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楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた

サッカーよりも大切なものとは ~池江璃花子選手に学ぶ

公開:2019年2月15日 更新:2019年3月 1日

キーワード:アルビレックス新潟スポーツマンのこころ日本アンプティサッカー選手権大会早川史哉池江璃花子電動車椅子サッカー高橋正紀

■試合に負けても世界は終わらない。池江選手を励ました早川選手のすばらしさ

そして、元気じゃないけれどもスポーツをしている人たちもいるというのが、最後の部分です。

「筋ジストロフィーの人たちの電動車椅子サッカー」です。
この人たちがどういう状況かというと、「試合はいつも命がけ」だということです。「何? 俺だって命がけでやっているよ」という人もいるかもしれないですけれども、本当に、この人たちは筋力が年々弱って、心臓の筋肉も動かせなくなって、亡くなってしまうのです。

私の教え子にも、電動車椅子サッカーをやっている学生がいました。やっぱり21歳になる前に亡くなりました。彼は、医者には「やらないでくれ」と止められていると言っていました。
でも、やめませんでした。

一度大会に応援しに行きました。ボランティアの看護師さんが酸素ボンベを持ってたくさんいました。ハーフタイムにはみんな酸素吸入しています。

高校生にも「どうかな。君たちは五体満足だけど、こういう人もいるよ」と話します。

基本的には、知識を得ることをすごく大事にしていますから、押しつけるということはしません。ただ、「知っていたほうがいいよね」ということです。

そして、「これを、どう捉えるかは自由だよ。ただ、知っていないとね」ということで、こういうことも伝えています。

日本では、今お話ししたようなことが、きちんと理解されていません。
そのため「非日常」のスポーツが世界のすべてになってしまって、非日常での勝ち負けにものすごくとらわれてしまっています。いわゆる「勝利至上主義」というものです。

日本は、メディアを含めて似たような状態です。もちろん、日本代表が負ければ悔しい。自分の子どもが負けたり、教え子が負ければかわいそうになります。でも、負けたからといって世界は終わりません。

その意味で、池江選手をひとりの人間として励ました早川選手を、同じサッカー畑の人間として非常に誇らしく思うのです。

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高橋正紀さんprofile.jpg

高橋正紀(たかはし・まさのり)

1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜経済大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。

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監修:高橋正紀 構成・文:「スポーツマンのこころ推進委員会」 写真:GettyImages

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