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おれならできる!その"自信"は子どもを成長させる起爆剤 皆本晃×片山堅仁対談2

公開:2015年5月18日 更新:2021年1月27日

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■自信を持つことで、子どもの可能性は広がる

皆本 ぼくも含めて日本人は基本的に謙虚です。「いや、ぼくは」みたいな。日本ではそういう謙虚さが必要なことがあるし、それが美徳でもあります。謙虚な姿勢を見せておいて、内心は自信満々という状態があってもいいのではないでしょうか。
 
――恐らく、予防線を張ってるんです。褒められた時に「いや、そんなことないですよ」って言っておかないと、後で何を言われるか分からない(笑)。褒められた人は、ある意味で賞賛を攻撃だと捉えているところがある。
 
片山 日本人の多くは「できる?」と聞かれたら100パーセント自信がないと「できる」と言わないと思うんです。けど、あっちの連中はなんでも「できる」「YES」、とりあえず「うん」と言う。で、やらせてみたら全然できない(笑)。ただ、重要なのは「YES」と言うことでチャンスが来るということ。それでチャレンジしてみたら、もしかしたら結果が付いてくるかもしれない。ホントにできなくても「やっぱりダメだった」となるだけ。
 
例えば85パーセントできるのなら仕事として成り立ったり、うまく収まるケースでも、「いや、100点じゃないから」といって断ってしまうことがあると思うんです。もちろん自分の任された仕事で100点を求めるのは大切なことだし、それが日本人の良いところでもあるけど、損していることもあるかもしれません。
 
――自信を持たないのはチャンスをなくしてしまうということですか?
 
片山 自信を持ったらもっとできることがたくさんあるのに、できることを自分で狭めてしまっているのだと思います。日本はある意味で完璧なんです。出てくるものすべてが。料理もそうですし、お菓子もそう。例えば、パンダの顔がついているチョコクッキーがあるとして、顔の部分が下向きになったまま商品になって出てくるケースが海外だったらあります。要は、失敗してるんです。だけど、失敗しても商品として堂々と出してしまう国があるんです。それがいいと言うことではありません。それくらい適当な国なんで、環境の違いはあるかもしれないですけど、それは大事なんじゃないかなと。
 
皆本 日本人のメンタルのまま現地にいるとホントに嫌気が差します(笑)。スペインに行った日本人って、よくスペイン人化しちゃうんです。自分を変えなきゃストレスで死んでしまう(笑)。
 
――ぼくもこの間、ミュンヘンに取材で行ったんですけど、コインランドリーで現地人に話しかけられて「操作方法が分からないから教えろ」と言われて。ぼくはツーリストなのに(苦笑)さっき覚えたばかりの操作方法を英語で説明したら「ダンケ(ドイツ語で「ありがとう」の意)。ついでに金も入れてくれ」と言われました(笑)。いやいや、金は自分で入れろよと。そういう図々しさはすごいですよね。
 
片山 ぼくもスペインで歩いてたら「1ユーロ失くして電車に乗れなくなったから、1ユーロ貸してくれ」と言われました。「いや、知らないよ」という話じゃないですか(笑)。そういうことを、恥ずかしげもなく言ってくる。日本だったら絶対に言ってこない。そういった感覚が違うんですよね。
 
――その辺の気質は、サッカーにかなり関わってますよね。
 
皆本 サッカーでは相当出てますよね(笑)
 
片山 したたかですよね。最後に勝つか負けるかの紙一重の部分は、そういうところなんじゃないかなと思います。日本だと最後に「あ、どうぞ」という謙虚さが出てしまいがちじゃないですか。
 

■海外に出ると、日本のいいところに気づける

皆本 ぼくはたまたまフットサルをやっていて、たまたま世界に挑戦したくて、たまたまそれが可能な環境にいたけど、大学を出てフットサルを選ばずに就職していたら、こういう世界を知らずにいたと思います。海外に行って何を感じるかはその人次第ですけど、知らずに終わるのは一番不幸というか、もったいない。子どものころから、知らない世界に触れる機会は大事です。海外の文化や習慣、考え方に合わせたほうがいいということではありません。日本には日本の良さがありますから。アメリカでもスペインでもブラジルでもいいから、「違う」ということを実感できればいい。
 
片山 それがきっかけで海外をもっと知りたいとか、何を知りたいかはその子の自由です。
 
皆本 中田英寿さんみたいにいろんなところへ行った結果、「日本が一番」って結論に達するのもOKだし。日本の環境が当たり前じゃない、ということに気付くこともすごく大事。コンビニがあってなんでも情報も得られる、というのは当たり前じゃないんだよってということを知るだけでも全然違う。
 
片山 自分が外国人になる、という経験がすごく大きいと思います。日本を出た瞬間に、外国人として見られる。日本代表として見られる。自分が外に出て一番感じたのは「自分は日本人なんだ」という 感覚を強く感じさせられたことです。「日本の人」っていう認識をすごく植え付けられました。「日本のことをもっと知らなきゃ」「日本と海外で何が違うのか」「もっと深く日本のことを知りたい」って思いました。外に出ることは、そういうきっかけにもなると思います。
 
――お忙しい中、興味深いお話をありがとうございました。
 
 
 
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皆本晃
高校卒業後にフットサルに転向し、府中アスレティックFCのサテライトチームに入団。2ヶ月後にはトップチームに昇格しFリーグ昇格に大きく貢献した。3ヶ月間のブラジル留学を経て帰国後は府中の中心選手となり日本代表にも選出。約3年間のスペイン、カタールでのプレー経験を活かし、2014年のAFCフットサル選手権では中心選手としてチームを牽引。日本フットサル史上初のアジア2連覇という好成績を収めた。また積極的に活動を行っているJFAこころのプロジェクト「夢先生」では自身の経験を活かした授業が高い評価を得ている。
 
片山堅仁
18歳にブラジルで1年間プレー。その後3年間、南米アルゼンチンでプレーする。2011年にフットサルに出会い2013年シュライカー大阪でFリーグデビュー。同年に日本代表候補に選出される。2015年1月に引退。引退後、自身の海外経験、語学力を活かし、通訳として活動する傍ら、フットボールブランドVIVERのアドバイザーも兼任し、フットボールの素晴らしさを伝えるべく、全国各地でフットサルクリニックやフットボールで人を繋ぐイベント、フットボールと他分野を繋げるイベントを開催中。又、現代の日本の子供にフットボールを通して、思考、創造、表現を3大テーマに子供が感じる、考える、表現することができる環境を与える新しい学びの場創りを計画中。
 

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取材・構成/澤山大輔 写真/田丸由美子

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