考える力

2015年3月11日

「なんでできないんだ」はNG!そのミスには子どもなりの考えがある

前回記事『頑張れない子どもに効く!オンとオフのメリハリをつける習慣』で、覇気がない、頑張れない、考える力がない傾向が強い現代の子どもたちに、親としてどのように接していくべきかを説いてくれた中野吉之伴さん。ドイツで妻と2人の子どもと暮らし、ドイツサッカー協会公認A級コーチライセンスを保持する彼が、実際に子育をしていて感じる親としての落とし穴を語りました。(取材・文 中野吉之伴 写真 田丸由美子)

 
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■じつは、子どもは子どもなりに考えている

わたしには2人の子どもがいます。2人共ドイツ生まれ、ドイツ育ち。次男は地元の保育園、小学1年生の長男は近所の小学校に通っています。二人とも去年の夏ころから週1回、近所のミニサッカーで楽しんでいるのですが、お世話になっているそこの年配コーチは声を荒らげたりしません。でも仲間のミスに文句を言ったり、自分のミスを誰かのせいにしたりすると諭すように力強く声をかけます。
「サッカーは仲間とするものだ。ミスに文句をいうのではなく、ミスをカバーできるように自分が走るのがサッカーだ」
 
「試合が終わるまで諦めてはいけない。できないと思っていたらいつまでもできないままだ」
 
そしてそれ以外のところではミスを許容し、子どもの自由に任せる時間を十分にとっています。親として練習や試合を見学していると、「なんでそんなところでドリブルを?」「なんでシュートしないの?」「なんでぼーっとしているの?」と、なにかいいたくなることが山のように出てくるはず。でも、子どもは子どもなりに考えてやっていたりするものです。
 
ある日のミニゲーム、「あー、そんなところでドリブルしようとしたら取られる!」と思って長男のプレーをみていると、案の定取られてしまいます。ピンチの原因となり、仲間からも文句を言われる始末。
 
練習後にミスをしてしょんぼりしてるかなと思って、そのシーンについて聞いてみたら「あそこはね、相手がみんな左側から来てたでしょ。だから足の後ろを通して右側に持っていったら、右で待っていた仲間にパスできていいなって思ったの」と実にしっかりとした答えが帰ってきました。そして「次はもっとうまくやるね」と力強いセリフ。
 
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