考える力

2021年12月23日

キャプテンは試合で引っ張ればいいだけじゃない、日本代表遠藤航が中学部活で身につけたキャプテンシーの基礎

日本代表の中心選手として2022年のカタールワールドカップでの活躍が期待される遠藤航選手。

今でこそ華々しい活躍を見せていますが、幼少期からエリート街道を歩いてきたわけではありません。小学生時代はセレクションに2年連続で不合格、地元でも名の知れた存在ではなかったといいます。

そんな遠藤航選手が初の著書 「楽しい」から強くなれる プロサッカー選手になるために僕が実現してきたこと の中で明かす、夢を叶えるために実行してきたステップを一部抜粋してお届けします。

第三回目は、サッカー部の活動を通じて遠藤選手がどんな風にキャプテンシーを身につけてきたのかをお送りします。

 

(C)中河原 理英

 

<<関連記事:本当に大切なものだから悔いのないように自分で決める、日本代表遠藤航がクラブチームではなく中学サッカー部を選んだ理由

 

■どうすれば勝てるかに頭を働かせるのは面白かった

南戸塚中のサッカー部では、3年になって最終的にキャプテンを任された。チームは決して強豪ではなかったけど、だからこそ試合で勝つためには工夫が必要だった。

部活では色んなレベルの選手がいて、どうすれば試合に勝てるか頭を働かせるのは面白く、それはそれですごくやりがいを感じていた。

センターバックの相棒は、中学からサッカーを始めたばかりでも体格が良かったので、ボールを持った相手に当たりに行ってもらい、自分がスペースをケアするようにして、(父に渡された)指導者用の教本で読んだチャレンジ&カバーを試してみたりもした。

 

■部活のキャプテンは試合で引っ張ればいいだけじゃない

部活のキャプテンは試合中にチームを引っ張ればいいだけじゃない。

平日は顧問の先生も忙しくて、練習を見に来ることができないことも多い。だから、キャプテンは先生のアシスタントみたいな役目もある。

事前にメニューを確認して、代わりに自分が練習を進めていく。グループに分かれてのボール回しとか、2人1組でのボール・コントロール、インサイドやインステップといった基本的なキック、そしてヘディングの練習に、全員で順番に蹴るシュート練習。

試合がある日のチームリーダーは、文字通りの「引率者」でもあった。先生とは試合会場で合流するから、移動中は自分たちだけ。

 

■キャプテンの仕事は試合前から始まる

キャプテンの仕事は、電車の乗り換えや会場の最寄り駅から歩く道順を前もって調べることから始まる。

試合前日には、練習後にボールを数えながらバッグに入れて、翌日のボール担当に指名した部員に「忘れずに持ってきてくれよ」と言付ける。

当日は、地元の駅に集合したチームメイトたちを、改札では1列、電車を降りて歩くときには2列に並ばせる。タラタラ歩くやつがいると列が乱れてしまうので、真面目で信頼できる部員をサポート役として列の後ろに配置したりもした。

キャプテンシーの基礎は、ここでしっかりと身につけさせてもらった。

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