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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

おまえは負け組だ!と罵倒。夫の行き過ぎた指導をやめさせたい問題

公開:2019年1月 9日 更新:2019年1月23日

キーワード:サッカー経験者スポ少パワハラ朝練父親虐待

サッカー経験者の夫が息子に厳しすぎる。眠い中での朝練の強要、できないと「お前は負け組だ」、「練習があるから行くな」と学校のイベントにも行かせない。見るに見かねて「サカイク」のサイトも見せたけど効果なし。行き過ぎた指導をやめさせたい、とご相談をいただきました。

このような状態で、お子さんはサッカーを楽しんで続けることができるでしょうか? なおかつ、お父さんのことも好きでいられますか。

今回も、スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、ご自身の体験と数々の取材活動で得た知見をもとに、お子さんを救うための3つのステップを授けます。ぜひ参考にしてください。(文:島沢優子)

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※写真はサカイクキャンプです。ご質問者様とは関係ありません

<<部活かクラブか決められない。優柔不断な息子をどうする問題

<サッカーママからのご相談>

サッカー経験のある夫が息子に厳しすぎて困っています。

現在息子は小3です。所属は家から通える範囲のスポ少で練習は週一です。なので、週2~3回きちんと足技を教えてくれる地域のスクールに通っています。

息子のサッカーは中レベル。先日までは所属のスポ少で中学年のトップチームでしたが、セカンドチームに落とされました。

そのせいもあって、夫の眠い中の朝練の強要、それを出来ないことでの「お前は負け組だ」等の罵倒が酷くなりました。

学校主催のお祭りにも「スポ少の練習があるから行くな」、「サッカーの練習に行かないとまたセカンドだ」と脅し、泣く泣くお祭りにも行けないという状態です。

また、夫が教えてくれるのはいいのですが、なまじ経験やテクニックを持っているため「自分は出来る自慢」が先行して息子へ教えるという状態ではなくなっています。

それでも息子は、スポ少でのセカンド練習はつまらないけど、スクールでの練習は好きで頑張っています。

夫のやり方を見るに見かねてこの「サカイク」のサイトも教えて、感じてもらうとしましたが......だめでした。

私は息子のサッカーを好きな気持ちを大切にしたいです。
夫の行き過ぎた指導や圧力をやめさせたいのですが、どうしたらいいのでしょうか......。

<島沢さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

とても大変な、というよりもある意味危険な状況ですね。サッカーを嫌いになるくらいならまだいいのですが、息子さんの自己肯定感が破壊されるばかりか、息子さんのなかでお父さんに対する憎悪がふくらむばかりでしょう。

まず最初に、お母さんのなかでひとつ認識を改めませんか。
「夫の行き過ぎた指導や圧力をやめさせたい」とあります。これはパワハラの報道などでよく使われる言葉です。私も過去に使ったことがありますが、反省しなくてはなりません。
なぜなら、子どもの人権を無視したもの、行き過ぎたものは、「指導」とは呼べません。

■真剣に離婚を考える人も......。父親のパワハラ的言動

日本を除いた多くの先進国では、お父さんのケースは恐らく「児童虐待」として位置付けられるでしょう。しつけ、指導という名目での虐待です。

しかしながら、父親が競技開始の入り口でかかわることの多い少年サッカーで、お母さんのお宅のようなケースは実は少なくありません。

嫌がる子どもを毎朝5時にたたき起こして走らせる。
「今日ゴールを決めなかったら、違うチームに移籍させるぞ」と脅す。
負けた試合の夜は、正座させビデオでミスした場面を叱る。

昭和の人気テレビアニメ『巨人の星』を彷彿させるスパルタぶりです。昭和のあと30年の平成が終わろうとしているのに。夫のあまりの蛮行に、真剣に離婚を考える人もいます。

数年前にも別のコンテンツで少年サッカーまわりの相談連載を行ったことがあります。技術関連の相談を省いてカテゴリー分けすると、3割がコーチによるパワーハラスメント的言動、3割が父親のそれ、残り4割がその他。その内容は、母親もしくは親同士のいさかい、チーム内のいじめや子ども自身の性格にまつわるものでした。

つまり、父親によるパワハラ的言動はコーチのそれと同じくらい、多くのお方が悩まれていました。相談してくるのは妻である母親やコーチ、他選手の親、なかには選手本人からのSOSもありました。

思えば、学校で教師のパワハラにはみなさん厳しくバッシングされます。血を分けた親の行動でも、「それはしつけではなく虐待」「家庭内DV(ドメスティックハラスメント)だ」と認識は高まっています。

ところが、スポーツにまつわるハラスメントにはなぜか寛容です。「お父さん、子どものサッカーのことになると感情的になる」「熱血だから」「期待が大きいんでしょう」と、お母さんたちも口を挟みづらいようです。

次ページ:息子さんを救うための3ステップ

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※ご相談者様のお名前、チーム名等は記事に掲載いたしませんのでご安心ください。
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文:島沢優子

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