毎年Jリーガーを輩出する全国出場経験のない興國高校サッカー部の取り組みが分かる記事5選

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3年間で「技術」や「判断」を高める興國高校サッカー部の育成メソッドとは?

あなたは大阪の興國高校サッカー部をご存知でしょうか?

興國高校サッカー部は、全国大会出場未経験ながら、現在ヴィッセル神戸でイニエスタ選手とともに活躍する古橋亨梧選手など数々のJリーガーを輩出し、毎年3年生のうち20名以上が、関東や関西の大学サッカー部へ推薦入学を決めています。

では、なぜ興國高校の選手達は高い評価を得ているのでしょうか?

チームのスタイルは、高い技術と個人戦術をベースとした、ポゼッションサッカーです。ゴールキーパーやセンターバックも含め高い「技術力」を持った選手が必要で、かつ選手個々の「判断力」「戦術理解力」が求められます。このサッカーの中で培われた「個の力」こそ、興國の選手達が高い評価を集める理由です。

そこで、今回は内野智章監督の指導方針や実際のトレーニング内容の記事をご紹介しますので、ぜひ、ご一読ください。

なぜ、全国経験のないサッカー部から毎年Jリーガーが輩出されるのか?興國高校サッカー部の秘密に迫る


古橋亨梧(ヴィッセル神戸)、北谷史孝(FC岐阜)、和田達也(松本山雅)といったJリーガーを輩出している興國高校サッカー部(大阪府)。

なぜ、高校選手権に出場経験のないチームから、毎年のようにJリーグのスカウトに評価される選手が生まれてくるのでしょうか?その秘密を興國高校サッカー部・内野智章監督に聞きました。

答えを教えない「自分で考えろ」は、九九を教えない「分数の掛け算を解け」に等しい


「日本の指導者の場合、『自分で考なさい』と言うのですが、自分で考えるためには、答えを持っていないといけない。九九ができない子に、分数の掛け算をやれと言ってもできるわけはないですよね。でも、そういうことがサッカーの世界では起きているので、15歳を過ぎると、世界で勝てなくなってきているのかなと思います」

「自分で考なさい」と子どもに押し付けてしまう指導者が多いと言われている育成指導の問題について、内野監督なりの考え方を語ってもらいました。

毎年プロ選手を生み出す秘密とは? 試合で使える技術を磨く「ボールコーディネーション」とは


ポゼッションサッカーには高い「技術力」が求められます。

興國高校サッカーでは、個々の脳を活性化させて、技術の習得を早くするためにドリブルやリフティング、パスなどボールコントロールの練習をリズムでつなぐ「ボールコーディネーション」とテクニック練習を取り入れています。 

メッシやダニエウ・アウベスもやっている!『対面ロングリフティング』で実戦に必要な4つのスキルを伸ばそう


一時期、FCバルセロナのメッシとダニエウ・アウヴェス(現:パリ・サンジェルマン)が試合前に行っていたボールを一度も地面に落とさずに、リフティングしながらロングパスを交換するが話題になりました。

この『対面ロングリフティング』と呼ばれるトレーニングを行うことで、ボールコントロール能力はもちろん、ボディバランス、軸足を抜く蹴り方、距離感や落下点を読む空間認知力を養っていくことにつながります。

ほんの些細な工夫で効果UP!全国経験がなくても毎年Jリーガーを輩出する興國高校サッカー部が一対一を対角線でおこなう理由


一対一は、ボールフィーリングや相手との駆け引きといったサッカーに必要不可欠な技術を磨くことのできるトレーニングです。

よく行われる一対一のトレーニングは、真正面からのシチュエーションが多いですが、サッカーのゲーム中では正対する状態はほとんどなく、多くが斜めの動きによるものです。

興國高校サッカー部では、実際の試合に近い状況で行う"対角線に向かい合う一対一"を行うことで、ドリブルで縦に突破するのか、中にカットインするのかという複数の選択肢を身につける対人練習を取り入れています。