2018年1月24日

上手い子にバカにされる息子をどうにかしてあげたい問題

■親が気を回しすぎると逆に自我を出す目を摘んでしまうことも

※写真はサカイクキャンプの写真です。 質問者及び質問内容とは関係ありません

何もしない。動かない。それも立派な子育てです。動き過ぎると、子どもが自我を出す芽を摘んでしまうことがあります。

もし、その子から言われたことで落ち込んでいたとしても、何も言わなくてよいです。息子さんから「ママ、聞いてよ~今日さ~」と話しかけてきたときだけ「ふーん、そうなの。それは悔しいね」と言って、彼の気持ちに共感してあげてください。

「どうすればいいかな?」と問いかけて、解決方法を考えさせて下さい。もし「でも、僕はあの子ほど上手くないから、何も言えない」と言ったなら、まずは「そうか、何も言えないか。人に意見するのは難しいよね」とまずは共感します。

「でも、自分が上手くないから言えないっていうのは、違うと思うよ」と言ってあげてください。そこで初めてお母さんの意見を言えばいいと思います。

チームの一員として、どうふるまったほうがいいか、みんなで考えようよって提案してみたら?」と勧めてください。

恐らく「自我が強くない」息子さんは、「そんなことできないよ」と視線を落とすかもしれません。そう言われて「だから君はダメなんだ」みたいなことを言うのではなく、そこでも共感します。

「そうか。難しいよね。でも、いつかできるといいね。みんなで楽しくサッカーできるといいね。そうなれるように何ができるか、考えてみたら?」

いかがでしょうか。
とにかく、共感。
共感しては問いかける。

問いかけて、答えをもらったら、またそれに共感して、また問いかける。

家庭でそんな対話ができると、息子さんは違ってくると思います。サッカーが上手い下手に関係なく意見を言える。自我を出せるようになるかもしれません。

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は、ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)。

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