し上げましたが、次を補足していただくともっと意味がわかりやすいかと思います。すなわち、『たとえば、サッカーのパスの技術を向上させるために何度も練習するように、心理的スキルも困難にぶつかった時に何度も乗り越えてそれを技術に変えること』です」
つまり、ライフスキルとサッカースキルの向上は車の両輪と同じで、どちらも必要でどちらが欠けても前に進まないものなのです。
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東海林祐子 博士/
筑波大学体育専門学群を卒業後、1991年瓊浦高校(長崎市)に赴任。体育の教員、男子ハンドボール部の顧問として2002年まで勤務。2001年インターハイ優勝、国民体育大会優勝などの成績を収めた。男子を率いての女性指導者の全国大会優勝は初。2006年より慶應義塾大学に着任、スポーツのコーチングとライフスキル(スポーツ心理学)を専門とする指導者育成を実施している。コーチングの心理的葛藤(ジレンマ)とゲーム理論を援用したモデルで示し企業の管理職や行政、部活動顧問、トップアスリートなどを対象に講習会を実施している。著書に『スポーツコミュニケーション スポーツ指導におけるコミュニケーションとその応用』(ブックハウスエイチディ)がある。

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